犬は車酔いするの?車酔いした際に気をつけること、予防・対策、車酔いしやすい犬種など。

本記事のご紹介(by ハピわん!)

愛犬と楽しく車でお出かけ。
そんな日常の一コマも多々あるかと思います。犬によっては、車に乗るが苦手、車酔いしてしまう犬もいます。
本稿は、犬の車酔いについてまとめています。

犬は車酔いするの?

犬は車酔いをする場合があります。犬は視覚や聴覚などから入ってくる刺激が多すぎるとストレスを感じることがあり、その結果、吐き気や嘔吐(おうと)を起こすことがあります。
車酔いは、車内での振動や視野の変化などによって生じる運動酔いの一種です。犬は人間よりも運動感覚が発達しているため、車内でのこうした刺激に敏感に反応しやすく、ストレスを感じやすくなっています。
また、犬は人間と違って頭蓋骨が比較的大きめでゆとりがあり、脳が動きやすいため、 頭蓋骨内での脳の動きが大きくなりがちで、これも車酔いの原因となります。

犬の車酔い対策として、犬にとってストレスが少なくなるような環境を提供することが大切です。具体的には、窓からの視界を制限したり、静かな音楽を流したり、 乗り物に慣れるための訓練を行ったりすることが効果的です。また、乗車前に犬を運動させておくことで、乗車中のストレスが軽減される場合もあります。

犬は車酔いをする場合があります


犬には乗り物酔いの薬も人間と同様に効果があり、乗車前に服用させると酔いを和らげることができます。ただし、犬は人間よりも薬の影響を受けやすいため、 用量と使用頻度には十分注意が必要です。
長時間のドライブの場合は、特に薬の使用の必要があるかもしれません。 乗り物酔いがひどい犬は、ドライブ中ほとんど休息できずにストレスを感じ続けるため、 体力的にも精神的にも負荷が高く、大変な状態になってしまいます。薬を使用することで酔いを抑えられれば、ドライブ中にも適度な休息が取れ、 目的地にたどり着いた時にはほぼ元気な状態で過ごすことができるため、 長距離ドライブには特に重要です。

また、乗り物酔いの薬は必要に応じて複数種類を組み合わせて使用することができます。 酔いによる嘔吐を防ぎつつ、酔いそのものを抑えることができるため、 乗り物酔いがひどい犬には非常に効果的な手段となります。
ただし、使用する薬剤の種類と用量については、必ず獣医師と相談する必要があります。 獣医師に、犬の体重や症状を考慮した上で適切な処方を行ってもらいましょう。自分で勝手に選んだ薬を使用すると、副作用が出たり、意図しない影響を及ぼしたりする危険性がありますので、そういったことは避けましょう。

犬が車酔いするとどうなるの?

犬が車酔いをすると、吐き気を感じたり、実際に吐いたりすることがあります。また、不安になりやすい性格の犬は、パニックに陥ったり、激しく挙動を乱したりすることもあるでしょう。車酔いで体調を崩した犬は、目的地に着いた後でも普段通りに元気になるには時間がかかる場合が多くなります。

車酔いを起こす犬は、車内での行動が落ち着かなくなりがちです。座ったままでいることができずに立ち上がったり横になったりすることが多く、また、吐き気を感じているのを示すような体の動きをすることもあります。このような状態では、安全のためにも犬を固定する必要がありますが、 固定する際にはストレスを増幅しないよう配慮が必要です。ソフトな素材でできたハーネスやキャリングバッグを使用し、 必要最小限の固定で済むようにすることが望ましいでしょう。

車酔いの症状がひどい場合には、乗車中に水分補給が必要になることもあります。しかし、吐き気を催す状態では水分の摂取は難しいため、必要ならば途中で休息を取らなければいけないかもしれません。また、吐いた後は脱水になりやすいため、到着後すぐに水分補給を始める必要があります。

車酔いを起こす犬は、車内での行動が落ち着かなくなりがちです

車に酔いやすい犬って?犬種は?

車酔いしやすい犬種としては、以下のような例が挙げられます。

・頭蓋骨が大きく脳の動きのある犬種:コリー、シェパード、の系統など。頭蓋骨が大きい犬種は、頭蓋骨内での脳の動きが大きくなりがちで、これが車酔いの原因ともなっています。
・運動感覚が発達している犬種:レトリバー、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(&カーディガン)、ボーダーコリー、オーストラリアン・シェパード・ドッグ、など。これらは、運動感覚が発達しているために、車内での振動や視野の変化に強く影響を受ける傾向があります。
・ストレスに敏感な性格の犬種:ボーダー・コリー、オーストラリアン・シェパード・ドッグ、シェルティー、ペキニーゼ、など。これらの犬種は、車内での刺激に敏感に反応しやすく、ストレスを感じやすくなっています。

また、ストレスに敏感な性格の犬は、単に物理的な要因で車酔いを起こすのではなく、精神的な要因も影響していると言われています。不安になったり、パニックに陥ったりすることで、吐き気や嘔吐を引き起こすことがあるのです。

犬の車酔いはストレスも影響しています


このように、車酔いしやすい犬種には生理的要因と心理的要因の両方が影響していると考えられています。対策を立てる上でも、両方の要因に着目し、ストレスを軽減できるような環境を作ることが大切です。

犬が車酔いしたらするべきことは?

では、犬が車酔いしてしまったら、実際にどのような対応が必要でしょうか?
それには主に以下のようなものが挙げられます。

・吐いた汚物をすぐに掃除する:犬が吐いた汚物はすぐに清掃する必要があります。吐いた汚物を放置すると、吐いた場所の汚染はもちろんのこと、吐いた物のにおいで犬が更にストレスを感じてしまう可能性があります。清掃後には、吐いた場所を消毒することも大切です。
・犬に食事を与えず、少なくとも2〜3時間程度は空腹のままにする。吐いた直後は、胃の中の物がなくなった状態になり、空いている状態が続いていると考えられます。この状態で食事を与えてしまうと、また再度吐いてしまう可能性が高まります。少なくとも2〜3時間程度は食事を与えず、空腹のままにしておく必要があります。ただし、空腹の状態が続くほど回復に時間がかかることが多いため、その間は経過観察が必要となります。

・目的地へ到着後に水分補給:吐いてしまった際は、脱水になりやすいため、到着後すぐに水分補給をさせてあげる必要があります。吐いた後は体内の水分量が減少しています。脱水状態は体調を悪化させるだけでなく、体力の回復を妨げる要因ともなります。到着後はできるだけ早く水分補給を始める必要があります。しかしながら、吐いた直後にはまだ胃の中が空いている状態が続いていると考えられるため、一度に大量の水を飲ませるのではなく、一定時間ごとに少量ずつ水分補給させる必要があります。

・落ち着かせて寝かせる:車酔いで吐いた後、体調が回復するまでの間はなるべくゆっくりと安静にして過ごさせてあげる必要があります。もし、車酔いで体調を崩した犬を無理に運動させると、更なる体力の消耗につながってしまいます。家または目的地などに到着した際は、落ち着いて寝ることができる場所を用意してあげ、なるべくストレスのない環境でリラックスして過ごしてもらう必要があります。

車酔いしたらなるべくゆっくり休ませてあげましょう


・回復が遅い場合は早めに獣医師に相談する:通常、水分補給と安静な環境での休息によって、車酔いで体調を崩した犬は徐々に回復していきます。しかし、それでも吐き続けたり、食事を取ることができない、普段の活動レベルが低下したままであるなどの異常が続く場合には、獣医師に早めに相談する必要があります。脱水や電解質のバランスの乱れがあり、点滴などの治療が必要になる可能性があるためです。また、胃腸の中の物を吐いた際に、それらが残ったままになっている場合には、消化管の詰まりを起こしてしまう可能性もあります。このような場合には、獣医師の診察と治療が必要不可欠なレベルになってきます。

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