【ノアの方舟に乗った!?最古の犬種、超絶マイペースな性格のアフガン・ハウンド】

アフガン・ハウンドの基本情報(性格・しつけ・病気など)

 
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アフガン・ハウンド
[英記]:Afghan Hound

    ◇基本データ
  • ・サイズ: 大型犬
  • ・体高:64cm~74cm
  • ・体重:23kg~28kg

  • ◇起源・歴史・沿革・系統:
  • アフガン・ハウンドは、その名の通り、原産国はアフガニスタンの犬種です。
    最古の犬種であるという説も存在し、「ノアの方舟(はこぶね)」に乗った犬種であるとも言われているほどです。

    その起源は諸説ありますが、紀元前4000年頃までにさかのぼり、 シナイ半島(モーゼが十戒を授かったことで有名な地)で古代エジプト王室の狩猟犬として飼われていた犬が 始祖犬であるという説、ペルシャに生息していた『サルーキ』が始祖犬にあたるという説、が存在します。
    その後、経緯についてはわかっていませんが、アフガニスタンで遊牧民に飼われ、 ヒョウやオオカミ、ガゼル(小型のカモシカ)などを狩るための狩猟犬として活躍していました (現地のアフガニスタンでは、現在も狩猟犬として活躍中)。
    尚、アフガン・ハウンドを独自に飼っていた『バルグジー』という名前の貴族に由来し 『バルキー(またはバルーキ)』とも呼ばれていました。

    アフガン・ハウンドは優秀な狩猟犬で、俊敏な動き方ができる上に(全速力は時速60kmにもなる)、 高速の状態で方向転換もできるようになっていて、それに加え、 ヒョウやガゼルなどを狩ることができるほどの強い力を持っています。
    眼(視力)も非常に良いことが有名で、1km先の物が見え、眼が顔の側面に付いており、 視界が270度見えていると言われています。
    狩猟の本能からの特性として、人間から離れたところで、一人で行動する場面も多く、 自分で考えて動く性質を持っています。
    また、大きな特徴である非常に長い被毛は、寒さや岩場から身を守るためとなっています。

    それと、現在飼われている多くのアフガン・ハウンドは、見栄えを改良するために、 2タイプに別れて進化していたアフガン・ハウンドのミックス(混血)となっています。
    2タイプはそれぞれ、体格は小さい・被毛の量が多い・被毛の色が濃いといった 特徴のアフガニスタン北部の山岳部に生息する『ガズニ』と呼ばれるタイプ、 もう一方は、脚が長い・被毛の量が多い・被毛の色が濃いといったアフガニスタン南部・西部の砂漠地帯に生息する 『ベル・マレイ』と呼ばれるタイプとなっています。

    18世紀にイギリスへ渡った際には、『ペルシャ・ハウンド』と呼ばれる犬種で上流階級を中心に人気がありましたが、 その後の改良されていく中で、現在のアフガン・ハウンドの形になりました。


    ◇こんなスタイルで犬を飼いたい方・こんな状況の方との相性Good!!
    ・しつけが非常にしにくい犬種だが、理解して根気強くしつけを行える
    ・運動量はかなり多くても問題ない
    ・猫のようなマイペースさは嫌いではない
    ・犬の全力疾走の姿、足の早い犬が好き
アフガン・ハウンドのメイン写真 アフガン・ハウンドの特徴評価グラフ

しつけのしやすさ

アフガン・ハウンドは、古代から中東・アフガニスタンの山岳地帯で猟犬として活躍してきた歴史を持つ犬種です。そのため、非常に優れた狩猟本能と独立心を備えています。まず理解すべきは、この犬が「人に従うこと」よりも「自ら判断して動くこと」に適した気質を持っているという点です。飼い主の命令を絶対視するシェパードやボーダー・コリーのような作業犬と比べると、アフガン・ハウンドは自律的で、指示に即座に従うことを当然とは考えません。そのため「しつけにくい犬」と評されることが多いのです。

しかし、これは従順さが欠けているのではなく、役割に由来する気質です。もともと広大な土地で獲物を追跡する際に、遠く離れた主人からの細かい指示を待たず、瞬時に自分で判断して動く必要がありました。その結果、独立心が強く、同時に気高い態度を示すことが多いのです。この特性を理解せずに「命令に従わないから問題犬だ」と捉えると、飼い主と犬との関係がこじれやすくなります。

しつけにあたって重要なのは、まず犬の自尊心を尊重する姿勢です。アフガン・ハウンドは褒められることに敏感であり、叱責や強制的な方法には反発します。力で従わせようとすると反抗心を強め、学習意欲を失ってしまいます。そのため、しつけでは「遊びやご褒美を通じて楽しく学ばせる」ことが鍵になります。トレーニングセッションは短時間に区切り、繰り返しを重ねるよりも、成功体験を積ませて「この行動をするといいことがある」と感じさせることが効果的です。

また、注意すべき点として、アフガン・ハウンドは集中力が長く続きにくい傾向があります。環境の刺激に敏感で、鳥や猫、小動物が視界に入ると一瞬で気が散ってしまうことがあります。これは彼らの視覚を主体とした猟犬としての本能によるものです。従って、初期の段階では静かで落ち着いた環境でトレーニングを行い、徐々に刺激の多い場所へ移して慣れさせていくとよいでしょう。

社会化も非常に重要です。独立心が強いため放っておくと「自分の世界」に閉じこもり、他の犬や人との関わりを避けることもあります。子犬期から多様な人や犬に出会わせ、ポジティブな体験を積むことは、成犬になってからの行動安定に直結します。アフガン・ハウンドは外見こそ気高く気難しく見えるものの、適切に育てれば家庭内で穏やかに振る舞い、飼い主への深い愛情を示す犬種です。

まとめると、アフガン・ハウンドのしつけは「難しい」と言われがちですが、実際には人間側のアプローチ次第で大きく結果が変わります。従順さを強要するのではなく、独立心を理解し、遊びやご褒美を通してモチベーションを高めることが成功の鍵です。忍耐強く一貫性を持って取り組むことで、気品あふれるこの犬と深い信頼関係を築くことができるでしょう。

気性の穏やかさ・性格

アフガン・ハウンドは、その気高い外見と流れるような被毛から「犬の貴族」と呼ばれることがありますが、その内面もまた独特で、他の犬種とは一線を画しています。
まず基本的に、アフガン・ハウンドは非常に独立心が強く、従順さを全面に出すタイプではありません。しかし、それは決して攻撃的であることを意味しないのです。むしろ彼らは温厚で、無闇に怒ったり攻撃を仕掛けたりすることは少なく、落ち着いた性格を持っています。

家庭内では、アフガン・ハウンドは比較的静かで、無駄吠えも多くはありません。過去に猟犬として広大な土地で活躍していたため、エネルギッシュで俊敏に走る能力は備えていますが、家庭にいる時には意外なほど落ち着いて過ごすことが多いのです。日常生活ではソファの上で優雅にくつろぎ、家族の様子を観察しているような一面もあります。この穏やかさは、アフガン・ハウンドを都会の生活環境でも適応させやすい要素の一つといえます。

一方で、性格の中に「マイペースさ」が強く表れるのも特徴です。飼い主が遊びに誘っても、自分の気分が乗らなければ無関心を装うことがありますし、呼びかけに対してすぐ反応しないこともあります。これは頑固さというよりも「自己判断を重んじる気質」によるものです。そのため、従来の「飼い主の指示に忠実に従う犬」を求める人には扱いづらいと感じられることもあるでしょう。

また、アフガン・ハウンドは見知らぬ人に対してやや距離を置く傾向があります。積極的に愛想を振りまく犬ではなく、初対面の人に対しては警戒というより「無関心」に近い態度をとることが多いです。しかし、家族に対しては強い愛情を持ち、特に信頼する相手には非常に献身的になります。このギャップは、彼らの気品ある性格をより際立たせているといえるでしょう。

犬同士の関係においても、アフガン・ハウンドは比較的穏やかです。支配的に振る舞うタイプではなく、むしろ距離を保ちながら自分のペースを維持する傾向があります。ただし、猟犬としての本能から小動物に対しては強い追跡欲を示す場合があり、猫や小型動物との同居には注意が必要です。

感受性の豊かさもこの犬種の魅力の一つです。飼い主の感情を敏感に察し、声の調子や態度に影響を受けやすい側面があります。優しく穏やかに接することで安心感を覚え、信頼関係を築きやすくなりますが、逆に乱暴な扱いを受けると心を閉ざしてしまうことがあります。そのため、性格の穏やかさを引き出すには、飼い主側の接し方が大きく関わるといえるでしょう。

まとめると、アフガン・ハウンドは基本的に穏やかで優雅な性格を持ち、攻撃性は低い犬種です。ただし強い独立心やマイペースさを併せ持ち、初対面には冷淡に見える一方で、家族には深い愛情を注ぐ二面性を持っています。その気質を理解し、尊重したうえで接すれば、気高くも落ち着いた伴侶として、豊かな関係を築くことができるでしょう。

病気・けがへの強さ・寿命

アフガン・ハウンドは古代から人間と共に生きてきた歴史を持つ犬種で、その背景から健康面では比較的丈夫な部類に入るといわれています。ただし、他の大型犬と同様に注意すべき病気や体質的な弱点もいくつか存在します。寿命は一般的に12~14年とされ、サイズを考慮すれば比較的長寿な犬種といえるでしょう。ここでは、アフガン・ハウンドの健康上の特徴や注意点を詳しく見ていきます。

まず、アフガン・ハウンドの代表的なリスクとして挙げられるのが「胃拡張・胃捻転症候群」です。これは大型犬や胸の深い犬種に多い疾患で、食後に胃がガスで膨らみ、さらに回転してしまうことで血流が遮断され、命に関わる状態に陥るものです。発症すると数時間以内に処置をしなければ命を落とす危険があり、アフガンの体型はまさにこのリスクを高めやすい構造をしています。予防としては、一度に大量の食事を与えないこと、食後すぐの激しい運動を避けることが非常に重要です。また、食器を高めに設置するかどうかは個体差もあるため、獣医師と相談しながら生活習慣を整えていくと安心です。

次に注意すべきなのが「股関節形成不全」や「膝蓋骨脱臼」などの関節疾患です。アフガン・ハウンドは走ることを得意とする犬であり、瞬発力や跳躍力に優れていますが、その一方で関節にかかる負担も大きい犬種です。特に若齢期に無理な運動をさせすぎると、成長に悪影響を与える可能性があるため、適度な運動と休養のバランスが欠かせません。シニア期には関節の痛みから動きが鈍くなることもありますが、適切なサプリメントや体重管理によって負担を軽減することができます。

また、遺伝的に報告されている疾患として「甲状腺機能低下症」や「白内障」なども挙げられます。甲状腺機能低下症は代謝が落ち、被毛の艶がなくなる、体重が増える、元気がなくなるといった症状が見られる病気です。白内障は視力の低下につながりますが、早期発見と適切な治療によって進行を遅らせることが可能です。さらに、アフガン・ハウンドは視覚を頼りにする猟犬であるため、目の健康は生活の質に直結します。定期的な眼科検診を受けることは、他の犬種以上に大切といえるでしょう。

被毛が長く美しいこともアフガンの魅力ですが、その分皮膚トラブルには注意が必要です。被毛の手入れが行き届いていないと毛玉や皮膚炎の原因になりますし、換気の悪い環境では湿気がこもって皮膚病を引き起こす可能性があります。定期的なブラッシングとシャンプー、皮膚のチェックは欠かせません。

総合すると、アフガン・ハウンドは見た目の繊細さに反して比較的健康で丈夫な犬ですが、胃捻転や関節の病気など、大型犬特有のリスクには十分な配慮が必要です。寿命は平均して12年以上と比較的長く、適切なケアを行えば15歳近くまで元気に過ごす個体も少なくありません。大切なのは「見た目の美しさ」だけに目を奪われるのではなく、健康管理を日常的に怠らないことです。アフガン・ハウンドは気品ある姿で長年飼い主を魅了してくれますが、そのためには飼い主側が病気のリスクを正しく理解し、予防と早期発見に努めることが欠かせないのです。

他の犬や子どもとの同居しやすさ

アフガン・ハウンドはその優雅な見た目から「気難しい犬種」と思われがちですが、実際には攻撃性は低く、基本的に穏やかで落ち着いた性格を持っています。そのため、正しい育て方と環境さえ整えば、他の犬や子どもとの同居も十分に可能です。ただし、この犬種特有の気質や本能を理解したうえで接することが大切です。

まず、他の犬との関係についてですが、アフガン・ハウンドは社交的に群れを形成して行動するタイプではありません。むしろ一定の距離を保ちながら自分のペースを維持する傾向が強い犬種です。積極的にじゃれ合うよりも、静かに共存することを好むため、同居犬がいても干渉せず、それぞれが独立して過ごす形が多く見られます。相手の犬が過度に干渉してこないタイプであれば比較的うまく同居できるでしょう。

ただし注意点として、アフガン・ハウンドは猟犬としての強い視覚追跡本能を持っています。そのため、小型犬や動きの素早い犬に対しては「仲間」というより「追う対象」として認識してしまうことがあります。特に初対面の小型犬に対しては監督が必要で、同居を考える際には体格差や性格の相性を十分に見極めることが重要です。

次に子どもとの関係についてですが、アフガン・ハウンドは基本的に温厚で無闇に攻撃的になることはありません。ただし、非常に誇り高い性格を持ち、過度な干渉や乱暴な扱いを嫌う傾向があります。子どもがしつこく抱きついたり、被毛を引っ張ったりすると強いストレスを感じ、逃げたり場合によっては防御的な態度を示すことがあります。したがって、アフガン・ハウンドと子どもが同居する場合には、大人が常に目を配り、子どもに「犬を尊重する接し方」を教えることが欠かせません。特に落ち着きのある年齢の子どもであれば、互いに快適な距離感を保ちながら良好な関係を築くことができます。

家族に対して深い愛情を抱く一方で、初対面の人や慣れていない存在に対しては淡白で無関心な態度をとることが多いのもアフガン・ハウンドの特徴です。これは警戒心というよりも、自分から積極的に関わろうとしない性格によるもので、放っておけばトラブルには発展しにくいといえます。したがって、多頭飼いや子どもとの同居を考える場合には、まず「無理に関係を作らせないこと」が重要です。自然に慣れる時間を与えることで、アフガン・ハウンドは落ち着いて相手を受け入れるようになります。

まとめると、アフガン・ハウンドは他の犬や子どもとの同居に大きな問題を持つ犬種ではありませんが、その気質を理解して環境を整えることが不可欠です。強い追跡本能から小動物や小型犬には注意が必要であり、また子どもには犬への敬意を持った接し方を学ばせる必要があります。適切な距離感と配慮をもって接すれば、アフガン・ハウンドは気品と穏やかさをもって家庭内に溶け込み、良き伴侶となるでしょう。

運動量の多さ

アフガン・ハウンドは古代から狩猟犬として活躍してきた歴史を持ち、特に広大なアフガニスタンの山岳地帯や砂漠地帯で、視覚と俊足を駆使して獲物を追跡してきました。そのため、運動能力は非常に高く、走ることに特化した犬種といえます。見た目の優雅さから室内でのんびり過ごす犬のように思われがちですが、実際にはかなりの運動欲求を持っています。

まず特徴的なのは、爆発的なスピードと持久力です。アフガン・ハウンドはサイトハウンド(視覚型ハウンド)に属し、目で獲物を捉えると一気に追跡を開始します。この瞬発力は他犬種と比較しても圧倒的で、全力疾走する姿はまさに風を切るようです。日常生活ではそこまでの速度を必要としませんが、適度に走る機会を与えなければストレスが溜まり、問題行動につながることがあります。

一方で、家庭におけるアフガン・ハウンドは意外と落ち着いており、家の中では静かに過ごす傾向があります。つまり「エネルギッシュな犬」ではあるものの「四六時中動き回る犬」ではないのです。ただし、心身の健康を保つためには、毎日の十分な運動が欠かせません。目安としては、1日2回、各1時間程度の散歩に加え、自由に走れる時間を確保することが望ましいとされます。

特に重要なのが「自由運動」です。リードを付けた散歩だけでは、アフガン・ハウンドの持つ走行欲求を満たすことは難しいため、ドッグランや安全に囲われた広場などで、思い切り走らせてあげる機会が必要です。走ることで本来の能力を発揮できるだけでなく、心身のバランスが整い、家庭内での穏やかな生活にもつながります。

注意すべきは、強い猟欲によって小動物を見つけると本能的に追いかけてしまう点です。そのため、フリーで走らせる場所は必ず安全が確保された環境でなければなりません。開けた場所でリードを外すことは危険で、交通事故や迷子のリスクが伴います。

運動の内容は、単なる散歩や走行だけでなく、精神的な刺激を与える工夫も大切です。アフガン・ハウンドは独立心が強いため反応が鈍いように見えることもありますが、決して知性が低いわけではありません。むしろ知的好奇心を満たす遊びや、探索行動を取り入れることで心身の満足度が高まります。たとえば匂い探しのゲームや、俊敏性を活かしたアジリティ遊びは良い刺激になります。

まとめると、アフガン・ハウンドは運動量が多い犬種であり、毎日の長めの散歩に加えて、定期的に自由に走れる機会を与えることが不可欠です。家では落ち着いて過ごせるものの、運動不足が続けばストレスや問題行動につながるため、広いスペースや運動時間を確保できる家庭に適しています。この犬種の美しく力強い走りを存分に発揮させることが、健やかで穏やかな生活へと直結するのです。

体の特徴・被毛・毛色の特徴

アフガン・ハウンドは「犬の王侯」とも呼ばれるほど気品ある姿を持ち、他の犬種と一目で区別できる独特の体型と被毛を備えています。まず体の特徴として挙げられるのは、しなやかでバランスの取れた骨格と、走るために適した筋肉構造です。体高はおおよそオスで68~74cm、メスで63~69cm程度と大型犬に分類されますが、体重はおよそ23~30kg程度にとどまり、引き締まった体つきをしています。そのため、見た目は華奢に映る一方で、驚くほどの俊足と跳躍力を発揮します。

頭部は長く狭く、精悍な顔立ちを持ちますが、瞳はアーモンド形で表情に柔らかさを与えています。特に印象的なのは高い位置から垂れる耳で、耳全体が豊かな被毛で覆われ、優雅な雰囲気を際立たせています。尾は細く先端がわずかに巻き上がり、「リングテール」と呼ばれる特徴的な形をしています。これはアフガン・ハウンド独自の美的要素であり、シルエットに独特の流麗さを与えています。

被毛はアフガン・ハウンド最大の特徴といえるでしょう。全身を覆う長く絹糸のような毛は、歩くたびに流れるように揺れ、その姿は芸術品のようです。特に頭頂部には「トップノット」と呼ばれる柔らかく長い毛が生え、まるでベールをまとったように顔まわりを包みます。子犬の頃は短くふわふわした被毛ですが、成長とともに長く伸び、成犬になるとゴージャスなコートに変化します。この毛質は美しい一方で、日々の手入れが欠かせません。毛玉や絡まりを防ぐためには、最低でも数日に一度は徹底的なブラッシングが必要であり、さらに定期的なシャンプーも欠かせません。

毛色は非常に多彩で、これもまたアフガン・ハウンドの魅力のひとつです。スタンダードで認められる毛色はほぼすべてであり、ブラック、クリーム、ゴールド、シルバー、ブルー、ブリンドルなど、実に幅広いバリエーションを持ちます。単色だけでなく、顔に「マスク」と呼ばれる黒い毛が入るタイプも人気です。特に淡いクリーム色やゴールドの毛並みに黒いマスクが入ると、表情が引き締まり、気高い印象を強めます。どの毛色であっても、長く流れる被毛と調和して独特の美しさを生み出します。

被毛は視覚的な美しさだけでなく、歴史的には機能的な役割も担ってきました。アフガニスタンの寒冷な山岳地帯において、長い被毛は寒さから身を守る防寒具の役割を果たしていたのです。現代の家庭犬としては見た目の美しさが注目されますが、もともとは生存のために備わった特徴であることを忘れてはいけません。

まとめると、アフガン・ハウンドの体の特徴は、しなやかで俊敏な狩猟犬としての構造を保ちながら、長く絹のような被毛と多彩な毛色が組み合わさり、他犬種にはない圧倒的な存在感を放っています。外見は優雅で気高く、まるで芸術作品のようですが、その裏には機能的な歴史と厳しい自然環境を生き抜いてきた背景があるのです。

里親・ブリーダー・値段

アフガン・ハウンドはその優雅で独特な姿から「憧れの犬」として注目を集めることがありますが、日本国内においては決して数の多い犬種ではありません。そのため入手方法は限られており、ペットショップで見かける機会はほとんどありません。主な入手経路は信頼できるブリーダー、あるいは稀に里親募集を通じて迎えるケースです。

まずブリーダーからの入手についてですが、アフガン・ハウンドは特殊な被毛の手入れや広い運動スペースの確保など、飼育に高度な知識と環境が求められるため、繁殖を行うブリーダーの数は限られています。その分、専門性の高いブリーダーが多く、血統や健康状態に配慮した繁殖が行われている場合がほとんどです。ブリーダーを選ぶ際には、遺伝性疾患の有無、親犬の性格、飼育環境の清潔さなどを丁寧に確認することが重要です。見学を受け入れてくれるブリーダーを選び、犬たちが健全に育てられているかを自分の目で確かめることをおすすめします。

次に里親についてですが、アフガン・ハウンドは珍しい犬種であるため、里親募集に出されることは極めて稀です。ただし、飼育が難しいと感じた飼い主が手放すケースがないわけではなく、動物保護団体や里親募集サイトで見つかることもあります。里親として迎える場合には、年齢が成犬以上であることや、すでに独自の性格や習慣が形成されている可能性があることを理解し、柔軟に対応できる心構えが必要です。むしろ穏やかな性格を持つ成犬と出会える可能性もあり、初心者が子犬から育てるよりも扱いやすいケースもあります。

値段については、ブリーダー経由の場合、一般的に30万円から50万円程度が目安となります。毛色や血統、ショードッグとしての適性によってはさらに高額になる場合があり、80万円を超えることも珍しくありません。特にドッグショーで評価の高い血統を持つ子犬は需要が高いため、価格も跳ね上がります。一方でペットタイプとされる子犬であれば比較的手頃な価格で迎えることができます。

しかし、価格以上に重視すべきなのは「飼育後にかかる費用」です。アフガン・ハウンドは長い被毛の手入れに多大な労力とコストがかかります。定期的なシャンプーやグルーミングに加え、プロのトリマーに依頼する場合は月に1万円以上の出費となることもあります。さらに大型犬であるため、食費や医療費も小型犬に比べると高額になります。購入費用だけでなく、その後の維持費を長期的に見積もることが、責任ある飼育には不可欠です。

まとめると、アフガン・ハウンドを迎えるには、数少ない専門ブリーダーや、稀な里親募集が主な方法となります。値段は30~50万円が一般的ですが、血統や毛色によってはさらに高額になる場合があります。入手の難しさや費用以上に、この犬種が必要とする環境やケアを継続できるかどうかが最も重要なポイントです。優雅で気高いこの犬と共に暮らすには、長期的な責任と準備が欠かせないのです。

アフガン・ハウンドの動画集

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アフガン・ハウンドの動画 その1

アフガン・ハウンドの動画 その2

アフガン・ハウンドの動画 その3


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