【独特の上品な外見、性格は穏やかなアメコカ】

アメリカン・コッカー・スパニエル(アメコカ)の基本情報(性格・しつけ・病気など)

 
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アメリカン・コッカー・スパニエル(アメコカ)
[英記]:American Cocker Spaniel (Cocker Spaniel)

    ◇基本データ
  • ・サイズ: 中型犬
  • ・体高:34cm~40cm
  • ・体重:9kg~15kg

  • ◇起源・歴史・沿革・系統:
  • イギリスで鳥猟犬(獲物である鳥を見つけ出し、飛び立たせる役割)として活躍していた イングリッシュ・コッカースパニエルが、 17世紀に移民とともにアメリカに渡りました。
    その後、他のスパニエル系の血統が交配されたことで、 小型化・攻撃性の抑制に成功し、今のアメリカン・コッカー・スパニエルの形になりました。
    1945年には、アメリカン・ケネルクラブにより、イングリッシュ・コッカースパニエルと別の犬種であることが正式に認定されました。

    また、アメリカン・コッカー・スパニエルは、ディズニー映画「わんわん物語」で主役に登場する犬としても有名です。

    美しい毛並・柔らかな触り心地がたまらない犬種です。

    なお、北米では単にCocker(コッカー)とも呼ばれ、この呼び名は通常はアメリカン・コッカー・スパニエルを指すようです。


    ◇こんなスタイルで犬を飼いたい方・こんな状況の方との相性Good!!
    ・性格が飼いやすい犬がとにかく良い
    ・犬をいままで飼ったことがない、しつけに自信がない
    ・小さい子どもがいるので、犬との同居に不安がある
    ・普段のケアを小まめに続けられる
    ・毎日の散歩や、一緒になるべく過ごしてあげることができる
アメリカン・コッカー・スパニエル(アメコカ)のメイン写真 アメリカン・コッカー・スパニエル(アメコカ)の特徴評価グラフ

しつけのしやすさ

アメリカン・コッカー・スパニエルは、その豊かな表情と愛らしい容姿から家庭犬として長く愛されてきました。
もともとは鳥猟犬として活躍していた犬種であり、人と協力して作業を行うことを目的に改良されてきたため、人間への強い親和性と高い順応力を備えています。
この特徴はしつけの場面でも大いに発揮され、飼い主の意図を理解しようとする姿勢や学習意欲が高い点で、多くの家庭に適した犬種と言えるでしょう。

しつけのしやすさを考えるうえで重要なのは、犬の性格的な傾向です。アメリカン・コッカー・スパニエルは基本的に温和で人懐こく、攻撃性が低いとされています。また、飼い主から褒められることを強い喜びと感じやすいため、ポジティブな強化を中心としたトレーニング方法と非常に相性が良いです。特に「おやつ」「優しい声掛け」「撫でる」といった報酬を組み合わせることで、スムーズに指示を覚えていきます。

ただし、注意すべき点もあります。彼らは非常に感受性が強く、厳しい叱責や一貫性のない指導を受けると、不安や混乱を抱きやすい傾向があります。そのため「怒って従わせる」のではなく、「できたことを積極的に褒めて伸ばす」ことが不可欠です。繊細な性格を尊重し、信頼関係を重視することで、学習速度も安定し、家庭内で安心して過ごせるようになります。

また、アメリカン・コッカー・スパニエルは元来活発で運動欲求も強い犬種です。十分な散歩や遊びの時間が確保されないと、ストレスから吠えやすくなったり、いたずらをすることがあります。適度な運動を日常的に取り入れることは、心身の健康を保つだけでなく、しつけを効果的に進めるための前提条件とも言えます。疲れを適度に感じた状態の方が集中力が高まり、学習もスムーズに進むのです。

社会化の時期に関しても、この犬種は比較的受け入れが柔軟で、子犬期から他の犬や人、さまざまな環境に触れさせることで、成犬になっても落ち着いた行動をとりやすくなります。ただし、過度に刺激を与えると臆病さにつながる場合もあるため、段階を追って経験を積ませることが理想です。

総合的に見ると、アメリカン・コッカー・スパニエルは「しつけのしやすさ」という点で家庭犬向きの要素を多く持っています。しかしその成功の鍵は、飼い主の忍耐と優しさ、そして一貫した指導姿勢にかかっています。繊細さと協調性を併せ持つこの犬種は、強制ではなく信頼に基づく関係づくりを通じて、望ましい行動を自然に身につけていきます。結果として、愛情深く穏やかなパートナーとしての魅力を最大限に発揮してくれるでしょう。

気性の穏やかさ・性格

アメリカン・コッカー・スパニエルは、見た目の優雅さと同じくらい、その性格的な魅力が多くの愛犬家を惹きつけています。彼らの気質を一言で表すなら「柔らかさと社交性の融合」と言えるでしょう。長い年月を通じて家庭犬としての地位を確立してきた背景には、この性格的なバランスの良さが大きく関わっています。

まず、この犬種は非常に人懐こく、家族と一緒にいることを強く望む傾向があります。飼い主や家族の存在を中心に安心感を得るため、常にそばに寄り添いたがり、孤独を苦手とします。こうした性格は、家庭でのパートナーとしては大きな魅力ですが、長時間の留守番を繰り返すと不安を募らせ、分離不安に発展する可能性もあるため注意が必要です。

気性の面では、基本的に穏やかで温和な傾向が強く、他の犬種と比べても攻撃性は低い部類に入ります。特に子どもや高齢者との生活においても、適切に育てられたアメリカン・コッカー・スパニエルは優しく接することが多く、家庭犬としての適性が高いとされています。ただし、個体差として臆病さを持つ犬も存在し、突然の大きな音や見知らぬ人に対して警戒心を見せる場合があります。これは繊細な感受性の裏返しであり、早い時期から社会化を丁寧に行うことで、不安定な反応を軽減することが可能です。

また、アメリカン・コッカー・スパニエルは遊び好きで明るい一面も持っています。好奇心が旺盛で、新しい遊びやおもちゃに積極的に取り組むため、家族との遊びを通じてさらに絆を深めることができます。この遊び心は、子犬期だけでなく成犬になってからも持続することが多く、日々の生活に活気をもたらす存在となるでしょう。

もうひとつの特徴は、感情の表現が豊かであることです。喜びや不安、期待感などを表情や仕草に出しやすく、飼い主は犬の気持ちを比較的読み取りやすいと感じることが多いです。この「伝わりやすさ」が、飼い主との信頼関係をより強固にし、絆を深める助けとなっています。

ただし、性格的な柔らかさゆえに、厳しい態度で接すると萎縮してしまうこともあります。強引なしつけや粗雑な扱いは逆効果であり、不安や問題行動につながる場合があります。そのため、この犬種と接する際には「安心感を与えること」「信頼を積み重ねること」が何よりも重要です。

総じて、アメリカン・コッカー・スパニエルは温和で社交的、そして家庭内で調和を重んじる性格を持っています。適切な環境と愛情を注がれれば、その穏やかさと陽気さは長く続き、家族にとって心安らぐ存在となるでしょう。繊細さと明るさを併せ持つこの犬種は、単なるペットではなく、生活の中で感情を共有できるパートナーとしての魅力にあふれています。

病気・けがへの強さ・寿命

アメリカン・コッカー・スパニエルは、活発で遊び好きな性格から一見健康的で丈夫な犬種に思われがちですが、実際にはいくつかの遺伝的要因や体質的な特徴により、特定の病気にかかりやすい傾向を持っています。これは長年にわたる繁殖の過程で、美しい外見や家庭犬としての性格を重視してきたことと関係しており、健康面では注意深い管理が求められる犬種です。

まず、この犬種に特に多く見られるのが眼のトラブルです。大きく丸い瞳は魅力的な特徴ですが、その形状や構造的な要因から、白内障や緑内障、進行性網膜萎縮(PRA)といった疾患を発症するリスクが高いとされています。視覚に異常が出ると生活の質に直結するため、定期的な眼科検診が欠かせません。また、目やにや涙の量が増えた場合には早期に獣医師に相談することが望まれます。

次に、耳の病気も大きな懸念点です。アメリカン・コッカー・スパニエルの長く垂れ下がった耳は空気の通りが悪く、湿気や汚れがこもりやすいため、外耳炎をはじめとする耳の疾患が発症しやすい構造をしています。放置すると慢性化し、痛みやかゆみを伴うだけでなく、聴覚にも影響を及ぼすことがあります。耳掃除の習慣をつけ、清潔な環境を維持することが予防につながります。

皮膚疾患もこの犬種に多い問題のひとつです。被毛が豊かで皮膚が蒸れやすいため、マラセチア皮膚炎やアレルギー性皮膚炎といったトラブルが起こりやすい傾向があります。特にアレルギー体質を持つ個体は、食事や環境に敏感に反応することがあり、長期的なケアが必要になる場合があります。皮膚トラブルは痒みや脱毛といった症状を引き起こし、犬の生活の質を大きく下げるため、日常の被毛ケアと合わせて皮膚の状態をこまめに観察することが大切です。

加えて、関節や運動器の疾患にも注意が必要です。特に膝蓋骨脱臼や股関節形成不全といった病気は、中型犬であるアメリカン・コッカー・スパニエルにも見られることがあります。これらは遺伝的要素に加え、過度な肥満や運動不足によって悪化することがあるため、体重管理と適度な運動が予防の鍵となります。

病気への抵抗力という観点で見れば、アメリカン・コッカー・スパニエルは「とても丈夫」とは言えず、むしろ遺伝的な疾患リスクを多く抱える犬種です。しかし、適切な飼育環境と健康管理によって長寿を全うする個体も少なくありません。実際、定期的な健康診断や予防的なケアを心がければ、12〜15年ほどの寿命を十分に楽しむことができます。

けがに関しては、性格が活発で遊び好きなため、元気に走り回る中で小さな外傷を負うこともありますが、一般的に外傷からの回復力は特別弱いわけではありません。ただし皮膚疾患を持っている場合には、傷口が炎症を起こしやすいため、軽微なけがでも早めの処置が推奨されます。

寿命については、しっかりとケアをすれば15歳前後まで生きる個体も珍しくありません。ただし、上記のような耳・皮膚・眼・心臓・関節の疾患が放置されると生活の質が低下し、寿命にも影響を及ぼします。健康寿命を延ばすためには、毎日の食事管理、体重コントロール、定期的な動物病院での健康診断が欠かせません。

総合的に見ると、アメリカン・コッカー・スパニエルは繊細な健康面を持ち、定期的なケアと予防的な管理が欠かせない犬種です。しかし、その分、飼い主が日々の観察やケアを通じて愛情を注ぐ機会が増えるとも言えます。眼や耳、皮膚といった弱点に気を配りながら生活を共にすれば、健康上のリスクを最小限に抑え、家族の一員として長く健やかな時間を過ごすことができるでしょう。

他の犬や子どもとの同居しやすさ

アメリカン・コッカー・スパニエルは、愛嬌のある容姿や優しい性格だけでなく、他の犬や子どもとの共生においても適性が高い犬種として知られています。その背景には、狩猟犬として人と協力しながら活動してきた歴史があり、人間社会の中で共に過ごすことを自然に受け入れる資質が受け継がれている点が挙げられます。

まず、他の犬との関係性について考えると、この犬種は基本的に社交的で協調性が高い傾向にあります。無闇に優位性を誇示するよりも、遊びや交流を楽しもうとする姿勢が強く、同居犬や散歩中に出会う犬とも比較的穏やかに接することができます。ただし、個体によっては臆病さを見せることがあり、突然の接触や乱暴な態度をとる犬に対して不安を抱く場合もあります。こうした性格を踏まえ、子犬期からの社会化を丁寧に行い、さまざまな犬と適度に触れ合わせることが、成犬になってからの安定した対人・対犬関係につながります。

子どもとの同居についても、アメリカン・コッカー・スパニエルは非常に適している犬種です。温厚で遊び好きな性格は子どもとの生活に馴染みやすく、一緒に遊ぶことを楽しむ姿がよく見られます。特に、家族の一員として子どもに寄り添うような行動を見せることもあり、子育て世帯にとっては心強い存在となるでしょう。ただし、犬の繊細さを理解せずに強く抱きしめたり乱暴に扱ったりすると、犬が驚いて防御的な反応を示す可能性もあるため、子どもには「優しく接する」というルールを学ばせることが欠かせません。

また、この犬種は飼い主や家族の感情に敏感に反応するため、家庭内が穏やかであればその雰囲気を受け継いで落ち着いて過ごすことができます。逆に、緊張や不安が家庭内に多いと、犬自身の気質にも影響を与えることがあります。そのため、同居においては犬だけでなく人間側の関わり方も重要な要素になります。

同居犬との関係をより円滑にするためには、食事やおもちゃといった資源を巡る競争が起こらないよう配慮することも大切です。アメリカン・コッカー・スパニエルは基本的に寛容ですが、食べ物に対する関心が強いため、食事中に他の犬が近づくと緊張する個体もいます。個別に食事を与える、遊びを公平にするなどの工夫が、トラブルを避ける上で有効です。

総じて、アメリカン・コッカー・スパニエルは「共に暮らす」という点で高い適応力を持つ犬種です。他の犬や子どもと一緒に生活する場合でも、適切な社会化と家庭内でのルール作りを意識すれば、大きな問題を起こすことなく穏やかに共存できます。その柔らかい性格と協調性は、家族や仲間との関わりを通じてさらに磨かれ、愛情深い家庭犬としての魅力を一層引き出してくれるでしょう。

運動量の多さ

アメリカン・コッカー・スパニエルは、美しい被毛と優雅な姿から家庭犬として人気を集めていますが、その原点は鳥猟犬であることを忘れてはいけません。もともと野外で飼い主と共に行動し、鳥を見つけて回収する作業に従事してきた歴史を持つため、家庭犬として改良された現在でも、体内には高い運動欲求と作業意欲がしっかりと受け継がれています。

一般的にアメリカン・コッカー・スパニエルの運動量は「中程度からやや多め」とされます。小型犬のように短い散歩で満足するタイプではなく、1日に最低でも1時間程度の散歩や運動が必要です。特に、朝夕の2回に分けて適度な距離を歩かせることが理想的で、単なる排泄のための短時間の外出では不十分です。十分な運動を確保することで、筋肉や関節の健康を維持し、肥満の予防にもつながります。

加えて、この犬種は単なる体の運動だけでなく「頭を使う活動」を強く必要とします。知的好奇心が旺盛で、学習意欲も高いため、ボール遊びやフリスビー、探索遊びといった動きと頭脳を組み合わせた遊びが効果的です。特に匂いを頼りに物を探すゲームは、元来の猟犬としての資質を発揮できるため、大きな満足感を与えます。運動不足のまま過ごすと、退屈から吠えやすくなったり、いたずらをするなどの問題行動につながることがあるため、日常的に工夫を凝らした活動を取り入れることが求められます。

屋外での運動に加え、家庭内でも遊びやトレーニングを通じてエネルギーを発散させることが可能です。例えば「おもちゃを持ってくる」練習や簡単な服従訓練を遊びの延長として取り入れると、心身の満足感を同時に得られます。アメリカン・コッカー・スパニエルは飼い主との交流を何よりも喜ぶため、単独で走らせるよりも「一緒に遊ぶ」ことを重視した方が効果的です。

ただし、注意すべきは無理な運動の強要です。成長期の子犬に過度なジャンプや長距離走をさせると、関節に負担をかけてしまう可能性があります。また、成犬になってからも暑さに弱い傾向があり、特に夏場の散歩では熱中症のリスクを考慮して時間帯や場所を選ぶことが大切です。豊かな被毛は体温をこもらせやすいため、涼しい時間帯の散歩や水遊びなどを取り入れると、安全に運動欲求を満たすことができます。

総じて、アメリカン・コッカー・スパニエルは「運動好きだが過剰な体力派ではない」という位置づけにあります。毎日の散歩や遊びを通じて十分な活動を確保すれば、家庭内で落ち着いて過ごすことができる犬種です。つまり、運動量の多さは飼い主にとって決して負担となるものではなく、むしろ犬と人との交流を深めるための絶好の機会となるでしょう。日々の適度な運動を大切にすることで、この犬種本来の明るさと健康を長く保つことが可能です。

体の特徴・被毛・毛色の特徴

アメリカン・コッカー・スパニエルは、愛らしい表情と華やかな被毛を兼ね備えた犬種として知られています。その姿は、ただの家庭犬の域を超え「優美さと機能性の融合」といえる特徴を持っています。外見の美しさに惹かれる愛犬家は多いですが、被毛や毛色の特性を正しく理解することは、日々のケアや健康管理を考える上で欠かせません。

まず体の特徴について、この犬種は中型犬に分類されますが、実際にはやや小柄で、成犬の体高は雄で約37〜39cm、雌で約34〜36cm程度に収まります。体重はおよそ10〜13kg前後で、がっしりとした骨格と適度な筋肉を持ちつつも、全体として丸みを帯びたバランスの良い体型が特徴です。頭部は丸みがあり、マズルは比較的短く、優しい表情を作り出す大きな瞳が印象的です。この外見は「陽気で柔らかい性格」を象徴するような雰囲気を与えます。

次に被毛の特徴ですが、アメリカン・コッカー・スパニエルの魅力を語る上で最も重要な要素といってよいでしょう。被毛は二重構造で、アンダーコートは柔らかく保温性が高く、オーバーコートは絹のように滑らかで豊かな毛並みを持ちます。特に耳、胸、腹部、四肢には長く流れるような飾り毛が生え、歩く姿は非常に優雅で「動く絵画」と形容されるほどです。一方で、この豪華な被毛は美しさと引き換えに手入れが欠かせません。毛が絡まりやすく、放置すると毛玉ができやすいため、日常的なブラッシングと定期的なトリミングが必須となります。

毛色に関しては非常にバリエーションが豊富で、犬種の大きな魅力のひとつです。大きく分けると「単色」「パーティカラー(二色以上の斑模様)」「トライカラー」「ローン(細かい斑が混じる毛色)」などが存在します。単色ではブラックやチョコレート、バフ(淡いクリーム色)などが代表的で、光沢のある毛並みが美しさを際立たせます。パーティカラーは白地に黒、茶、赤などが入ったものが多く、明るく華やかな印象を与えます。さらに、ブラック&タンやチョコレート&タンといった二色の組み合わせも人気があります。こうした多様な毛色は、同じ犬種であっても個体ごとに大きな個性を演出し、飼い主にとっては選ぶ楽しみのひとつとなっています。

ただし、美しい被毛は健康と直結している点も見逃せません。艶やかな毛並みを保つためには栄養バランスの取れた食事や適度な運動が必要であり、皮膚の健康状態を反映するバロメーターにもなります。また、耳の長い被毛は可憐な印象を与える一方で、通気性が悪くなりやすく、外耳炎のリスクを高める要因にもなっています。そのため、見た目の美しさを維持することは単なる審美性の問題ではなく、犬の健康そのものを支える重要なケアでもあるのです。

総じて、アメリカン・コッカー・スパニエルは「優美な外見と豊富な毛色の多様性」という特徴を持ち、その存在感は他犬種と一線を画しています。その体は丈夫さと愛らしさを兼ね備え、被毛は華やかさとケアの重要性を教えてくれるものです。毛色の多様さは個性の幅広さを象徴し、どの個体も世界にひとつだけの魅力を持っています。飼い主にとっては手間のかかる犬種でもありますが、その手間をかけた分だけ、輝きを増す存在であることは間違いありません。

里親・ブリーダー・値段

アメリカン・コッカー・スパニエルは、日本でも長年人気のある犬種で、その可憐な外見と温和な性格から多くの家庭で飼育されています。しかし、迎え入れる際には「どこから」「どのように」入手するのか、そして「費用はどの程度かかるのか」という点が重要になります。ここでは、里親制度・ブリーダー経由・購入価格について詳しく解説します。

まず、里親制度についてです。アメリカン・コッカー・スパニエルは人気犬種であるがゆえに、ペットショップや繁殖業者で安易に流通しやすい傾向があり、その結果として飼育放棄される個体も少なくありません。動物保護団体や愛護センターには、時折コッカー・スパニエルが保護犬として収容されていることがあります。里親として迎える場合は譲渡費用として数万円程度(医療費やワクチン接種、避妊去勢費用の一部)が必要となることが多いですが、純粋に命を救う形で犬を迎えることができるという大きな意義があります。ただし、保護犬の中には成犬や高齢犬も多く、健康上のケアが必要な場合もあるため、迎える家庭のライフスタイルや飼育経験が重要な判断材料となります。

一方、ブリーダーから迎える方法は、子犬を希望する人にとって一般的な選択肢です。優良なブリーダーは、遺伝性疾患のリスクを避けるために計画的な繁殖を行い、健康診断やワクチン接種を済ませた上で子犬を譲渡します。アメリカン・コッカー・スパニエルは眼疾患や耳のトラブルにかかりやすいため、信頼できるブリーダーを選ぶことが特に重要です。価格は毛色や血統によって大きく変動しますが、一般的に20万〜40万円程度が相場とされています。ショードッグとしての血統を持つ個体や希少な毛色の子犬は、50万円以上になる場合もあります。

また、ペットショップでの販売も少なくありませんが、犬舎環境や繁殖背景が不透明な場合があるため、健康リスクを避けるためには十分な確認が必要です。ペットショップではブリーダー経由よりも安価に販売されることもありますが、成長後に遺伝性疾患が発覚するリスクを抱えることもあり、慎重な判断が求められます。

コスト面で忘れてはならないのが「購入後の費用」です。アメリカン・コッカー・スパニエルは被毛の手入れに手間がかかる犬種であり、定期的なトリミング代がかかります。月に1回程度のトリミングをサロンに依頼すると、1回あたり5,000円〜1万円ほどが必要です。また、耳や目の定期的なケアも欠かせず、医療費もある程度見込む必要があります。初期費用だけでなく、生涯を通じてかかるコストを考慮して迎えることが重要です。

まとめると、アメリカン・コッカー・スパニエルを迎える方法は「里親制度」「ブリーダーからの購入」「ペットショップ経由」といった選択肢があります。里親は命を救う意義が大きく、費用も比較的抑えられますが、健康や性格に個性がある犬が多いため準備が必要です。ブリーダーからは健康面で安心感があり、子犬を希望する人に適していますが、価格は高めになります。いずれの方法でも共通して大切なのは、迎えた犬と最後まで責任を持って暮らす覚悟と、経済的・時間的な余裕です。アメリカン・コッカー・スパニエルは愛情深く家庭に寄り添う犬種であるため、その価値は購入価格以上に大きなものとなるでしょう。

アメリカン・コッカー・スパニエル(アメコカ)の動画集

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アメリカン・コッカー・スパニエル(アメコカ)の動画 その1

アメリカン・コッカー・スパニエル(アメコカ)の動画 その2

アメリカン・コッカー・スパニエル(アメコカ)の動画 その3


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