【マイナーながらもペンブロークに負けない優秀なコーギー、ウェルシュ・コーギー・カーディガン】

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの基本情報(性格・しつけ・病気など)

 
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ウェルシュ・コーギー・カーディガン
[英記]:Welsh Corgi Cardigan

    ◇基本データ
  • ・サイズ: 中型犬
  • ・体高:25cm~35cm
  • ・体重:11kg~18kg

  • ◇起源・歴史・沿革・系統:
  • コーギーは二種類存在します。一つはメジャーなウェルシュ・コーギー・ペンブロークで、 もう一種類がこのウェルシュ・コーギー・カーディガンになります。
    ペンブロークに比べ、カーディガンは数が圧倒的に少ないのが現状です。

    ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、イギリスのウェールズ地方を原産とする犬種で、 家畜を誘導する役目の牧畜犬として活躍していました。
    紀元前1200年頃から存在していたとも言われていますが、起源も含めて、現在でもはっきりとはわかっていません。
    一説では、中央アジアのケルト人によりイギリスに持ち込まれたという説や、 祖先としてダックスフンド系の系統から派生したという説やイングリッシュ・ターン・スピッツ・ドッグという犬が 祖先犬として関係しているのではないかとも言われています。

    昔のコーギーは、今よりも体長が長く、ちょうど1ウェルシュ・ヤード(イギリスのヤードよりも若干長い)ぐらいあったことから、 『ヤード・ロング・ドッグ』とも呼ばれていました。

    そして、近代になり、牧場がきちんと柵で区切られることになっていったことで、牧畜犬としての役目を終え、数も減りました。
    その後、ブリンドル・ハーダーという犬種と交配され、現在のような形になりました。

    1930年代にはイギリス王室のジョージ6世に飼われていたことで有名になり、1931年にはアメリカに渡っています。
    1943年には初めてイギリスのケンネルクラブにより、 ペンブロークと別の犬種とされました。
    ペンブロークに比べて、カーディガンは長い尻尾を持っています。
    ※ただし、ペンブロークは断尾されている。

    また、犬種名の由来については、『ウェルシュ』は『ウェールズ(地方)の』という意味で、 『コーギー』という部分は、ウェールズ語の『小人・小さい人』に由来するという説と、 牧畜犬として家畜を“集める”役割であったことから、ウェールズ語で『コー(COR ・集める)+ギー(GI ・犬)』 という言葉が組み合わせられている説が存在し、『カーディガン』は、カーディガン地方で活躍していたことにそれぞれ由来しています。


    ◇こんなスタイルで犬を飼いたい方・こんな状況の方との相性Good!!
    ・しつけは最初のうちにきちんとできる
    ・初対面の人に多く会うような飼育環境ではない
    ・性格的にあくまで飼いやすいことは重要
    ・子供の遊び相手にもなって欲しい
    ・運動量が多いがきちんと満足させてあげられる
ウェルシュ・コーギー・カーディガンのメイン写真 ウェルシュ・コーギー・カーディガンの特徴評価グラフ

しつけのしやすさ

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、もともと牧畜犬として羊や牛を追うために活躍してきた歴史を持っています。そのため、飼い主の指示をよく聞き取り、的確に行動できる能力を備えています。
こうした背景から、一般的には学習意欲が高く、訓練によく反応する犬種であるといえるでしょう。しかし、同じ「コーギー」と呼ばれるペンブローク種と比較すると、やや慎重で独立心が強く、頑固な一面も持ち合わせているため、しつけの難易度は少し高めと感じる飼い主も少なくありません。

しつけを行う際に重要なのは、彼らの持つ高い知能と自尊心をうまく引き出し、楽しみながら学習させる工夫です。褒められることで自信を持ち、次の行動につなげていくタイプの犬なので、叱責よりもポジティブな強化を中心に据えることが望ましいです。具体的には、正しい行動をしたときにおやつや声掛けで褒める、遊びの中で自然にルールを覚えさせる、といった方法が効果的です。

また、カーディガンは独立心が強いため、「なぜその指示に従う必要があるのか」を自分なりに納得できないと、行動を拒むこともあります。ここが単純に人の指示に従いやすい犬種との違いです。そのため、命令を短く明確に伝えること、そして一貫性を持ったルールを家庭内で共有することが不可欠です。家族の中でルールがバラバラになってしまうと、カーディガンはすぐにそれを見抜き、自分に都合の良い行動を選ぶようになります。

さらに注意すべきは、カーディガンが本来持つ牧畜犬としての性質です。牛や羊をまとめる際に後ろから軽く噛みついて追導する「ヒーリング」と呼ばれる行動が遺伝的に残っており、人間のかかとや他の犬の足を軽く噛もうとすることがあります。これを放置すると問題行動につながるため、幼少期から「噛んではいけない対象」を明確に教えることが必要です。代わりにボール遊びやフリスビーといった仕事に似た役割を与えることで、本能を満たしながら正しい方向に導けます。

トイレトレーニングについても、カーディガンは比較的覚えが早い犬種ですが、頑固さが出ると失敗を繰り返すことがあります。失敗したときに強く叱るのではなく、成功したタイミングで大げさに褒めることを重視すると、習得が早まります。また、賢いがゆえに「この場面ではルールが適用されない」と勝手に判断することもあるので、トイレの場所や時間を常に一定に保つことが成功の鍵です。

社会化トレーニングも非常に重要です。カーディガンは見知らぬ人や犬に対して警戒心を示すことがあるため、幼い頃からさまざまな環境や刺激に慣れさせておくことが推奨されます。散歩の際に人通りの多い場所に出かける、他の犬と交流する機会を持つ、といった経験を積むことで、成犬になってからの余計な吠え癖や攻撃的な行動を防ぐことができます。

吠えやすさについても触れておく必要があります。牧畜犬として「知らせる」ことに優れていたため、異変を感じるとよく吠える傾向があります。これも一種のしつけの課題となりますが、完全に吠えをやめさせるのは現実的ではありません。代わりに「吠えるきっかけを減らす」「吠えても短時間でやめさせる」ことを目標とすべきです。コマンドで吠えることを制御する練習を行えば、無駄吠えを最小限に抑えることができます。

総合的に言えば、ウェルシュ・コーギー・カーディガンは賢く理解力が高いため、正しい方法で接すれば非常にしつけやすい犬です。ただし、頑固さや独立心を尊重しつつ、一貫性とポジティブな強化を組み合わせたアプローチを心がけることが成功の秘訣です。初心者でもしっかり準備して取り組めば、従順で頼りがいのあるパートナーに育てることができるでしょう。

気性の穏やかさ・性格

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、古くからウェールズ地方で牧畜犬として牛や羊の群れをまとめる役割を担ってきました。この背景から、勇敢さと冷静な判断力を兼ね備えた性格を持っています。カーディガンは同じコーギーのペンブロークに比べるとより落ち着いており、やや慎重で思慮深い傾向があるといわれます。飼い主に対しては忠実で愛情深い一方で、見知らぬ相手や環境に対しては警戒心を見せることがあり、家庭犬として迎える際にはその二面性を理解することが大切です。

まず、家庭内における性格の特徴について触れてみましょう。カーディガンは非常に家族志向が強い犬種で、一度信頼関係を築いた相手には深い愛着を示します。飼い主の動きや感情に敏感で、落ち込んでいるときには寄り添い、楽しそうな雰囲気であれば一緒に喜ぶといったように、人の気持ちをよく汲み取る力を持っています。このため、家庭での良きパートナーとなることが多いのです。

しかし、外向的な社交性においては、やや控えめな側面があります。ペンブロークが初対面の人にもフレンドリーに接することが多いのに対し、カーディガンは初めて会う相手を時間をかけて観察し、安心できると判断してから距離を縮める傾向があります。こうした慎重さは番犬としては有利に働きますが、来客や他の犬との交流の場面では、過度な警戒心や吠えに発展する場合があります。したがって、幼少期からの社会化トレーニングは欠かせません。

カーディガンの性格で特に印象的なのは、その「落ち着き」と「安定感」です。感情の起伏が激しくなく、ある程度の刺激にも動じにくいため、小さな子どもがいる家庭や多頭飼育の環境でも適応しやすい面があります。ただし、牧畜犬として培われた判断力と独立心から、自分の考えを強く持つ場合もあり、頑固さが表に出ると「なぜそれをしなければならないのか」と飼い主の指示を受け入れにくいことがあります。これはしつけの難しさとも関連しますが、逆に言えば「納得できる状況」を与えてやれば非常に協力的になります。

また、カーディガンは活動的で好奇心旺盛な性格も持っています。散歩や遊びの時間を心から楽しみ、特に知的刺激のある遊びを好みます。パズル型のおもちゃや、ボールを追いかけるゲームなど、頭と体を両方使う活動が向いています。このような遊びを通して飼い主と関わることで、信頼関係がより深まります。逆に、十分な運動や遊びが与えられないと退屈からストレスを溜め、吠え癖や家具をかじるなどの問題行動につながることがあります。

もう一つの大きな特徴として、番犬気質が挙げられます。カーディガンは見知らぬ物音や動きに対して敏感に反応し、家族に危険を知らせるためによく吠えることがあります。これは本来の役割に由来するものですが、都会の住宅環境では近隣トラブルにつながりやすいため、吠えをコントロールする訓練が求められます。ただし、根本的に攻撃性が高いわけではなく、むしろ「用心深さ」や「慎重さ」が強調される性格であると理解すべきでしょう。

総じて言えば、ウェルシュ・コーギー・カーディガンの性格は「家族には深い愛情を注ぎ、見知らぬ存在には慎重に対応するバランス型」と表現できます。穏やかで落ち着いているため、日常生活では安心感を与えてくれる存在となりますが、その一方で牧畜犬としての独立心や警戒心があるため、飼い主には理解と適切な社会化の努力が求められます。この性格をきちんと理解し、環境に合った育て方をすれば、カーディガンは長く信頼できる伴侶犬として、安定した関係を築いてくれるでしょう。

病気・けがへの強さ・寿命

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、古くから牧畜犬として活躍してきた犬種であり、その歴史の中で丈夫さを兼ね備えてきました。一般的に健康で体力のある犬種といえますが、体の構造や遺伝的な要因から注意すべき病気やけががいくつか存在します。平均寿命は12〜15年程度とされ、中型犬としては比較的長寿な部類に入ります。飼い主が健康管理を意識することで、より快適で長い生涯を過ごすことができるでしょう。

まず、カーディガンの体型に由来する健康上のリスクについて触れます。コーギーは「胴長短足」の体型を持ち、この特徴が可愛らしさの一因でもありますが、同時に椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患を引き起こしやすい要因ともなります。特に腰への負担が大きく、ソファや階段の昇り降り、過度なジャンプはリスクを高めます。日常生活では段差を避ける工夫や、滑りにくい床材を用意することが大切です。また、体重が増えすぎると脊椎や関節への負担が増大するため、肥満防止も重要な課題となります。

次に、遺伝的に発症しやすい疾患について見ていきます。カーディガンは遺伝性の眼疾患に注意が必要です。代表的なものに進行性網膜萎縮(PRA)があり、これは網膜が徐々に萎縮して視力が低下し、最終的に失明に至る病気です。若いうちから遺伝子検査を受けてリスクを把握しておくことが推奨されます。また、白内障も比較的多く見られる疾患で、中高齢期に発症するケースが目立ちます。定期的な眼科検診により早期発見を心がけることが大切です。

さらに、股関節形成不全や肘関節形成不全といった整形外科的疾患も発生することがあります。これらは遺伝的要因に加え、子犬期の過度な運動や栄養バランスの崩れによって悪化する可能性があります。発症すると歩行に異常が出たり、痛みを伴って活動性が低下するため、予防として適切な運動管理と体重管理が欠かせません。ブリーダーから迎える場合には、親犬にこうした疾患の有無を確認することが望ましいです。

免疫系や皮膚に関連するトラブルも見られることがあります。カーディガンは被毛が二重構造で密度が高いため、通気性が悪く、湿気の多い環境では皮膚炎を起こしやすい傾向にあります。特に梅雨や夏場は皮膚が蒸れやすいため、定期的なブラッシングで通気性を確保し、皮膚の状態を観察することが必要です。アレルギー性皮膚炎や食物アレルギーを抱える個体もいるため、かゆみや赤みが見られた場合は早めに獣医師の診察を受けると安心です。

心臓病にも注意が必要です。特に僧帽弁閉鎖不全症(MVD)は中高齢期の小型〜中型犬で多く見られる心疾患で、コーギーにも一定の発症リスクがあります。初期症状は咳や軽い運動不耐性で見逃されやすいため、シニア期に入ったら定期的な心臓検査を行うことが推奨されます。

寿命に関しては、12〜15年と安定しており、健康管理を徹底すればそれ以上生きる個体も珍しくありません。長寿の秘訣は、日常的な適度な運動とバランスの取れた食事、そして定期的な健康診断です。特に運動は「走る」「遊ぶ」といった要素に加え、頭を使う活動を取り入れることで心身の健康を保ちやすくなります。また、肥満防止のために高カロリーのおやつを控え、適正体重を維持することが最も効果的な健康管理の一つです。

まとめると、ウェルシュ・コーギー・カーディガンは丈夫で長寿な犬種である一方、その体型や遺伝的背景から椎間板ヘルニアや眼疾患、関節疾患、心臓病などに注意が必要です。これらは早期発見と予防的な生活管理によって大きくリスクを減らすことが可能です。飼い主が日々の観察を怠らず、適度な運動と健康的な食生活を維持することで、カーディガンはその持ち前の明るさと落ち着きを長く保ちながら、充実した生涯を送ることができるでしょう。

他の犬や子どもとの同居しやすさ

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、牧畜犬としての起源から「集団をまとめる」「仲間を守る」といった役割を担ってきたため、基本的には協調性を持ち合わせています。そのため、他の犬や子どもとの同居も比較的可能な犬種といえますが、その性格や本能的な行動特性を十分に理解した上で環境を整えることが欠かせません。

まず、他の犬との相性についてです。カーディガンは慎重で落ち着いた性格を持ちますが、知らない犬に対してはやや警戒心を示すことがあります。初対面では距離をとり、相手を観察してから行動する傾向が強いため、最初の出会い方には配慮が必要です。無理に近づけるのではなく、互いに安心できる距離を保ちながら時間をかけて慣らしていくことで、スムーズな関係を築きやすくなります。

一方で、信頼関係を築いた犬に対しては友好的で、一緒に遊んだり協力したりすることも得意です。ただし牧畜犬としての本能から、他の犬の動きを制御しようとして吠えたり、後ろ足を軽く噛もうとする「ヒーリング」行動が出ることがあります。これが遊びの延長であれば大きな問題になりにくいですが、繊細な性格の犬や小型犬には負担となる場合があります。そのため、多頭飼育を検討する際には犬種や性格の相性を考慮することが重要です。特に、エネルギー水準が近く、遊び好きでタフな犬種と組み合わせると良い関係を築きやすいでしょう。

次に、子どもとの関係についてです。カーディガンは家族への愛情が非常に深く、特に自分の群れ(家族)と認識した相手には優しく接します。子どもに対しても基本的には寛容で、一緒に遊ぶことを楽しみます。落ち着きのある性格が多いため、多少のちょっかいにも冷静に対応できることが多いのです。

ただし、注意すべき点もあります。まず、牧畜犬としての「まとめる本能」が子どもに向かってしまうケースです。走り回る子どもを見て「群れから逸れている」と判断し、追いかけて吠えたり足を軽く噛もうとすることがあります。これは攻撃性ではなく本能的な行動ですが、子どもにとっては怖い体験になる可能性があります。そのため、子どもと犬が一緒に遊ぶときは必ず大人が見守り、犬が本能的な行動をとったときには適切に制止することが必要です。

さらに、カーディガンは自尊心が強く、無理に扱われることを嫌います。子どもが耳や尻尾を引っ張ったり、しつこく抱きついたりすると、我慢の限界を超えてしまう場合があります。大きなトラブルに発展させないためには、子どもにも「犬との正しい接し方」を教えることが欠かせません。犬を乱暴に扱わない、休んでいるときに無理に触らない、といった基本的なルールを守ることで、互いに安心して生活できる環境が整います。

また、カーディガンは番犬気質が強いため、家族を守ろうとする意識が働きます。これはプラスの面もありますが、友達の子どもが遊びに来たときなど、家族以外の存在に対して過度に警戒することがある点には注意が必要です。こうした場合も幼少期からの社会化が大きな助けとなり、「危険ではない人」と認識させることで過剰な吠えや警戒心を抑えられます。

総じて言えば、ウェルシュ・コーギー・カーディガンは他の犬や子どもとの同居に適した犬種ですが、その本能や警戒心を理解し、適切な配慮をすることが不可欠です。十分な社会化と一貫したルール作り、そして人間側が犬の特性を尊重する姿勢があれば、多頭飼育や子どもとの生活も非常に円滑に進みます。正しく導けば、カーディガンは家庭の中心で頼もしく、そして優しい存在として活躍してくれるでしょう。

運動量の多さ

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、牧畜犬としての長い歴史を持つ犬種であり、日々の仕事をこなすための持久力と機敏さを備えています。
そのため、見た目の胴長短足というユーモラスな体型からは想像しにくいほど、実際には運動能力が高く、運動欲求も強い犬です。飼育する上で運動不足にならないよう配慮することが、健康維持と精神的な安定の両面で非常に重要となります。

まず、必要な運動量の目安について触れてみましょう。カーディガンは中型犬に分類されますが、その運動量は同サイズの家庭犬よりも多めです。一般的には、1日に最低でも1時間から1時間半程度のしっかりとした散歩や遊びが求められます。散歩はただ歩くだけではなく、早足や坂道、広場での自由運動を取り入れることで、より効果的にエネルギーを発散させられます。可能であれば朝夕2回に分けて散歩を行うのが理想です。

牧畜犬としての特性から、単調な運動だけでは満足しにくい傾向があります。ボール遊びやフリスビー、アジリティといった動きのある遊びを取り入れると、カーディガンは持ち前の俊敏さと集中力を発揮します。特にフリスビーは短い足で一生懸命ジャンプする姿が印象的ですが、過度なジャンプは腰や関節に負担をかけるため、成長期やシニア期には注意が必要です。負担を減らすためには、低めのキャッチ練習や平地でのボール遊びを取り入れると良いでしょう。

運動の必要性は体力面だけでなく、精神面の安定にも直結しています。カーディガンは賢く好奇心旺盛なため、十分な運動が与えられないと退屈からストレスを感じやすくなります。その結果、無駄吠えや破壊行動といった問題行動が出やすくなるのです。運動を通じて頭と体の両方を刺激することが、最も効果的な予防策となります。例えば、散歩中に「待て」「座れ」といったコマンドを取り入れる、道をジグザグに歩かせて工夫するなど、日常の運動を頭脳トレーニングと組み合わせる方法も有効です。

さらに、室内での活動も工夫できます。雨の日や外出が難しいときには、知育玩具やトリーツを使ったパズルで頭を使わせることが有効です。カーディガンは集中力が高いため、こうした遊びに熱中しやすく、適度な疲労感を得ることができます。また、短時間のトレーニングを繰り返すことでもエネルギーを発散できます。5分程度の簡単なコマンド練習を数回行うだけでも、カーディガンにとっては良い刺激となります。

ただし、注意しなければならないのは、カーディガンの体型上の弱点である腰や関節への負担です。過剰な運動や激しいジャンプを続けると、椎間板ヘルニアや関節疾患のリスクを高めてしまいます。そのため、運動は「質」と「バランス」を意識することが大切です。持久力を伸ばすために長めの散歩を行いつつ、無理のない範囲で遊びを取り入れるのが理想的です。また、肥満も腰に負担をかける大きな要因となるため、運動と食事管理を両立させる必要があります。

シニア期に入ると、若い頃のような激しい運動は難しくなりますが、軽い散歩や知育遊びを続けることが健康寿命の延長につながります。年齢に応じて運動の内容を調整し、無理をさせない範囲で体を動かすことが重要です。

総合的に言えば、ウェルシュ・コーギー・カーディガンは「見た目以上に運動量を必要とする犬種」であり、毎日の運動と精神的刺激が生活の質を大きく左右します。十分な運動を与えれば、穏やかで落ち着いた家庭犬としての一面が引き出されますが、不足するとストレスによる問題行動が目立ちやすくなります。飼い主が意識的に運動環境を整えることが、カーディガンとの生活を充実させる最大のポイントと言えるでしょう。

体の特徴・被毛・毛色の特徴

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、その独特な体型と豊かな被毛で知られる犬種です。同じコーギーとして有名なペンブローク種と比較されることが多いですが、両者には明確な違いが存在します。ここでは、体の構造、被毛の性質、毛色のバリエーションなどを詳しく解説していきましょう。

まず、体型の特徴についてです。カーディガンは典型的な「胴長短足」の犬種で、体高よりも体長が明らかに長く、低重心でどっしりとした印象を与えます。成犬の体高はおよそ27〜32センチ、体重はオスで14〜17キロ、メスで12〜15キロ程度が標準とされています。ペンブロークに比べると全体的に骨太で筋肉質であり、より頑丈な体格をしています。この力強い体は、牛や羊を追う牧畜犬として過酷な労働をこなすために適応したものです。

カーディガンとペンブロークを見分ける大きなポイントの一つが尾の存在です。ペンブロークは多くが断尾されていた歴史を持ち、現在でも短い尾の個体が多いのに対し、カーディガンはふさふさとした長い尾を持っています。この尾は低く垂れ下がり、キツネのように豊かで、バランスをとる役割を果たしています。また、耳の形にも違いがあり、カーディガンは大きくて丸みを帯びた耳を持ち、顔全体に優しい印象を与えます。

次に被毛についてです。カーディガンの被毛は「ダブルコート」と呼ばれる二重構造になっており、外側の上毛はやや硬めで防水性に優れ、内側の下毛は密集して柔らかく、保温性を高めています。このため、寒冷地でも快適に過ごすことができ、牧畜犬として屋外で活動するのに適していました。換毛期には大量の毛が抜けるため、定期的なブラッシングが欠かせません。特に春と秋の換毛期には毎日のケアが推奨され、抜け毛を放置すると皮膚トラブルや通気性の低下につながることがあります。

毛色のバリエーションもカーディガンの大きな特徴です。認められているカラーは非常に幅広く、代表的なものにブリンドル、ブルーマール、ブラック&ホワイト、レッド&ホワイト、セーブルなどがあります。特にブルーマールはカーディガン特有の毛色で、青灰色に黒の斑が入り、時には明るい水色の瞳を持つ個体も見られます。これは非常に印象的で人気の高い毛色ですが、マール同士の交配は遺伝的な健康リスクを伴うため、健全な繁殖管理が重要です。

また、どの毛色の個体でも多くの場合、胸や顔、足先に白いマーキングが見られます。これは牧畜犬としての役割にも一理あり、群れの中で犬を視認しやすくするためだったと考えられています。白いブレーズ(顔に入る筋状の模様)や足先の白は特に多く見られる特徴です。

体の特徴として忘れてはならないのが、胴長短足ゆえの体の使い方です。足が短いことで地面に近い視点を持ち、家畜の足元に素早く入り込んで動きをコントロールすることが可能でした。その俊敏さと低い重心は、牧畜作業における大きな強みでしたが、現代の家庭犬としては腰や関節への負担の原因ともなります。そのため、体型の愛らしさを楽しむ一方で、段差や過度なジャンプを避ける生活環境を整えることが求められます。

カーディガンの顔立ちも特徴的です。大きな耳とアーモンド形の目がバランスよく配置され、どこか穏やかで知的な印象を与えます。表情は豊かで、飼い主の感情を映し出すように変化するため、家庭においても愛されやすい存在です。

総合的に見て、ウェルシュ・コーギー・カーディガンは「がっしりとした体格」「豊かな毛色のバリエーション」「ダブルコートの被毛」「長くふさふさした尾」といった特徴を持ちます。その外見的な魅力に加え、体の構造が本来の役割に直結していることを理解すると、この犬種の持つ個性がより一層際立ちます。外見の美しさと機能性を兼ね備えた犬種として、多くの愛犬家に親しまれている理由もここにあるのです。

里親・ブリーダー・値段

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは、日本では同じコーギーである「ペンブローク種」と比べると知名度が低く、飼育頭数も少ない犬種です。そのため、里親募集やブリーダー経由での入手においても、数が限られているのが現状です。しかし、この希少性こそがカーディガンの魅力でもあり、真剣に探すことで理想的なパートナーに出会える可能性が広がります。ここでは、里親として迎える場合、ブリーダーから迎える場合、そして一般的な価格相場について順を追って説明していきます。

まず「里親」として迎えるケースです。コーギー全般に言えることですが、里親募集に出される理由としては「吠えやすさ」「運動量の多さ」「肥満や病気の管理の難しさ」などが挙げられます。特にカーディガンはペンブロークと違って性格がやや慎重で独立心が強いため、初心者が思っていたより飼育が難しいと感じて手放されることもあります。里親募集サイトや保護団体では、時折カーディガンが掲載されることがありますが、出会える機会は多くありません。希少性が高いため、もし保護犬として見つけた場合は慎重に考え、迎える準備を整えることが必要です。保護犬を迎える場合には、性格や健康状態を事前に把握し、団体からの説明をしっかり受けることが大切です。

次に「ブリーダー」から迎える場合です。カーディガンを迎える最も一般的な方法は、信頼できる専門ブリーダーから譲り受けることです。国内のブリーダー数はペンブロークに比べて少なく、繁殖に力を入れているブリーダーは限られています。その分、犬質(健康面や性格面を含む)が安定しているケースが多く、きちんと繁殖管理を行っているブリーダーであれば、遺伝性疾患への配慮や社会化がしっかり行われている個体に出会うことができます。

ブリーダーを選ぶ際のポイントとしては、以下の点が挙げられます。

1. 遺伝性疾患(特にPRAや股関節形成不全など)の検査結果を提示しているか。
2. 子犬の成育環境が清潔で、十分な社会化が行われているか。
3. 両親犬の性格や健康状態について詳しく説明してくれるか。
4. 購入後も相談やアドバイスに応じてくれるか。

これらを確認することで、安心して迎えることができます。また、カーディガンは海外、特に原産国であるイギリスやアメリカでも人気があるため、輸入によって迎えるケースもあります。ただし、輸入は輸送の負担や費用が大きくなるため、慎重な検討が必要です。

最後に「価格相場」についてです。国内でのカーディガンの子犬の価格は、おおよそ20万円から40万円程度が一般的な範囲です。ペンブロークに比べて希少性が高いため、やや高めに設定されることもあります。特にショードッグの血統を持つ個体や、珍しい毛色(ブルーマールなど)の場合は50万円を超えることもあります。逆に里親募集などで迎える場合には、基本的に譲渡費用(医療費や飼育費用の一部負担)として数万円程度であることが多いです。

迎え入れるにあたり注意したいのは、価格だけで判断しないことです。相場より安すぎる場合には、健康管理が不十分であったり、遺伝性疾患のリスクが考慮されていない可能性があります。一方で高額であっても、しっかりしたブリーダーから迎えることで、健康で性格の良い個体を得られる確率は高まります。

総じて、ウェルシュ・コーギー・カーディガンは日本においては希少な犬種であり、里親として出会う機会は限られています。確実に迎えたい場合には信頼できるブリーダーを探すのが現実的ですが、保護犬として出会えた場合には、その出会いは非常に貴重です。いずれの方法であっても、価格や希少性だけでなく、犬の健康や性格、飼い主との相性を重視することが、幸せな暮らしにつながる最も大切な要素といえるでしょう。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの動画集

[再生は画像をクリック]

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの動画 その1

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの動画 その2

ウェルシュ・コーギー・カーディガンの動画 その3

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