【イギリス王室にも愛される胴長短足でかわいいやつ、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク】

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの基本情報(性格・しつけ・病気など)

 
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ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
[英記]:Welsh Corgi Pembroke

    ◇基本データ
  • ・サイズ: 中型犬
  • ・体高:25cm~32cm
  • ・体重:10kg~14kg

  • ◇起源・歴史・沿革・系統:
  • イギリスのウェールズ地方で牧羊犬として活躍していた犬種。 フラマン人が犬を連れてウェールズのペンブロークシャー地方に移民した事が、由来となっています。

    見た目的にも似た犬種のペンブロークとカーディガンですが、始祖犬は別犬種で歴史も異なるため、 完全に別犬種として扱われています。 系統としては、スピッツ系となりますが、同様の系統としては日本犬や シベリアン・ハスキー等が挙げられます。

    尚、イギリスで人気が高く、イギリスの女王エリザベス2世が、 このウェルシュ・コーギー・ペンブロークを飼っているのも有名です。


    ◇こんなスタイルで犬を飼いたい方・こんな状況の方との相性Good!!
    ・定期的に運動をさせてあげることができる。
    ・犬と遊ぶのが楽しい。長い時間でも苦にならない。
    ・食事に注意して飼うことができる。
    ・基本的なしつけはできる(無駄吠え・噛み癖)。
    ・獣医や医療費(保険)などの環境がしっかり用意でき、不測の病気・けがに対して備えれる。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークのメイン写真 ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴評価グラフ

しつけのしやすさ

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、もともと牧羊犬として発達してきた犬種であり、その歴史的背景から非常に学習意欲が高く、人の指示を理解して行動することに長けています。これはしつけにおいて大きなメリットとなります。賢さと観察力に優れ、飼い主の声色や仕草の変化を敏感に察知するため、日常生活のルールや基本的なコマンドは比較的短期間で習得できるでしょう。特に「待て」「お座り」「伏せ」といった基本的な服従訓練は、繰り返し行うことで早い段階から身につけることが可能です。

しかし、コーギーは単に「覚えるのが早い」だけでなく、同時に「頑固さ」や「自己主張の強さ」を持つ犬種でもあります。これは牧羊犬としての本能からきており、自分で状況を判断し、時には独立して動こうとする習性が影響しています。そのため、飼い主の指示に従うことにメリットを感じられなければ、あえて無視することもあります。この点を理解していないと「賢いはずなのに言うことを聞かない」と誤解しやすいのです。

しつけを円滑に進めるためには、コーギーにとって「楽しい」「褒められる」という経験を積ませることが重要です。おやつを使った報酬型のトレーニングや、遊びを取り入れた訓練は効果的で、特にコーギーは食欲が旺盛なため、おやつを使ったポジティブな強化はモチベーションを高めやすい傾向にあります。ただし、体重管理が難しい犬種でもあるので、与える量には注意し、トレーニング用のおやつは低カロリーのものを選ぶことが望ましいでしょう。

また、コーギーは「吠える」傾向が強い犬種です。牧羊犬として羊を追う際に声を用いて指示を与えていた名残で、警戒心から来客や物音に反応しやすい特徴があります。このため、無駄吠えのコントロールはしつけの大きな課題となります。子犬の頃から「静かにする」合図を教えたり、刺激に慣れさせる社会化を行うことで改善できます。吠えることを完全にゼロにするのは難しいですが、適切な環境づくりと一貫した対応で必要以上に吠えることを防ぐことは可能です。

さらに、噛み癖や足元を追いかける行動も、コーギーならではの行動として注意が必要です。牧羊犬時代の習性で、動くものの足首を噛んで方向を変えさせる「ヒーリング」という動作が本能に残っています。そのため、子犬期には特に人の足や服の裾に噛みつくことがよく見られます。これを放置すると成犬になってからも癖として残ってしまうため、早い段階で「噛んではいけない」「おもちゃを噛むのは良い」と区別を教えてあげることが大切です。

しつけの際には、短時間で集中して取り組むことも成功のポイントです。コーギーは知能が高い分、同じことを長時間繰り返すと退屈してしまい、逆にいたずらに走ることもあります。1回のトレーニングは5〜10分程度とし、1日に数回に分けて行う方が効率的です。毎回成功体験で終わらせることで、犬自身も「学ぶことは楽しい」と認識するようになります。

総合的に見ると、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは非常にしつけのしやすい犬種に分類されます。ただし、その賢さゆえに飼い主の対応の一貫性や適切な指導が求められるという難しさも同時に存在します。ルールが曖昧だったり、時によって態度が変わると「従わなくても大丈夫」と誤解してしまうため、家族全員で統一したしつけ方針を徹底することが大切です。愛情を持って正しく導けば、家庭においても素晴らしいパートナーとして成長してくれるでしょう。

気性の穏やかさ・性格

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、小型から中型に分類される体格ながら、その明るくフレンドリーな性格で多くの家庭に愛されてきた犬種です。
最大の特徴は、非常に人懐こく、家族と過ごすことを心から楽しむという点にあります。もともと牧羊犬として人と密接に協力して働いてきた歴史を持つため、人間との絆を重視する気質が濃く残っており、常に家族のそばにいたいと願う傾向があります。そのため、孤独にはあまり強くなく、長時間の留守番が続くとストレスを抱えやすいことは理解しておくべきでしょう。

性格面では「陽気さ」と「活発さ」が目立ちます。飼い主の動きに敏感に反応し、一緒に遊んだり、新しいことを体験したりすることに強い喜びを感じます。特に子犬の時期はエネルギーが有り余っているため、遊びの要求も活発で、時にやんちゃな一面を見せることもあります。しかし、それは決して攻撃的なものではなく、基本的には楽しさを共有したいというポジティブな気持ちから来ています。適度に発散させる場を与えることで、性格の明るさがより良い方向に伸びていくでしょう。

一方で、コーギーは警戒心も併せ持つ犬種です。牧羊犬として家畜や農場を守る役割も担ってきたため、不審な物音や見知らぬ人に対して敏感に反応し、吠えて知らせることがあります。これは番犬としては頼もしい性質ですが、都会や集合住宅で暮らす場合には「過度に神経質にならないように育てる」工夫が必要になります。子犬期からさまざまな人や音、環境に慣れさせることで、無駄に警戒心を抱くことを防ぎ、落ち着いた性格を維持できるでしょう。

コーギーの性格のもう一つの側面として「頑固さ」や「独立心の強さ」が挙げられます。賢いため状況をよく理解するのですが、その分「従うべきかどうか」を自分で判断しようとする傾向が見られます。これはときに飼い主にとって「扱いにくい」と感じられる部分でもありますが、裏を返せば「自分で考えて行動できる力を持つ」ということでもあります。したがって、性格をより穏やかに育てるためには、コーギーが安心して飼い主を信頼できる関係を築くことが不可欠です。一貫した対応と愛情のあるリーダーシップを示すことで、頑固さは良い意味での「自信」や「頼もしさ」として表れていきます。

また、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは社交的な性格を持ち、家族以外の人や他の動物とも比較的良好な関係を築きやすい犬種です。特に正しく社会化を行えば、来客や友人に対しても親しみを示すことが多く、家庭犬としての適性は非常に高いといえます。ただし、遊び好きな性格が強く出ると、相手が落ち着きを求めている状況でも一方的に関わろうとすることがあります。この点では飼い主が場をコントロールしてあげることが、コーギーの持ち前の性格を周囲に心地よく受け入れてもらうための鍵となります。

もう一つの特徴は「感受性の豊かさ」です。飼い主の感情を敏感に読み取り、喜びや悲しみを共有するかのような反応を見せることがあります。これは家庭にとって大きな魅力であり、まるでパートナーのように寄り添ってくれる存在感を感じさせます。ただし、この繊細さが裏目に出ると、飼い主のイライラやストレスを感じ取って不安定になる場合もあります。感受性の強さをプラスに生かすためには、飼い主自身が穏やかに接することが重要です。

総じて言えるのは、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは「明るく、社交的で、人と一緒にいることを何よりも楽しむ犬」であるということです。適度な警戒心と独立心は持ち合わせていますが、それは飼い主と築く信頼関係の中で良い方向に発揮されます。性格の穏やかさをより引き出すためには、子犬期からの丁寧な社会化と、安定した愛情ある接し方が欠かせません。この基盤をしっかり作れば、コーギーは家庭の中で常に温かさと笑顔をもたらしてくれる存在となるでしょう。

病気・けがへの強さ・寿命

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、全体として健康で丈夫な犬種に分類されます。しかし、その独特の体型や遺伝的背景から、注意すべき病気やけがのリスクもいくつか存在します。ここでは代表的な病気、けがの傾向、そして寿命について詳しく解説します。

まず、最も特徴的な点として「胴長短足」という体型があります。この体型は見た目の愛らしさの一因であると同時に、整形外科的な問題を抱えやすい原因にもなっています。特に注意すべきは椎間板ヘルニアです。背骨にかかる負担が大きいため、急な段差の上り下りや無理なジャンプ、肥満による体重増加は発症リスクを高めます。椎間板ヘルニアは軽度であれば薬や安静で改善する場合もありますが、重度になると歩行困難や下半身麻痺を引き起こす可能性もあり、外科手術が必要になるケースもあります。そのため、日常生活では滑りにくい床を整える、ソファやベッドへの飛び乗りを防ぐ、階段を避けるといった環境の工夫が重要です。

次に、股関節形成不全や変形性関節症といった関節疾患も比較的多く見られます。特に活動的なコーギーは若い頃からよく走り回りますが、成長期に過度な運動をすると骨格に負担がかかり、将来的に関節疾患のリスクが高まります。適度な運動で筋肉をつけつつも、無理のない範囲にとどめることが予防につながります。

また、眼の病気にも注意が必要です。遺伝的に発症しやすい疾患として、進行性網膜萎縮(PRA)や白内障が知られています。PRAは網膜が徐々に機能を失い、最終的には失明に至る病気で、早期発見が難しい点が特徴です。夜間の視力低下や物にぶつかる様子が見られたら要注意です。白内障も比較的多く、加齢とともに進行することが多いですが、若齢でも発症することがあります。これらの目の病気は遺伝性の要素が強いため、信頼できるブリーダーから迎えることが予防の第一歩となります。

さらに、コーギーは遺伝性の疾患として変性性脊髄症(DM)にかかりやすい犬種のひとつでもあります。これは神経の変性によって後肢が徐々に麻痺していく進行性の病気で、発症すると完治は難しいとされています。一般的に高齢期に発症しやすく、歩行に不自由をきたすため、飼い主のケアや介護が求められることになります。

内科的な病気では、甲状腺機能低下症やてんかんも比較的報告が多い病気です。甲状腺機能低下症は代謝が低下して元気がなくなったり、皮膚や被毛の状態が悪化したりします。てんかんは繰り返す発作が特徴で、突然のけいれんなどが見られた場合には早急な診察が必要です。

健康管理で特に重要なのは「肥満予防」です。コーギーは食欲が非常に旺盛で、与えられたものをどんどん食べてしまう傾向があります。そのため、カロリーコントロールを怠るとすぐに太りやすく、肥満が関節や背骨への負担をさらに悪化させてしまいます。運動と食事管理を両立することで、病気やけがのリスクを大幅に減らすことができます。

寿命については、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは平均して12〜15歳程度とされています。中型犬としては比較的長寿の部類に入ります。健康に配慮し、定期的な動物病院での健康診断やワクチン接種、歯のケアなどを欠かさなければ、15歳を超えて元気に過ごす個体も珍しくありません。特に近年は医療の発達や飼育環境の改善により、高齢になっても快適に暮らすコーギーが増えています。

まとめると、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは健康で活発に過ごせる犬種ですが、その体型特有の疾患や遺伝的な病気には注意が必要です。早期発見と予防、そして適切な生活環境の工夫が長寿に直結します。飼い主が正しい知識を持ってケアをすれば、コーギーは長い年月にわたって家族に喜びを与えてくれる存在となるでしょう。

他の犬や子どもとの同居しやすさ

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、人間との関わりを深く求める犬種であり、家庭犬として高い適性を持っています。もともと牧羊犬として群れをまとめる役割を担っていたため、他の動物や人との協調性も持ち合わせています。しかし、持ち前の活発さや本能的な行動が出ることもあるため、子どもや他の犬との同居にはいくつかのポイントを理解し、適切に対応することが求められます。

まず、子どもとの相性についてです。コーギーは明るくフレンドリーで、遊び好きな性格から子どもにとって楽しい遊び相手になることが多いです。人と一緒に活動することを好むため、子どもと走り回ったりボール遊びをしたりといった日常は大きな喜びとなります。また、比較的小型であるため大型犬ほどの体力差や危険性は少なく、家庭において安心感を与えてくれる存在になります。

しかし注意点もあります。コーギーは牧羊犬として家畜を追う本能が強く残っており、動くものを追いかけて足元に噛みつく「ヒーリング」という行動を見せることがあります。これは子どもが走り回った際にも発動しやすく、小さな子にとっては驚きや恐怖につながることもあります。そのため、子どもと遊ばせるときには大人が必ず見守り、噛む代わりにおもちゃを使うよう教えるなど、行動の方向性を正しく導く必要があります。また、子ども自身にも「犬のしっぽを引っ張らない」「無理に抱きしめない」など、犬に対する適切な接し方を学ばせることが安全な関係づくりにつながります。

次に、他の犬との関係についてです。コーギーは社交性が高く、基本的には犬同士で遊ぶことを楽しむタイプです。ドッグランや散歩中に他の犬と出会った際にも、興味を持って積極的に関わろうとすることが多いでしょう。ただし、同時に自己主張が強い一面も持ち合わせています。相手の犬が引っ込み思案だったり、逆に強気な犬だった場合には摩擦が生じることもあります。そのため、初対面の犬に会わせるときは短時間から始め、相手の反応を見ながら徐々に距離を縮めることが望ましいです。

また、オス同士では縄張り意識やリーダー性をめぐって衝突する場合もあります。特に去勢していないオス犬では顕著に見られるため、多頭飼いを考える場合には性別や性格の組み合わせをよく考慮する必要があります。一方で、子犬期から一緒に育てた場合や、正しく社会化がなされていれば、多頭飼いでも比較的穏やかに共存できるケースが多いのもコーギーの特徴です。

猫など他の動物との同居についても触れておきましょう。コーギーは本来、動くものを追いかける性質を持っていますが、早い段階から猫や小動物と接して慣れさせていれば、問題なく共生できる場合が多いです。ただし、動きの速い小動物(ウサギやハムスターなど)は狩猟本能を刺激してしまう可能性があるため、基本的には別々に飼育する方が安全です。

コーギーが同居に向いている理由の一つとして、「環境への順応性の高さ」が挙げられます。新しい家族やペットに対しても、飼い主が落ち着いて接すれば、比較的短期間で受け入れることができます。これは群れを意識する本能が強い犬種ならではの特性です。家族全員を「自分の群れ」と認識するため、新しい仲間も自然とその一員として受け入れやすいのです。

まとめると、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは基本的に子どもや他の犬との同居がしやすい犬種です。ただし、本能的な行動(追いかけや噛みつき)を正しくコントロールし、子どもや他の動物に安全な接し方を教えることが必要です。家族全員がコーギーの特性を理解し、愛情をもって接することで、家庭内での調和は一層深まり、コーギーは家庭の大切なパートナーとして長く幸せな時間を過ごすことができるでしょう。

運動量の多さ

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、その胴長短足の可愛らしい体型から「おっとりしているのでは」と思われがちですが、実際には非常に運動欲求が強く、活動的な犬種です。もともと牧羊犬として長時間にわたって家畜の群れを追い、状況に応じて走り回って働いていた歴史を持つため、現在でもそのエネルギッシュな性質が色濃く残っています。したがって、運動不足は健康面にも精神面にも大きな悪影響を及ぼすため、毎日の運動をきちんと確保することが飼育の基本条件となります。

コーギーに必要な運動量は、一般的に「1日に1時間以上の散歩」とされますが、ただ歩くだけでは十分ではありません。早足での散歩、軽いジョギング、自由に走れるドッグランでの活動など、心拍数がしっかり上がるような運動を取り入れることが理想です。特に若齢期(1〜5歳頃)はエネルギーが非常に旺盛であり、単なる散歩では物足りず、いたずらや問題行動に発展することもあります。そのため、朝と夕方の2回に分けてしっかり運動させることを推奨します。

加えて、コーギーは「頭を使う運動」も必要とする犬種です。知能が高いため、単調な運動ではすぐに飽きてしまい、満足感を得られにくいのです。ボール遊びやフリスビーのキャッチ、アジリティ競技のような知力と体力を同時に使う活動は、コーギーにとって理想的な運動になります。特にフリスビーは、走ってジャンプする動きがコーギーの機敏さを存分に発揮させ、心身のバランスを整える効果があります。ただし、過度なジャンプは腰や関節への負担が大きいため、段差の少ない場所で行い、体が未発達な子犬には避けるべきです。

室内飼育が主流となっている現在では、散歩以外の工夫も大切です。雨の日や外出できないときには、知育玩具を使った遊びや、トリックを覚えさせるトレーニングで頭を働かせることが効果的です。例えば「隠したおやつを探すゲーム」や「新しいコマンドの練習」は、短時間でも高い満足感を与えられます。これは体力消耗だけでなく、欲求不満を解消し、問題行動を防ぐことにもつながります。

一方で、運動させすぎも注意が必要です。コーギーは小型から中型の体格であり、胴が長い体型は腰や関節に負担がかかりやすいため、長距離のランニングや無理な運動は逆効果になります。適度に休憩を入れながら、犬の年齢や体調に合わせて運動量を調整することが求められます。特に高齢期に入ると、関節疾患や椎間板への負担が増えるため、長時間の激しい運動は避け、短めの散歩や軽い遊びを中心に切り替えていくことが大切です。

運動不足が続いた場合、コーギーにはいくつかの典型的な問題が現れます。まず、肥満です。コーギーは食欲旺盛な犬種で、食べることが大好きです。そのため、運動量が不足するとすぐに体重が増加し、腰や関節のトラブルを悪化させる原因となります。さらに、ストレスや退屈感から吠え癖、噛み癖、破壊行動といった行動問題を引き起こすこともあります。これらは飼い主の負担となるだけでなく、犬自身にとっても不幸な結果を招きます。

コーギーの運動量を確保するには、飼い主の生活スタイルとの相性も重要です。毎日しっかり散歩や遊びに時間を割ける家庭であれば、コーギーは素晴らしいパートナーとなります。しかし、運動に割ける時間が限られている場合や、忙しさから散歩が不十分になる環境では、コーギー本来の明るさや健やかさが十分に発揮されません。そのため、迎える前に「毎日安定して運動時間を確保できるかどうか」を現実的に考えることが必要です。

総合すると、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは「見た目以上に運動量を必要とする犬」であり、その欲求を満たすことで心身ともに健全に育ちます。散歩や遊びを通じて適度に体を動かし、頭を使わせることで、コーギーは家庭内でも穏やかで満ち足りた生活を送ることができるのです。

体の特徴・被毛・毛色の特徴

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、その独特な体型と愛らしい外見で世界中の愛犬家を魅了している犬種です。まず最も目を引くのは「胴長短足」という体型です。肩から腰にかけての胴体はしっかりと長く、足は比較的短いのが特徴です。この体型は牧羊犬として家畜の足元をすばやく動き回るのに適しており、牛や羊の後ろを低い姿勢で追い立てる作業に役立ってきました。一見するとユーモラスでかわいらしい印象を与えますが、その機能性には牧畜犬としての合理性が込められているのです。

体高は25〜30cm程度、体重は10〜13kgほどが標準で、小型から中型犬の中間に位置します。小柄ではありますが、筋肉質でがっしりとした骨格を持ち、運動能力は非常に高いです。短足であるために走るのが遅いと思われがちですが、実際には驚くほど敏捷で、小回りがきく走りを見せます。

顔つきについては、明るく表情豊かな点が特徴です。頭部はやや平らで、キツネを思わせるような鋭さと愛らしさを併せ持ちます。耳は大きめで立ち耳が基本、三角形で先端が丸みを帯びています。この耳は警戒心が働いたときや嬉しいときにぴんと立ち、感情表現が豊かに現れます。目はアーモンド形で優しい印象を与え、瞳の色は基本的にブラウン系です。

尻尾に関しては、ウェルシュ・コーギーには「カーディガン」と「ペンブローク」という2種類の系統が存在しますが、ペンブロークは「尻尾が短い」ことで知られています。かつては断尾が一般的に行われていたため「しっぽのない犬」という印象が強かったのですが、近年は動物福祉の観点から断尾を禁止している国も多く、自然な長さの尻尾を持つ個体も増えてきています。そのため、現在ではペンブロークでも尻尾が残っている場合があり、ゆったりと振る姿は飼い主にとって大きな魅力となっています。

被毛は二重構造(ダブルコート)で、上毛は直毛で硬め、下毛は密集した柔らかな毛で構成されています。この二重被毛は寒冷地での作業に適応するためのもので、防寒性が高い一方、換毛期には大量の抜け毛が発生します。年に2回(春と秋)の換毛期には特に抜け毛が多く、毎日のブラッシングが欠かせません。抜け毛対策を怠ると、毛玉ができたり皮膚の通気性が悪化して皮膚トラブルの原因になることがあります。

毛色については、ペンブロークに認められているカラーは比較的限られており、代表的なのは以下の通りです。

* レッド(赤茶色)
* セーブル(赤毛に黒い差し毛が混じったもの)
* フォーン(淡い黄褐色)
* ブラック&タン(黒地に茶色のマーキング)

いずれの毛色も胸や脚、顔の一部にホワイトのマーキングが入ることが多く、この白い模様が愛嬌のある外見をさらに引き立てます。特に「ブレーズ」と呼ばれる額から鼻にかけての白いラインは、ペンブロークらしい可愛らしさを象徴するポイントのひとつです。

被毛の手入れは基本的にブラッシングとシャンプーで十分ですが、短毛種であるにもかかわらず抜け毛は非常に多い点を覚悟しておく必要があります。特に室内飼育では抜け毛が家具や衣類に付着しやすいため、こまめな掃除も生活の一部となります。ブラッシングは週に2〜3回、換毛期には毎日行うのが理想です。

身体的な特徴からくる注意点として、やはり腰や関節への負担が挙げられます。短足で胴が長いため、ジャンプや階段の上り下りはできるだけ避けるべきです。また、肥満するとお腹が地面に近づき、皮膚が擦れて炎症を起こすこともあります。健康維持のためには、適切な運動と食事管理が欠かせません。

まとめると、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは「胴長短足」「立ち耳」「キツネ顔」「短い尻尾」という独自の体型と、豊かな表情が魅力の犬種です。被毛は二重構造で季節による換毛があり、毛色は限られた中でもそれぞれに個性があります。愛らしい外見の裏には牧羊犬としての機能美が宿っており、その特徴を理解してこそ、コーギーとより健やかで快適な生活を送ることができるのです。

里親・ブリーダー・値段

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、世界的に人気の高い犬種であり、日本でも家庭犬として広く飼育されています。そのため、ペットショップやブリーダーから迎える方法のほか、保護犬として里親になる選択肢も存在します。ここではそれぞれの入手方法の特徴と注意点、そして価格の目安について詳しく解説します。

まず、ブリーダーから迎える場合についてです。ブリーダーは犬種の特性や血統を理解し、計画的に繁殖を行っているため、健康状態が良く、性格的にも安定した個体を迎えやすいという大きな利点があります。特にコーギーは遺伝性疾患(変性性脊髄症、股関節形成不全、進行性網膜萎縮など)が比較的多い犬種のため、親犬の健康検査をしっかり行っているブリーダーを選ぶことが重要です。良心的なブリーダーは、子犬を譲渡する際に親犬の健康情報や繁殖方針を丁寧に説明し、購入後の飼育相談にも応じてくれることが多いです。価格は血統や毛色、ショードッグ向けかどうかによっても異なりますが、日本では一般的に20万〜40万円程度が相場とされています。希少なカラーや優れた血統を持つ子犬は、50万円を超えるケースもあります。

次に、ペットショップでの購入です。ペットショップは気軽に立ち寄れるため、実際に子犬を見て決められる点が魅力です。ただし、すべてのショップが適切な繁殖管理をしているわけではなく、中には劣悪な環境で繁殖された子犬が流通している場合もあります。そのため、購入を検討する際にはショップの清潔さ、スタッフの知識、子犬の健康状態をよく確認する必要があります。近年では「信頼できるブリーダーから仕入れる」スタイルのペットショップも増えているため、情報をしっかり集めて慎重に選ぶことが大切です。

一方、里親制度を通じてコーギーを迎える方法もあります。コーギーは人気犬種であるがゆえに、飼育放棄や繁殖引退犬として保護団体に引き取られるケースも少なくありません。保護犬として迎える場合、成犬や高齢犬であることが多いですが、その分すでにしつけがある程度入っていたり、性格の傾向が明らかになっている点はメリットでもあります。また、保護団体では医療ケア(避妊去勢、ワクチン接種、健康診断など)が済んでから譲渡されることが多く、初期費用を抑えつつ安心して迎えられる場合もあります。譲渡費用は団体によって異なりますが、一般的には3万〜6万円程度が多いです。

ただし、里親として迎える場合には「保護犬を理解し、最後まで責任を持って飼育する」という強い覚悟が必要です。なかには過去に虐待や放棄を経験し、人や環境に不安を抱えている犬もいます。そのため、信頼関係を築くまでに時間がかかることもあり、忍耐と愛情を持って接する姿勢が求められます。

価格面について改めて整理すると、

* ブリーダー直販:20万〜40万円(優良血統は50万円以上)
* ペットショップ:15万〜35万円程度(店舗や血統による差あり)
* 里親・保護団体:3万〜6万円程度(医療費など実費相当)

このように入手方法によって費用は大きく異なりますが、重要なのは「迎えた後にどれだけ愛情と責任を持って飼うか」です。初期費用だけでなく、毎日のフード代、医療費、トリミングや予防接種などの維持費も含めると、1頭のコーギーを生涯にわたって育てるには数百万円単位の費用が必要になります。

最後に、迎える方法を問わず大切なことは「信頼できる相手から迎える」ということです。ブリーダーであれば犬舎を見学し、親犬の状態や飼育環境を確認する。保護団体であれば譲渡前の面談を通じて飼育環境の適性を見てもらう。そうした過程を経ることで、コーギーにとっても飼い主にとっても幸せな出会いとなるのです。

まとめると、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは人気が高く、さまざまな入手経路が存在します。ブリーダーからの迎え入れは安心感が大きく、里親制度は命を救う選択肢として意義深いものです。いずれにせよ、値段だけにとらわれず、犬の一生に責任を持つ覚悟を持って選ぶことが、コーギーと幸せに暮らすための第一歩となります。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの動画集

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ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの動画 その1

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの動画 その2

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの動画 その3

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの人気インスタグラマーご紹介


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