【わんぱくさと優しさをあわせ持つ愛嬌キャラ、ボストン・テリア(ボステリ)】

ボストン・テリアの基本情報(性格・しつけ・病気など)

 
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ボストン・テリア
[英記]:Boston Terrier

    ◇基本データ
  • ・サイズ: 中型犬
  • ・体高:38cm~43cm
  • ・体重:6kg~11kg

  • ◇起源・歴史・沿革・系統:
  • ボストン・テリアの原産国はアメリカ合衆国です。
    しかしながら元来の起源を遡るとイギリスに発祥を持っています。
    1860年代頃、ブルドッグとイングリッシュホワイトテリアのミックス犬種は愛好家の間で人気を博していました。これらの犬種はブルドッグとテリア系それぞれの特徴をうまく保持しており、知的な優秀な犬種でもあったようです。
    そして、これらの犬種は、アメリカのマサチューセッツ州へと持ち込まれ、当時のアメリカの愛犬家の中で人気が出ていました。

    その後、19世紀後半のアメリカ・マサチューセッツ州ボストン市にて、ブルテリアとブルドッグを交配させ、 もともとの目的としては闘犬用として生み出されました。
    その後、ボストン市近辺で人気犬種となりましたが、当初は体重20kg以上もある大型犬で、犬種名「ボストン・ブル」と呼ばれていました。
    現在の姿の小型化されたものは徐々に改良を重ねて実現された結果となります。

    しばらくは、ボストン周辺地域のみで見かけられる犬種でしたが、徐々に普及していきました。
    1893年にはアメリカンケネルクラブにより「ボストン・テリア」という犬種として正式に認定されました。

    また、当時は『アメリカン・ブル・テリア』(または『ラウンドヘッド』)とも呼ばれており、 愛好家による専用クラブもできていました。
    しかし、ブル・テリアという名称の犬種は当時すでに存在していたため、 『ボストン・テリア』という呼称に変更されました。

    さらに、ブルドッグ・ブルテリア以外にもホッパーズ・ジャッジ(イングリッシュ・テリアとブルドッグの交配) 、ピットブル・ボクサー、フレンチブルドッグ等とも交配され改良されていきました。

    そして、1920年代ごろからヨーロッパでも普及しはじめ、アメリカでも引き続き人気は上昇し、1950年代にはアメリカ国内で一番人気のある犬種となったこともあります。
    尚、現在は原産地のアメリカ・マサチューセッツ州の州犬にも指定されています。

    また、ボストン・テリアは日本でも近年人気となってきている犬種の一つで「ボステリ」の略称でも親しまれており、古くは昭和期のマンガ『のらくろ』のモデル犬になっていることでも有名です。


    ※ボストン・テリアは同じ犬種内でも体格(体重)の幅が広く、 体重により次の分類にわかれます:
    小型(6.8㎏未満)・中型(6.8~9.1㎏)・大型9.1~11.4㎏


    ◇こんなスタイルで犬を飼いたい方・こんな状況の方との相性Good!!
    ・賢くしつけしやすい犬が良い
    ・いびきやどこか抜けているのも愛せる
    ・小さいお子様や他の犬と同居する予定がある
    ・多少の遺伝的病気のリスクは許容する
ボストン・テリアのメイン写真 ボストン・テリアの特徴評価グラフ

しつけのしやすさ

ボストン・テリアは、その明るく人懐こい性格から、しつけのしやすさにおいては比較的高い評価を得ている犬種です。愛情深く、飼い主に寄り添いたいという欲求が強いため、ポジティブな強化トレーニングに非常に適しています。具体的には、飼い主の褒め言葉やおやつを使った報酬型のトレーニングに反応が良く、学習スピードも早い傾向にあります。もともとコンパニオンドッグとして人との生活に密着することを目的に改良されてきた歴史を持つため、家庭内でのマナーを理解することに長けているのです。

ただし、しつけがしやすいといっても、万能に従順というわけではありません。ボストン・テリアは好奇心旺盛で、時に頑固さを見せる場面もあります。特に子犬期は遊びたい気持ちが勝って集中力が続かず、トレーニング中に注意散漫になることがあります。このため、長時間の練習よりも、1回あたり5分から10分程度の短いセッションを複数回に分けて行う方が効果的です。また、声のトーンや表情の変化に敏感なので、厳しい叱責よりも落ち着いた指示と成功した際の大きな喜びを見せることが、犬との信頼関係を築く近道となります。

さらに、ボストン・テリアは比較的無駄吠えが少ない犬種ではありますが、退屈さや不安から吠えることもあります。そのため、幼少期から「静かに過ごす練習」や「来客時の落ち着き」を意識的にしつけることが望ましいでしょう。社会化の時期にさまざまな音や人、犬に触れさせることも、吠え癖や過剰な警戒心を防ぐうえで非常に重要です。

トイレトレーニングについても、ボストン・テリアは比較的早く習得する傾向がありますが、短頭種特有の感情表現の強さから、失敗をしてしまったときに過剰に叱ると、飼い主を怖がってしまうことがあります。失敗した際は冷静に片付け、成功したときにしっかり褒める、この一貫した態度がしつけ全体のカギとなります。

しつけの一環として重要なのは、ボストン・テリアがとても人好きで甘えん坊な性質を持っている点を踏まえ、「一緒にやる」ことを楽しませることです。おすわりやふせといった基本的なコマンドはもちろん、簡単なトリックや遊びを通じて頭を使わせることが、犬にとっても刺激となり、望ましい行動を強化することにつながります。また、日常生活のなかでしつけを組み込むこと、たとえば「ごはんの前におすわりをする」「散歩の前に落ち着いて待つ」といった習慣は、犬にとってわかりやすいルール作りとなり、生活全体の秩序を整える助けになります。

総合的に見ると、ボストン・テリアは初心者にも比較的扱いやすい犬種ですが、根気強さと一貫性は欠かせません。早い段階からしつけを開始し、遊びと訓練を上手に融合させることが、彼らの賢さと従順さを最大限に引き出す方法です。そして何より、しつけは「支配」ではなく「協力」であることを理解することで、飼い主と犬との間に強固な信頼関係が育まれていきます。ボストン・テリアはその信頼関係を何より大切にする犬種であるため、丁寧で愛情あるしつけを行うことが、穏やかで調和の取れた生活を築く第一歩となるでしょう。

気性の穏やかさ・性格

ボストン・テリアは、数ある小型犬の中でも特に「陽気さ」と「落ち着き」のバランスに優れた性格を持つ犬種です。もともと闘犬としてのルーツを一部に持ちながらも、改良が進む過程で家庭犬としての穏やかさが重視され、現在では「アメリカン・ジェントルマン」という愛称が付けられるほど礼儀正しい気質が評価されています。この呼び名は、彼らのタキシードのような白黒模様だけでなく、性格的にも紳士的な振る舞いを示すことからきています。

性格面で特徴的なのは、まず人懐こさです。ボストン・テリアは飼い主や家族と過ごすことに強い喜びを感じ、常にそばにいたがる傾向があります。知らない人に対しても警戒心は比較的薄く、フレンドリーに接することが多いため、来客や外出先でのトラブルが少ない犬種といえます。その一方で、飼い主に対する忠誠心は非常に高く、家族との絆を深く築く性格を持っています。人間の感情をよく読み取り、落ち込んでいるときには静かに寄り添い、楽しそうな雰囲気のときには一緒になってはしゃぐなど、感受性の豊かさが際立ちます。

また、ボストン・テリアは基本的に穏やかで優しい気質を持っていますが、遊び好きな一面も強く残しています。ボール遊びや引っ張りっこ、知育玩具を使った遊びなど、活発に体と頭を使う活動を好みます。そのため、家庭内で「静かに過ごす時間」と「思い切り遊ぶ時間」のメリハリをつけることで、性格の良さをより発揮できるでしょう。過剰に刺激されると興奮しやすい面もありますが、成長とともに自己抑制を学び、成犬になると家庭内では落ち着いた存在感を見せることが多いです。

一方で、頑固さを見せることもあります。ボストン・テリアは知能が高いため、自分で納得しないと指示に従わない場合があります。例えば、同じ遊びや訓練を繰り返すと飽きてしまい、わざと無視するような態度を取ることもあります。これは支配的な性格からくるものではなく、単純に「楽しくない」と感じているサインです。そのため、彼らの性格に合った方法としては、常に新鮮で変化に富んだ遊びやトレーニングを取り入れることが効果的です。飼い主が楽しそうに取り組む姿を見せれば、ボストン・テリアは喜んで付き合ってくれるでしょう。

他の犬種と比べると、ボストン・テリアは攻撃性が低く、基本的には争いを避ける性格をしています。ただし、オス個体の中には自己主張が強く、他のオス犬に対して対抗心を見せる場合もあります。社会化不足のまま成長すると、その傾向が強く出やすいため、幼犬期からさまざまな犬と接する機会を持たせることが大切です。しっかり社会化を行えば、他の犬とも平和的に接することができ、持ち前の明るさを発揮して良好な関係を築けるようになります。

もう一つの性格的特徴として、「甘えん坊であること」が挙げられます。飼い主の膝の上でくつろぐことや、ベッドやソファで一緒に過ごすことを好み、留守番が長時間続くと不安を感じやすい傾向があります。この寂しがり屋の性質は、家庭犬としては魅力でもありますが、同時に分離不安の原因となる場合もあります。長時間家を空ける家庭では、事前に一人で落ち着いて過ごせる練習をしておくことが、安心できる性格を育てるうえで欠かせません。

総じて、ボストン・テリアの性格は「明るく人懐こく、穏やかで適応力が高い」と表現できます。子犬期はエネルギッシュでやんちゃな面が目立つものの、成長とともに家庭に馴染み、落ち着いた大人の魅力を備えていきます。そして、飼い主に深く寄り添いながらも、周囲の環境や人々と自然に調和できる性格は、初めて犬を飼う人から経験豊富な飼い主まで幅広く支持されています。人との暮らしに調和することを喜びとするその気質は、まさに家庭犬として理想的なものといえるでしょう。

病気・けがへの強さ・寿命

ボストン・テリアは小型から中型の犬種に分類され、平均寿命は約11~15年とされています。適切な飼育環境や健康管理を行えば長生きすることも珍しくなく、15歳を超えて元気に過ごす個体も報告されています。ただし、短頭種特有の構造的な問題や遺伝的な疾患のリスクを抱えているため、その点を十分に理解し、早期からのケアが必要となります。

まず大きな特徴として、ボストン・テリアは「短頭種」に分類されます。短頭種とは、鼻先が短く、頭部が丸く平らな形状を持つ犬種のことを指し、フレンチ・ブルドッグやパグと同じグループに属します。このため、短頭種気道症候群に関連する呼吸器系のトラブルを抱えることが少なくありません。暑さや湿度の高い環境では呼吸困難を起こしやすく、特に夏場の熱中症には細心の注意が必要です。散歩の時間帯を涼しい朝や夕方にずらしたり、室内の温度管理を徹底することは、健康寿命を延ばすための基本的な対策となります。

また、目のトラブルにも注意が必要です。ボストン・テリアは丸く大きな目を持ち、表情豊かで愛らしい外見が魅力ですが、その分外傷や疾患にかかりやすい構造でもあります。代表的なものに、角膜潰瘍やドライアイ(乾性角結膜炎)、白内障などがあり、特に活発に走り回る子犬期には物にぶつかって目を傷つけることもあります。目やにの増加や充血などの小さな異変を見逃さず、早めに動物病院で診察を受けることが重症化を防ぐカギです。

整形外科的な問題としては、膝蓋骨脱臼(パテラ)や股関節形成不全が挙げられます。これらは小型犬や短頭種に比較的多く見られる疾患で、関節の構造や遺伝的な要因が関係しています。日常的には、過度な段差の昇り降りを避けたり、体重管理を徹底して関節への負担を軽減することが重要です。また、太りやすい傾向があるため、肥満はあらゆる疾患のリスクを高める大きな要因となります。食事量やおやつの管理、適度な運動をバランス良く行うことが予防につながります。

ボストン・テリアに比較的多く見られる遺伝的疾患には、脳や神経系の異常もあります。代表的なものとして「てんかん」や「水頭症」が挙げられます。これらは突然の発作や行動の異常として現れることがあり、飼い主にとっては驚きと不安を伴いますが、獣医師の指導のもとで適切に投薬や管理を行えば、日常生活を大きく損なうことなく過ごすことも可能です。

また、ボストン・テリアは皮膚のトラブルにも比較的注意が必要な犬種です。顔のしわや短い被毛は通気性が悪く、細菌や真菌の繁殖が起こりやすい環境をつくることがあります。特に夏場は皮膚炎やアレルギー性のかゆみが出やすく、こまめなシャンプーや体を拭く習慣を持つことが皮膚の健康を保つポイントとなります。

寿命に関しては、遺伝的な要因や生活環境、日常のケアによって大きく左右されます。呼吸器・目・関節・皮膚といったボストン・テリアに特有の弱点を理解し、日常的な観察と早期対応を怠らなければ、健康で快活に長く暮らすことは十分可能です。定期的な健康診断を受けることで、病気の兆候を早期に発見できる点も見逃せません。

総合的に見ると、ボストン・テリアは「大きな疾患リスクを抱えつつも、適切な管理で長寿を実現できる犬種」といえます。飼い主が体調の変化に敏感であり続け、暑さ対策や体重管理、皮膚や目のケアを習慣化することが、愛犬の寿命を延ばす最大の秘訣です。そして、元気に歳を重ねる姿を見守ることは、飼い主にとってもかけがえのない喜びとなるでしょう。

他の犬や子どもとの同居しやすさ

ボストン・テリアは、家庭犬として長い歴史を持ち、人との強い結びつきを前提に改良されてきた犬種です。そのため、基本的には家庭環境における同居適性が高く、子どもや他の犬との暮らしにも比較的順応しやすいといえます。ただし、個体ごとの性格差や育て方、社会化の時期にどれだけ経験を積んだかによって、実際の同居のしやすさは大きく変わるため、特徴をよく理解し、準備を整えることが重要です。

まず、子どもとの関係について考えてみましょう。ボストン・テリアは陽気で遊び好きな性格を持っており、子どもの遊び相手として非常に適しています。小型犬でありながらがっしりした体つきで、ある程度の体力やタフさを備えているため、多少のにぎやかさや遊びの誘いにもしっかり応じられる点は大きな強みです。また、基本的に攻撃性が低く、家族に対して愛情深いため、子どもに対しても優しく接する傾向があります。

一方で、子どもとの生活においては「犬に優しく接する方法」を教えることが不可欠です。耳やしっぽを引っ張る、無理に抱き上げるといった行為は、どんなに穏やかな犬でもストレスを感じます。ボストン・テリアは比較的我慢強い犬種ですが、過度な刺激が続けば警戒心や防御的な行動に繋がる場合もあります。ですから、子どもと犬が一緒に生活する際には、必ず大人が見守り、互いに安心できる距離感を保つことが大切です。

次に、他の犬との同居について見てみます。ボストン・テリアは社交的でフレンドリーな一面を持っており、特に幼少期から他の犬と触れ合う機会を多く与えられた個体は、良好な関係を築きやすい傾向にあります。ドッグランや散歩中に自然に他の犬と挨拶できる姿は、ボストン・テリアの社会性の高さを示すものです。ただし、オス犬の場合はやや自己主張が強く、特に同じくらいの体格のオス犬に対して競争心を見せる場合があります。この点は社会化不足や飼い主の対応によって強まることがあるため、早い段階での「犬同士の礼儀」を学ばせることが重要です。

また、多頭飼育に関しては、ボストン・テリアは比較的相性の良い犬種とされています。明るく柔軟な性格のため、他犬種との同居にも適応しやすいのですが、エネルギッシュな遊び方をするため、相手が高齢犬や落ち着きを好む犬だと負担になってしまう可能性があります。逆に、同じように活発で遊び好きな犬となら、互いにストレスなく一緒に過ごせるでしょう。飼い主が相性をしっかり見極め、環境を調整してあげることが大切です。

猫などの他の動物との同居については、個体差が大きく出る部分です。ボストン・テリアは狩猟本能が比較的弱いため、猫に対して過剰に攻撃的になることは少ないとされますが、活発に動く小動物を追いかけてしまう可能性は否定できません。特に子犬期は好奇心旺盛で、遊びの延長として追いかけ回してしまうことがあります。そのため、最初から無理に一緒にさせるのではなく、仕切りを使ったり短時間の接触から始めるなど、段階的に慣らすことが安心です。

ボストン・テリアは基本的に「誰とでも仲良くできる資質」を備えていますが、それはあくまで適切な社会化が前提となります。子犬の頃からさまざまな人や犬、環境に触れさせることで、相手を脅威ではなく仲間として認識できるようになります。逆に、社会化の機会が乏しいと、臆病さや防衛的な態度が強まり、同居が難しくなることもあります。

総合的に見ると、ボストン・テリアは「子どもや他の犬と調和しやすい性格を持つが、飼い主の適切な指導と環境づくりが鍵」といえます。家庭内に子どもがいる場合も、多頭飼育を考える場合も、犬が安心して過ごせる空間とルールを整えてあげれば、その明るくフレンドリーな性格は存分に発揮され、家族全体に笑顔をもたらす存在となるでしょう。

運動量の多さ

ボストン・テリアは小型から中型に分類される犬種でありながら、その活発で遊び好きな性格から、意外と多くの運動を必要とする犬として知られています。とはいえ、同じ短頭種のフレンチ・ブルドッグやパグに比べると、持久力や敏捷性に優れ、運動面ではややエネルギッシュな傾向があります。ただし、体の構造上、過度な運動や高温環境下での活動には制限があるため、そのバランスを取ることが飼い主に求められる大切なポイントとなります。

まず、ボストン・テリアが必要とする運動量についてですが、一般的には1日合計で30分から1時間程度の散歩や遊びが目安とされています。ただ歩くだけの散歩にとどまらず、時には小走りを取り入れたり、ボール遊びやフリスビーなどの遊びを加えることで、心身ともに満足させることができます。知能が高いため、単調な運動だけでは飽きやすく、運動と知育を組み合わせることが効果的です。例えば、散歩中に「おすわり」「まて」などの簡単なコマンドを組み合わせたり、障害物を使って軽いアジリティのような動きを取り入れると、犬にとっても良い刺激となります。

ボストン・テリアは筋肉質でがっしりした体つきを持ち、短い四肢ながらも力強い動きを見せます。そのため、短時間のダッシュや引っ張りっこなどの瞬発力を必要とする運動を好みます。庭がある家庭では、短い距離を全力で走らせる遊びを取り入れるとよいでしょう。ただし、長距離のランニングや山登りといった持久力を要する運動には向いていません。特に短頭種特有の呼吸器の弱さから、無理に走らせると呼吸困難や熱中症につながる危険があるため注意が必要です。

遊び好きな性格を持つため、室内でも十分な運動を確保できるのがボストン・テリアの特徴です。アパートやマンションなど広い庭を持たない環境でも、室内での追いかけっこやおもちゃ遊びで運動不足を補うことができます。特に知育玩具やフードディスペンサーを利用すると、遊びながら頭と体を同時に使うことができ、短時間でも高い満足感を得られます。飼い主と一緒に遊ぶことを強く望む犬種でもあるため、ボストン・テリアにとっては「運動=飼い主とのコミュニケーション」の時間ともいえるでしょう。

ただし、ボストン・テリアは体が小さいため、過剰な運動は関節や心肺機能への負担になります。特に成長期の子犬においては、過度なジャンプや段差の昇降は膝や股関節に悪影響を与える可能性があるため、遊ばせ方には工夫が必要です。また、太りやすい体質を持つため、運動不足は肥満につながり、結果として呼吸器や関節への負担を増大させます。適切な食事管理と併せて、日常的な運動の習慣を持たせることが長期的な健康維持に直結します。

気候条件も運動管理に大きな影響を与えます。短頭種であるボストン・テリアは暑さに弱いため、夏場の散歩は必ず早朝や夕方の涼しい時間帯に行うことが重要です。日中の炎天下での運動は避け、日陰のあるルートを選ぶ、給水をこまめに行うなどの工夫が求められます。冬場は逆に寒さで関節が硬くなることもあるため、短時間でも外に出て体を動かすことが推奨されます。

総合すると、ボストン・テリアは「中程度以上の運動量を必要とし、運動の質や方法に工夫が求められる犬種」といえます。持ち前の明るさと遊び好きな性格を活かし、飼い主と一緒に楽しめる運動を日課にすることで、心身ともに健やかに過ごすことができるでしょう。そして、単なる体力消耗のための運動ではなく、生活の一部として「遊びと絆を深める時間」として捉えることが、ボストン・テリアにとって理想的な運動習慣といえます。

体の特徴・被毛・毛色の特徴

ボストン・テリアは、小型から中型に分類される犬種の中でも非常に特徴的な外見を持ち、「アメリカン・ジェントルマン」という愛称で知られています。この呼び名は性格の穏やかさや礼儀正しさを表現するだけでなく、タキシードを着ているように見える独特の毛色と体型に由来します。そのコンパクトでバランスの取れた体格、表情豊かな顔立ちは、多くの愛犬家にとって大きな魅力となっています。

まず体の大きさについてですが、ボストン・テリアは成犬になると体重が4.5kgから11kg程度、体高は約38cmから43cm程度に収まります。体重によってクラス分けされることがあり、小ぶりな個体は抱きやすく室内飼育に向いており、大きめの個体はよりしっかりとした存在感を持ちます。体型は筋肉質で引き締まっており、小さな体にエネルギーが凝縮された印象を与えます。胸は深く張りがあり、四肢は短めながらも力強く、運動能力に優れています。

顔の特徴としては、短頭種らしい平らで丸みを帯びた頭部と、やや大きめの立ち耳が目を引きます。目は丸く大きく、感情が表れやすいことから「人間のような表情をする」と形容されることも多いです。黒目がちな目で飼い主をじっと見つめる姿は、ボストン・テリアならではの魅力といえるでしょう。鼻は短く、鼻孔も小さいため、呼吸器の弱さにつながることがありますが、その一方で愛らしさを強調する特徴にもなっています。

被毛は短く滑らかで、手触りはサテンのように光沢があります。抜け毛は比較的少なめで、日常的な手入れも容易です。週に1~2回程度ブラッシングを行えば十分清潔さを保て、室内飼育に適した犬種といえるでしょう。また、短毛ゆえに独特の匂いも少なく、犬を初めて飼う人にとっても扱いやすい被毛のタイプです。ただし、被毛が短いために寒さには弱く、冬場は洋服や室内の温度管理で補ってあげる必要があります。

毛色に関しては、ボストン・テリアならではの「タキシードパターン」が最大の特徴です。代表的なカラーは以下の3種類です。

1. ブラック&ホワイト
2. ブリンドル&ホワイト
3. シール(濃い茶色に見える黒)&ホワイト

これらはいずれもホワイトのマーキングが入ることが基準とされており、胸、顔の中央(ブレーズ)、四肢に白が入ることで、まるで正装をしているかのような印象を与えます。この均整の取れた模様は、ボストン・テリアを他の犬種と明確に区別するポイントであり、世界的にも高く評価されています。特に顔のブレーズの入り方や胸の白斑の形は個体ごとに異なり、そこに個性が表れる部分でもあります。

尾は短く、自然に短い形状を持つものが理想とされています。断尾が一般的であった時代もありますが、現在では自然の尾を持つことがスタンダードとなっており、ねじれたり曲がったりせず、まっすぐで短い尾が望ましいとされています。

体の特徴として忘れてはならないのが、全体の「バランスの良さ」です。ボストン・テリアは、過剰に短頭化していない点や、軽快で調和の取れた体格によって、短頭種の中では比較的運動能力に優れた犬種とされています。ドッグショーなどにおいても、このバランスの良さが高く評価される基準となります。

総合的に見ると、ボストン・テリアは「小型でありながら堂々とした存在感を持ち、エレガントさと愛らしさを兼ね備えた外見」を特徴とする犬種といえます。コンパクトな体に筋肉質な力強さを備え、短毛で手入れが容易、さらに独特のタキシード模様によって、唯一無二の魅力を放っています。こうした体の特徴は、単に外見的な美しさにとどまらず、家庭犬としての飼いやすさや親しみやすさにもつながっているのです。

里親・ブリーダー・値段

ボストン・テリアは、その愛らしい外見と家庭犬としての扱いやすさから、世界的に高い人気を誇る犬種です。日本国内においても安定した需要があり、ペットショップやブリーダーから入手するケースのほか、動物保護団体や個人の里親募集を通じて迎える方法も存在します。ここでは、それぞれの入手方法と価格相場、注意点について詳しく解説していきます。

まず、ブリーダーから迎える場合についてです。ボストン・テリアは人気犬種の一つであり、専門のブリーダーも各地に存在します。ブリーダーからの購入価格は、一般的に20万円から40万円程度が相場となります。価格の幅は、血統、毛色の模様の美しさ、親犬のショーでの実績、健康状態などによって左右されます。特に、理想的なタキシード模様を持ち、両親がチャンピオン犬である子犬は、40万円を超えることもあります。信頼できるブリーダーは、子犬の社会化や健康管理に力を入れており、呼吸器や関節などボストン・テリア特有の弱点に配慮した繁殖を心がけています。そのため、将来的な病気リスクを減らす意味でも、しっかりとブリーダーを選ぶことが重要です。

次に、ペットショップを通じての購入も広く行われています。ペットショップでは比較的手軽に子犬と出会える利点がありますが、すべての個体が十分に社会化されているとは限りません。また、繁殖環境や親犬の健康状態が確認できないケースもあるため、購入を検討する際には慎重な判断が必要です。近年では、ショップ側も信頼できるブリーダーから仕入れる取り組みを進めていますが、飼い主側が情報を確認する姿勢が欠かせません。

一方、里親制度を利用して迎える選択肢もあります。動物保護団体や個人による里親募集では、飼育放棄や繁殖引退犬、迷子で保護された犬などが新しい家族を探しています。ボストン・テリアは人気が高いため、里親募集が出るとすぐに希望者が集まる傾向があります。譲渡費用はワクチン接種や避妊去勢手術、医療ケアにかかった実費分として数万円程度が一般的です。里親制度の利点は、成犬やシニア犬を迎えられる点にあります。子犬と違い性格がある程度分かっているため、自分の家庭に合うかどうか判断しやすいというメリットがあります。ただし、過去に十分なケアを受けられなかった犬の場合、健康上の問題や分離不安を抱えていることもあり、それを理解し受け入れる姿勢が求められます。

迎え入れる費用だけでなく、その後の維持費についても考慮する必要があります。ボストン・テリアは小型犬ですが、医療面でのケアが必要になることが多いため、年間の医療費は一般的な小型犬より高めになる場合があります。加えて、フード代、ワクチン、フィラリア予防、トリミングはほとんど不要ですがシャンプーやケア用品なども含めると、年間で10万~20万円程度は見込むべきでしょう。特に呼吸器や目の病気、関節トラブルなどは突然の手術や通院が必要になることもあるため、ペット保険への加入を検討しておくと安心です。

ブリーダーや里親を選ぶ際には、「犬の利益を第一に考えているかどうか」を見極めることが大切です。信頼できるブリーダーは、犬舎を見学させてくれたり、親犬の健康証明を提示してくれるなど、透明性を持った対応をします。里親募集の場合も、譲渡前に面談やトライアル期間を設けるなど、飼い主と犬が本当に合うかどうかを大切にする団体を選ぶべきです。

総合的に見ると、ボストン・テリアは人気が高いため入手自体は難しくありませんが、どのルートから迎えるにせよ、犬の健康や性格に配慮してくれる相手を選ぶことが何よりも大切です。そして、迎えた後は一生涯にわたって責任を持ち、医療費や生活費も含めて「犬と暮らす現実」を受け入れる準備が必要です。タキシードをまとった小さな紳士であるボストン・テリアは、正しく迎え、正しく育てることで、家族にとってかけがえのない存在となるでしょう。

ボストン・テリアの動画集

[再生は画像をクリック]

ボストン・テリアの動画 その1

ボストン・テリアの動画 その2

ボストン・テリアの動画 その3

ボストン・テリアの人気インスタグラマーご紹介


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