キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、原産国イギリスとする犬種です。
歴史としては、18世紀頃の中世のイギリス王室において小型のスパニエル犬種を飼うのが習慣となっており、 この小型のスパニエル犬(正確には、トイ・スパニエル)が起源となります。
直接は、当時のイギリス国王チャールズ一世・チャールズ二世に寵愛を受けていた小型のスパニエル犬 (トイ・スパニエル)が起源となっています。
19世紀に、東洋からヨーロッパに短頭種の犬種がいくつか入ってくるようになり、短頭種の犬が大流行しました。
そこで、チャールズ二世が飼っていた、この小型のスパニエル犬(トイ・スパニエル)も短頭種と配合され、 短頭の犬種に改良されました。この犬種が今のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの前身になっており、 当時はキング・チャールズ・スパニエルと呼ばれていました。
その後、この短頭種へ改良されたスパニエル犬である『キング・チャールズ・スパニエル』が、 無理な繁殖をしたことが要因で健康的に不安定な犬種になってしまったことから、 再び、元の鼻が長い犬種に戻そうという動きが20世紀になって起こり、 アメリカの富豪ロズウェル・エルドリッジ氏の援助もあって活発になりました。
その運動の成果として、このスパニエル犬(キング・チャールズ・スパニエル)を、 再び鼻の長い犬種へ改良することに成功し、現在のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルが誕生しました。 また、その際には、体格も改良し、一回り大きくされています。
なお、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは通称キャバリアとも呼ばれますが、 この『キャバリア』は、『中世の騎士』という意味の言葉で、優雅で凛々しい雰囲気と、 勇敢な犬種であってほしいという想いがこめられ、由来しています。
そして、『キング・チャールズ』という名前は、ご想像つく通り、 そのイギリス国王のチャールズ二世から由来しています。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、英国王室に愛された歴史を持ち、人懐こく優雅な性格で知られています。
この犬種は一般的に飼い主に対して強い愛着を示し、家族と共に過ごす時間を大切にする傾向があるため、しつけに取り組む際にも「飼い主と一緒に何かをする」こと自体を楽しんでくれることが多いです。そのため、基本的には初心者でも比較的扱いやすい犬種に分類されます。ただし、注意すべき性質や工夫すべき点もあります。
まず大きな特長は「学習意欲の高さ」と「従順さ」です。キャバリアは、飼い主の声や表情に敏感に反応し、指示を理解しようと努めます。このため、褒められる経験を積み重ねることで、座れ・待て・おいでといった基本的なしつけはスムーズに習得できます。おやつを使ったトレーニングも有効ですが、この犬種は食欲旺盛で太りやすい体質を持っているため、与える量には注意が必要です。ご褒美をフードからおもちゃや声かけに切り替える工夫を取り入れると、健康を守りながらしつけを続けやすくなります。
一方で、キャバリアは感受性が強く、厳しい口調や叱責を繰り返すと、かえって委縮してしまい学習が進まなくなることがあります。繊細さゆえに「褒める教育」がより効果的であり、正しい行動をしたときにすぐ褒めることが成功の鍵となります。また、子犬の頃から社会化を意識してさまざまな音や人、環境に慣らしてあげると、将来的に落ち着いた家庭犬として過ごしやすくなります。
しつけの中で特に注意したいのが「分離不安」への対処です。キャバリアは飼い主と一緒にいる時間を好むため、長時間の留守番が続くと強い不安を感じ、吠えたり家具を噛んだりする行動が出ることがあります。これを防ぐには、子犬の頃から短時間の留守番を練習し、「飼い主は必ず戻ってくる」と安心させる経験を積ませることが重要です。留守番中には知育玩具やおやつ入りトイを与えることで、ポジティブな時間に変えてあげる工夫も効果的です。
また、キャバリアは狩猟犬スパニエルの血を受け継いでいるため、好奇心旺盛で時に小動物を追いかける衝動を見せることもあります。散歩中の呼び戻し(おいで)のトレーニングをしっかり身につけさせておかないと、思わぬ事故につながる危険があります。屋外では必ずリードをつけ、安全な環境で練習を重ねることが大切です。
総じて、キャバリアは「飼い主と一緒に取り組むことが大好き」「褒められることで伸びる」という長所を活かせば、しつけは非常にやりやすい犬種です。ただし、食欲旺盛で太りやすいこと、分離不安を抱えやすいこと、狩猟本能の名残があることなど、犬種特有の注意点も理解して向き合う必要があります。愛情を持って一貫性のあるしつけを心がければ、家族にとって理想的なパートナーとして成長してくれるでしょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、その優雅な見た目と同じくらい穏やかで柔らかな気質を持ち合わせた犬種として知られています。歴史的に王侯貴族の家庭で愛玩犬として育てられてきた背景から、人に寄り添うことを何よりも喜びと感じる性格をしています。そのため、一般的に攻撃性は極めて低く、家族はもちろん見知らぬ人や他の犬に対してもフレンドリーな態度を示すことが多いです。家庭犬としての適性は非常に高く、初めて犬を迎える方にも安心して勧められる犬種のひとつです。
まず特筆すべきは「愛情深さ」と「社交性」です。キャバリアは家族と過ごす時間を何よりも大切にし、抱っこや撫でられることを心から楽しみます。人間の感情に敏感で、飼い主が落ち込んでいるとそっと寄り添い、喜んでいると一緒に喜ぶような共感力を発揮する場面も多く見られます。この共感力の高さは、セラピードッグとしても適していると言われる所以です。また、来客に対しても臆病さや警戒心を過度に示すことは少なく、尻尾を振って歓迎する様子がよく見られます。
次に「穏やかさ」と「順応性の高さ」もこの犬種の魅力です。活発さも持ち合わせていますが、過度にハイテンションになったり、制御不能なほど興奮することは少なく、家庭の生活リズムに合わせて柔軟に行動します。小さな子どもと遊ぶ際にも力加減を覚えやすく、優しく接することができる点も安心材料です。一方で、その従順さとおっとりした性格ゆえに、長時間一人で過ごすことや、家族からの関心が薄い環境にはあまり適していません。孤独を感じやすく、寂しさから問題行動につながる場合もあるため、愛情を注ぎ、スキンシップを大切にすることが求められます。
性格面で忘れてはならないのが「スパニエルらしい好奇心と遊び好き」です。キャバリアは基本的に穏やかですが、外に出れば自然や動くものに興味を示し、草むらを探索したり小動物を追いかけようとする場面も見られます。これはスパニエルの猟犬としての本能の名残であり、決して攻撃的という意味ではありません。家庭内では穏やかで甘えん坊、外では活発で冒険好きという二面性があり、このバランスがキャバリアの大きな魅力となっています。
また、キャバリアは他の犬種に比べて吠え癖が少ない傾向にあります。番犬としては向かないものの、都会の住宅環境や集合住宅でも比較的飼いやすいと評価されています。吠える場合も、強い警戒心からというよりは「遊んでほしい」「かまってほしい」といった欲求表現が中心です。そのため、適切な関わりと日々のコミュニケーションによって、不要な吠えを抑えることは難しくありません。
総じてキャバリアの性格は、「愛情深い」「穏やか」「社交的」であり、家庭犬として理想的な要素を多く持ち合わせています。ただし、その柔らかな気質ゆえに「孤独に弱い」という側面もあるため、一緒に過ごす時間を大切にできる家庭に特に適した犬種だと言えるでしょう。愛情を持って接することで、家族の心を豊かにするかけがえのない存在となってくれるはずです。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、その可憐な外見や穏やかな性格から多くの愛犬家に支持されている一方で、遺伝的にかかりやすい病気が比較的多い犬種としても知られています。これは、長い歴史の中で限られた血統で繁殖されてきたことや、小型犬特有の体質が影響していると考えられます。そのため、キャバリアを迎えるにあたっては、健康面での知識と予防の意識をしっかり持つことが非常に重要です。
まず最も注意すべき病気として挙げられるのが「僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)」です。キャバリアはこの病気の好発犬種として知られており、中年齢以降になると心雑音が聞こえる個体が非常に多く見られます。僧帽弁閉鎖不全症は心臓の弁が正常に閉じなくなり、血液が逆流して心臓に負担をかける病気です。進行すると咳や呼吸困難、運動を嫌がるといった症状が出てきます。完全に防ぐことは難しいものの、定期的な心臓検診(聴診、超音波検査)によって早期発見し、薬で進行を遅らせることが可能です。
次に注意すべきは「脊髄空洞症(シリんごマイリアとも呼ばれる神経疾患)」です。これは脳や脊髄の構造上の異常によって、神経に液体が溜まり、痛みや麻痺が生じる病気です。キャバリアでは比較的発症率が高いとされており、特に頭や首を触るのを嫌がる、急にキャンと鳴く、後ろ足のふらつきなどの症状が見られる場合には注意が必要です。根治は難しい病気ですが、投薬や生活環境の工夫によって苦痛を和らげることが可能です。
さらに「耳の病気」にもかかりやすい傾向があります。キャバリアは長く垂れた耳を持っているため、通気性が悪く耳の中が蒸れやすくなり、中耳炎や外耳炎が起こりやすいのです。特に湿度の高い日本の環境では注意が必要で、定期的な耳掃除や通気性の確保が健康維持の鍵となります。耳を掻く、頭を振るといった仕草が増えた場合は早めに動物病院で診てもらうことが望ましいです。
また、キャバリアは「眼の病気」にも注意が必要です。白内障、角膜潰瘍、乾性角結膜炎(ドライアイ)などが発症しやすく、特に加齢とともにリスクは高まります。大きな丸い目は愛らしい特徴ですが、同時にデリケートで傷つきやすいため、散歩中に草や枝で目を傷つけないよう注意が必要です。
運動器の病気としては「膝蓋骨脱臼」が比較的多く見られます。小型犬全般に多い病気で、膝のお皿がずれてしまうことにより足を引きずったり、急にスキップするような歩き方をしたりします。軽度の場合は様子を見ながら生活できますが、重度になると外科手術が必要になることもあります。フローリングでの滑りやすさや肥満が悪化要因となるため、滑り止めマットの設置や体重管理が予防に有効です。
寿命については、キャバリアの平均寿命はおよそ10〜14年とされています。小型犬の中ではやや短めの部類に入りますが、これは先述した心臓病の影響が大きいとされています。ただし、近年は獣医療の進歩や飼育環境の改善により、15歳前後まで元気に暮らすキャバリアも珍しくなくなっています。健康寿命を伸ばすためには、定期健診を欠かさず行い、早期に病気を発見して適切に対応することが重要です。
まとめると、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは病気に対してやや弱い側面を持ち、特に心臓・神経・耳・目・関節といった分野で注意が必要です。しかし、それを理由に飼うのをためらう必要はなく、むしろ「健康管理に手をかけることで長く良好な関係を築ける犬種」と捉えるのが適切です。病気に気づいたときの対処法や予防策を学び、日々のケアを続けることで、キャバリアは愛らしい性格と共に長く家族を支えてくれる存在となるでしょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、その温厚で人懐こい性格から、他の犬や子どもとの同居に非常に適した犬種として高く評価されています。攻撃性が低く、柔らかな気質を持っているため、家庭内に複数のペットや小さな子どもがいる環境でも調和を保ちやすいのが大きな特徴です。ただし、安心して同居生活を送るためには、キャバリアの性質を理解し、それぞれの関係を無理なく築けるように配慮することが必要です。
まず「他の犬との相性」について見ていきましょう。キャバリアは基本的に社交性が高く、犬同士の関係を築くのが得意です。ドッグランなどでもフレンドリーに接することが多く、初対面の犬に対しても臆病になりすぎず、かといって過剰に挑発することも少ないバランスの取れた態度を見せます。こうした穏やかさは、多頭飼育を考えている家庭にとって大きな安心材料です。ただし、相手の犬が強い主張をするタイプだったり、攻撃的な気質を持っていたりすると、キャバリアは争いを避けるためにストレスを抱え込んでしまうことがあります。したがって、新しい犬を迎える際には、相性をじっくり確認し、無理のない距離感を保つように心がけることが大切です。
また、キャバリアは食欲旺盛であることから、多頭飼いの場合には食事の時間にトラブルが起きやすい点に注意が必要です。他の犬のご飯を横取りしようとすることがあるため、それぞれ個別に与えたり、仕切りを利用するなどの工夫を取り入れると良いでしょう。こうした管理を徹底すれば、基本的には他犬と仲良く暮らすことができる犬種です。
次に「子どもとの同居」についてですが、キャバリアは家庭犬として理想的な気質を持っています。小さな子どもに対しても寛容で、抱っこされたり撫でられたりすることを嫌がりにくいため、家族の一員として自然に溶け込むことができます。特に子どもが遊び相手を欲しがる年齢では、キャバリアの遊び好きで明るい性格が相性よく働きます。ただし、犬にとって無邪気な子どもの行動は時に過度な刺激になることがあります。乱暴に抱きついたり耳を引っ張ったりすると、キャバリア自身は我慢してしまうことが多いのですが、それがストレスとなり心身に影響する可能性も否定できません。したがって、子どもに対しては「犬を優しく扱うこと」をしっかり教え、犬にとっても快適な環境を守ることが大切です。
さらに、キャバリアは「共感力が高い」性質を持っているため、家庭内の雰囲気に敏感です。子どもの笑い声や遊びの声には元気に反応し、一緒に楽しもうとする姿を見せますが、大きな怒鳴り声やケンカのような場面では不安を抱きやすくなります。この点を理解して、安心できる居場所を確保してあげることが重要です。例えばリビングの片隅にベッドやクレートを置き、子どもが元気に遊んでいる間も「自分の落ち着ける場所」があるようにしてあげると安心感を得られます。
他の小動物との相性についても触れておきましょう。キャバリアは狩猟犬スパニエルの血を引いているため、小鳥や小型げっ歯類などを追いかけようとすることがあります。そのため、ウサギやハムスターなどと同居させる場合には、接触の場面を十分に管理する必要があります。一方で、猫との同居は比較的うまくいくケースが多く、子猫時代から一緒に育てると良好な関係を築くことができます。
総じて、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは「他の犬や子どもと非常に相性の良い犬種」であると言えます。ただし、その優しさゆえにストレスを抱え込みやすい側面があるため、同居相手の性格や行動を観察しながら、無理のない環境づくりを心がけることが必要です。適切な関わりと配慮を加えれば、キャバリアは家族全員に愛情を注ぎ、調和の取れた家庭生活を支えてくれるでしょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、一見すると穏やかで抱っこされるのを好む愛玩犬のイメージが強いですが、そのルーツを辿れば「スパニエル系の小型猟犬」であり、外で活動することを本能的に好む犬種です。そのため、見た目以上に運動量は必要であり、健康維持と精神的な満足のためにも毎日の散歩や適度な遊びは欠かせません。ただし、ボーダー・コリーやジャック・ラッセル・テリアのように「絶えず動き続けたい」タイプではなく、適度な運動で十分満たされる点がキャバリアの特徴です。
まず基本的な運動量について。キャバリアに必要な散歩時間は、1日2回、各30分から1時間程度が理想とされています。これは単なる排泄のための外出ではなく、周囲の匂いを嗅いだり景色を眺めたりする「心の刺激」としての役割も大きいです。特にキャバリアは嗅覚が優れており、散歩中に草むらや地面の匂いを熱心に追いかける姿がよく見られます。こうした行動は本能に根ざしたものであり、精神的満足を得るために欠かせないものです。したがって、時間の長さだけでなく「自由に探索させる散歩」を意識することが大切です。
次に、キャバリアの運動において注意すべきは「遊び好きな一面を活かすこと」です。ボール遊びや引っ張りっこ、簡単な知育玩具を使った遊びは、運動不足の解消だけでなく飼い主との絆を深める機会にもなります。特にキャバリアは飼い主と一緒に行う活動を強く好むため、単に庭に放して自由に遊ばせるよりも「一緒に遊ぶ」ことで心身が満たされやすい傾向にあります。また、室内でも短い時間でできる遊びを取り入れることで、雨の日や暑い日でも運動不足を防ぐことができます。
ただし、キャバリアは小型犬でありながら関節や心臓に弱点を抱えやすいため、過度な運動は禁物です。長距離のランニングや激しいジャンプを繰り返す遊びは膝や腰に負担をかける可能性があります。また、心臓病を抱えている個体では激しい運動が症状を悪化させることがあるため、獣医師の指導のもとで運動量を調整する必要があります。特に夏場の暑さには弱く、熱中症のリスクが高いため、散歩は朝晩の涼しい時間帯を選ぶようにしましょう。
さらに、運動量の多さを考えるうえで「肥満予防」の観点は欠かせません。キャバリアは食欲旺盛で、欲しがるままに与えているとすぐに体重が増えてしまいます。肥満は心臓病や関節疾患を悪化させる大きな要因となるため、適切な運動と食事管理を両立させることが重要です。散歩や遊びでカロリーを消費することは、健康維持と同時にストレス発散の意味でも大きな役割を果たします。
精神的な側面から見ても、運動は欠かせません。キャバリアは人と一緒に過ごすことを好むため、散歩を通して飼い主と関わる時間が長いほど心が安定します。逆に、散歩が不十分で刺激の少ない生活が続くと、退屈から吠えや破壊行動といった問題行動が出ることもあります。つまり運動は単なる体力維持ではなく「心を満たす活動」でもあるのです。
総合すると、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの運動量は「中程度」と表現できます。大型の猟犬ほどの運動量は必要としませんが、完全な室内犬として最低限の散歩しか行わない生活では健康・精神面ともに不十分です。毎日の散歩と遊びを通じて、心身ともに満たされる環境を整えることが、キャバリアの健やかな暮らしを支える大きなポイントです。愛情を込めて適度な運動を取り入れれば、この犬種は穏やかで満ち足りた表情を見せてくれるでしょう。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、英国の宮廷で愛されてきた歴史を持ち、その優雅で気品ある姿は世界中の愛犬家を魅了してきました。体格や被毛、毛色の特徴は、まさに「愛玩犬」としての美しさと「小型スパニエル」としての実用性を併せ持っています。ここでは、キャバリアの外見的特徴を詳しく掘り下げて解説していきましょう。
まず体格について。キャバリアは小型犬に分類され、体高はおおよそ30〜33センチ、体重は5.5〜8キログラム程度が標準とされています。コンパクトながら骨格はしっかりしており、華奢すぎる印象はありません。体つきはバランスがよく、胸も適度に深いため、運動能力や持久力も備えています。抱きやすいサイズでありながら、外で元気に走り回れる丈夫さを持っていることが、この犬種の大きな魅力です。
次に頭部の特徴です。キャバリアの顔は「優しい表情」と「大きく丸い目」が最大の特徴です。その瞳は黒く輝き、潤んだような愛らしさを見せ、見る人の心を引きつけます。優しく、どこか哀愁を帯びた表情は「犬界の貴公子」とも称されるほどです。マズル(口先)は短すぎず、適度な長さを持ち、鼻筋はまっすぐ。耳は長く垂れ下がり、豊かな飾り毛で覆われています。これらの要素が組み合わさることで、上品で愛らしい容姿が完成しています。
被毛については、シルキーでややウェーブがかった直毛に近い毛質を持ち、触れると非常に柔らかいのが特徴です。長さは中程度からやや長めで、耳、胸、脚、尾には特に豊かな飾り毛(フリンジ)が見られます。この飾り毛がキャバリアの優雅さを際立たせており、歩く姿や走る姿に華やかさを添えます。被毛はシングルコートに近く、ダブルコート犬種ほどの厚みはありませんが、それでも一定の換毛期は存在し、日常的なブラッシングが欠かせません。
毛色のバリエーションもキャバリアの大きな魅力の一つです。公式に認められている毛色は大きく4種類あります。
1. **ブレンハイム(Blenheim)**:白地に栗色の模様が入った最も代表的なカラーで、特に額にある「ブレンハイム・スポット(ルビー色の点)」はチャームポイントとされています。
2. **トライカラー(Tricolour)**:白地に黒の斑と茶色のポイントが入る3色の組み合わせ。顔の眉や頬にある茶色のマーキングが特徴的です。
3. **ルビー(Ruby)**:全身が濃い赤茶色で覆われた単色。華やかさと気品を併せ持つカラーです。
4. **ブラック&タン(Black & Tan)**:黒を基調とし、眉や胸、脚にくっきりとしたタン(黄褐色)のポイントが入ります。コントラストが美しく、精悍な印象を与えます。
これらはいずれもキャバリアらしい魅力を持ち、飼い主の好みによって選ばれることが多いです。中でもブレンハイムは最も人気が高く、キャバリアを象徴する毛色と言えるでしょう。
手入れの面では、毛並みの美しさを保つために週数回のブラッシングが推奨されます。特に耳や脚の飾り毛は絡まりやすいため、丁寧にとかす必要があります。また、耳が垂れているため通気が悪く、蒸れやすい点から耳のケアも欠かせません。シャンプーは月に1回程度が目安ですが、毛の状態や生活環境に応じて調整すると良いでしょう。
全体として、キャバリアの体の特徴は「小型犬らしい可愛らしさ」と「スパニエルらしい気品」の両方を兼ね備えており、家庭犬としても伴侶犬としても理想的な外見を持っています。その柔らかな被毛と愛らしい表情は、多くの人に癒しを与えると同時に、手入れを通して飼い主と犬との絆を深める時間にもつながります。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルを迎える方法としては、大きく分けて「ブリーダーから購入する」「ペットショップから購入する」「保護犬や里親募集から迎える」の3つが考えられます。それぞれに特徴があり、またキャバリア特有の健康面の注意点を考慮する必要があるため、どの方法が自分や家族に合っているのかをよく検討することが大切です。
まず「ブリーダーから迎える」方法について。キャバリアは人気犬種であり、日本国内でも専門のブリーダーが存在します。信頼できるブリーダーは、遺伝性疾患への配慮を行い、親犬の健康状態を検査した上で繁殖を行っています。特にキャバリアは僧帽弁閉鎖不全症や脊髄空洞症などの遺伝的な病気が多いため、健康検査をきちんと行っているかどうかが重要な判断基準となります。ブリーダーから迎える場合、子犬の両親の健康履歴や性格を知ることができ、社会化の初期段階も丁寧にされているケースが多いため、安心して迎えやすい点が大きなメリットです。
価格帯については、キャバリアの子犬は一般的に **20万〜40万円程度** が相場とされています。ただし、毛色や血統、ショータイプかどうかによっても価格は大きく変動します。特に人気のブレンハイムや希少なルビーは高値になる傾向があり、ショータイプやチャンピオン犬の血を引いている場合は50万円を超えることもあります。一方で、家庭犬タイプであれば比較的手頃な価格で迎えられるケースもあります。
「ペットショップから迎える」方法も一般的ですが、キャバリアの場合は慎重に考える必要があります。なぜなら、ペットショップでは親犬の健康状態や繁殖環境が不透明であることが多く、遺伝性疾患のリスクを十分に回避できない場合があるからです。もちろん全てのペットショップが問題を抱えているわけではありませんが、キャバリアの健康リスクを理解した上で、販売元に詳細を確認する姿勢が重要です。
次に「保護犬や里親募集から迎える」方法です。キャバリアは人気犬種である一方、心臓病などの医療費がかかるため、飼い主が飼育を続けられず保護に至るケースも少なくありません。そのため、動物愛護団体や里親募集サイトでキャバリアが紹介されていることがあります。保護犬を迎える場合、成犬やシニア犬であることが多いため、子犬のようなしつけの大変さが少ない一方で、すでに病気を抱えている可能性もあります。医療費や介護を含めて受け入れる覚悟が必要ですが、保護犬を迎えることは命を救う大切な選択であり、深い絆を築くことができるという大きな喜びも得られます。
また、キャバリアのように健康上のリスクが多い犬種の場合、「迎える前にかかりつけ獣医を見つけておく」ことも大切です。購入や譲渡の段階では元気に見えても、年齢を重ねるごとに心臓病や神経疾患の兆候が出ることは珍しくありません。定期健診をしっかり行える環境を整えることで、安心して暮らすことができます。
まとめると、キャバリアを迎える方法にはいくつか選択肢があり、それぞれにメリットとリスクがあります。ブリーダーから迎える場合は健康管理が徹底されているかを確認し、ペットショップから迎える場合は出自を慎重に調べることが重要です。里親として保護犬を迎える場合は、医療費や介護への覚悟が求められる一方で、命を救う意義と深い愛情が得られます。いずれの方法を選ぶにせよ、キャバリアという犬種が持つ特性や健康面のリスクを理解し、最後まで責任を持って愛情深く育てることが、最も大切なポイントです。
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こんにちは。3歳のキャバリアを飼っています。
毎日のブラッシングで困っていて、同じような経験をされた方がいらっしゃったら、アドバイスをいただきたいと思い、投稿させていただきました。
うちの子は長毛種なので、毎日のブラッシングが欠かせないのですが、最近になってブラッシングを極端に嫌がるようになってしまいました。ブラシを持っているの
.......(続きはここをクリック)朝になると、リビングでカタカタとフローリングを歩く音がして、それと一緒に「ごはんまだ~?」って目線をバシバシ感じながら一日がはじまります。キャバリアのおっとりした表情と、朝のちょっとした甘えた声で「おなかすいたよ」とアピールされると、ほんとうに癒される半面、毎朝のごはんの時間ってこれでいいのかなぁ…と密かな悩みをもっています。
我が家
.......(続きはここをクリック)キャバリアを飼い始めてから、毎日のお世話で悩むことがいろいろと出てきました。その中でも特に気になっているのがシャンプーやブラッシングの頻度についてです。キャバリアは被毛が長めで柔らかい毛質をしているので、他の犬種よりもお手入れが大事なのかなと感じています。
ただ、どのくらいの間隔でシャンプーをしたらいいのか、またブラッシングは毎日しなけれ
初めて投稿させていただきます。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルと暮らしているんですが、おもちゃ選びで悩んでいます。ペットショップに行っても種類が多すぎて何を選べばいいのか分からず、皆さんの経験談をお聞かせいただけたらと思います。
まず、うちの子の性格なんですが、とても穏やかで人懐っこく、でも時々すごく活発になることもあるんで
.......(続きはここをクリック)キャバリアを飼っています。最近、うちの子が足を舐め続けるのが気になって投稿させていただきました。
実は2週間くらい前から、右前足の指の間を頻繁に舐めるようになったんです。最初は気にしてなかったんですけど、だんだん舐める時間が長くなってきて。夜中も舐める音で目が覚めることがあるくらいです。
見た目は特に変わったところはないんですけ
.......(続きはここをクリック)こんにちは!キャバリア(1歳♂)を飼ってる25歳です😊 最近寒くなってきたので服を着せたいんですが、うちの子がどうしても脱ごうとしちゃって困ってます💦
着せた瞬間から落ち着きがなくなって、床を転げ回ったり、服を噛んで引っ張ったり...。せっかく可愛い服買ったのに、全然着てくれないんです😭
特に困るのが、お散歩の時🚶♀️ 寒いか
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