【頑固だけど味方にしたら強力な番犬、チャウチャウ】

チャウチャウの基本情報(性格・しつけ・病気など)

 
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チャウチャウ
[英記]:Chow Chow

    ◇基本データ
  • ・サイズ: 大型犬
  • ・体高:46cm~56cm
  • ・体重:20kg~30kg

  • ◇起源・歴史・沿革・系統:
  • チャウチャウは、中国の華北地方を原産とする犬種です。
    その起源は、現在でもはっきりとしていませんが、紀元前から存在していたのではないかと言われています。
    皇族や貴族によって、宮廷で飼われていたということも言われています。

    そして、チャウチャウの成立としては現在3つの説が存在しています。
    1つ目は、シベリア北部のツンドラ地帯で遊牧民と暮らしていたサモエドとチベット原産のチベタン・マスティフが交配されて誕生したという説。
    2つ目は、中国に紀元前から存在していた古代種の犬が始祖犬であるという説。
    3つ目は、中国の古代種の犬とチべタン・マスティフなどのいくつかの交配の結果として誕生したという説に、 それぞれ別れています。

    中国では、このチャウチャウを番犬や作業犬としてや、食用、 毛皮を採られる用の犬としても使われていた歴史があります。

    18世紀に入り、ヨーロッパを中心に輸出され始め、イギリスで改良されていきました。
    当時、イギリスにおいては、ビクトリア女王にも飼われており寵愛されていました。

    そして、家庭犬として世界へ普及していったのは20世紀に入ってからぐらいになります。

    また、体型的な特徴として、チャウチャウの象徴的なふわふわの被毛の他に、 日本犬の一種である北海道犬、チャウチャウと同じく中国原産のシャー・ペイといった、 ごく一部の犬種にも見られるような、舌が青黒い(紫)という珍しい特徴を持っています。

    もう一つ身体的な特徴として、チャウチャウは後ろ足がピンと伸びている点です。
    このため、歩く時の様子がぎこちない、若干ヨチヨチ歩きに見えたりもします。

    なお、これも特徴的な『チャウチャウ』という犬種名の由来ですが、諸説さまざまなものが存在します。
    一説によると、中国でソリを引くために使われていたことから、 中国語でソリを表す『チャウ』という言葉に由来しているのではないか、という説も言われています。
    また、中国からチャウチャウを輸入するために、イギリス商人が中国人とやり取りしていた際に 『その他の荷』を表す言葉を勘違いした、という説もあります。

    いずれにせよ、明確な名前の由来は現在もはっきりしていません。


    ◇こんなスタイルで犬を飼いたい方・こんな状況の方との相性Good!!
    ・珍しい犬種を選びたい
    ・頑固な性格もうまく付き合っていける
    ・番犬の役割を期待したい
    ・散歩などの運動量は少ないほうが良い
チャウチャウのメイン写真 チャウチャウの特徴評価グラフ

しつけのしやすさ

チャウチャウは、非常に独立心が強く、頑固な気質を持つ犬として知られています。そのため、一般的な家庭犬と比べると、しつけには相応の根気と工夫が必要です。チャウチャウは飼い主の指示に盲目的に従うタイプではなく、自分なりに状況を判断しようとする傾向があるため、いわゆる「従順さ」を前提にした訓練方法は通用しにくいことが多いのです。

まず理解しておきたいのは、チャウチャウは古代中国で番犬や狩猟犬として活躍してきた歴史を持つ犬種であるという点です。番犬としての役割から、警戒心や自立性が強く培われてきました。そのため、人間に対して「常に指示を仰ぐ存在」というよりも、「自分の判断で行動する」ことに適応してきたといえます。この特性が、しつけを難しいと感じさせる一因となっています。

しつけを行う際に重要なのは、チャウチャウにとって納得感のあるルールを提示し、一貫性を持って伝えることです。厳しい叱責や体罰を用いると、信頼関係を損なうだけでなく、かえって反発を招く危険があります。チャウチャウはプライドが高く、横暴な扱いには頑なに抵抗する場合が多いため、むしろ冷静さと忍耐が飼い主に求められます。報酬を用いたポジティブな強化法(おやつや褒め言葉、撫でること)を軸に、短時間で集中できるトレーニングを繰り返すのが効果的です。

また、チャウチャウは幼少期からの社会化が極めて重要です。子犬の頃にさまざまな人や犬、環境に慣らしておくことで、成犬になってからの警戒心や独善的な行動を抑えることができます。社会化不足のチャウチャウは頑固さが増し、他者に対して心を閉ざす傾向が強まってしまうため、できるだけ早期から多様な経験を積ませる必要があります。

飼い主のリーダーシップのあり方も、チャウチャウにとって大切です。ここでいうリーダーシップとは、威圧することではなく、安定した態度と公平なルールを示すことを指します。チャウチャウは知性が高いため、不安定で気まぐれな対応をするとすぐに信頼を失い、「従う必要はない」と判断してしまいます。逆に、一貫して落ち着いた態度を取り、安心できる存在として接することで、徐々に指示に耳を傾けるようになっていきます。

さらに、チャウチャウの学習意欲を引き出すには、単調な繰り返しではなく、変化を持たせる工夫が効果的です。知的な刺激を与えつつ、遊びを取り入れた訓練や、短い課題を積み重ねる方法が適しています。例えば、同じ「お座り」でも、場所やタイミングを変えて行うだけで新鮮さが生まれ、チャウチャウにとって飽きにくい練習になります。

総じて言えるのは、チャウチャウのしつけは「服従させる」のではなく、「理解し合う」姿勢が欠かせないということです。時間と手間はかかりますが、正しく信頼関係を築いたときに見せる落ち着きと安定感は、他の犬種にはない魅力でもあります。しつけにおいては短期的な成果を求めず、長い目で見て根気よく取り組むことが成功の鍵といえるでしょう。

気性の穏やかさ・性格

チャウチャウは一見するとぬいぐるみのような愛らしい見た目をしていますが、その性格は非常に独特です。多くの犬種のように人懐っこく、初対面の人に尻尾を振って駆け寄るタイプではなく、むしろ「自分からは簡単に心を開かない」慎重でプライドの高い犬だと言えます。その性格は猫のようと形容されることも多く、犬らしい従順さを期待すると拍子抜けするかもしれません。

まずチャウチャウの基本的な気質として挙げられるのは、落ち着きと独立心です。成犬になると特にこの傾向が強まり、感情を大きく表に出すことはあまりありません。嬉しい時に飛び跳ねたり、飼い主に過剰に甘えたりすることは少なく、常に一定の距離感を保ちながら生活する傾向があります。このため、控えめで落ち着いた生活を望む家庭には適していますが、常にスキンシップを求めたい飼い主には物足りなさを感じさせるかもしれません。

一方で、チャウチャウは飼い主に対して非常に忠実な一面を持っています。信頼関係を築いた相手に対しては、深い愛情を注ぎ、穏やかで落ち着いた態度を見せるようになります。ただし、その愛情表現は控えめで、尻尾を振って全身で喜びを表すというよりも、そっと傍に寄り添うような仕草で示されることが多いです。この慎ましさがチャウチャウの魅力のひとつでもあります。

また、警戒心が強い性格は番犬としての歴史に由来しています。縄張り意識がはっきりしており、見知らぬ人や動物に対しては無関心を装いながらも、実際には周囲をよく観察しており、怪しいと感じれば吠えて警戒を示すことがあります。ただし無闇に吠える犬ではなく、むしろ必要な場面にだけ吠えるタイプなので、都市部や集合住宅でも飼いやすい犬種のひとつとされています。

チャウチャウの性格で忘れてはならないのは頑固さです。自分の意思を強く持ち、納得できない状況では従おうとしません。これは訓練を難しくする要素である一方、正しく信頼を築けば「一度決めたことを守る律儀さ」にもつながります。たとえば、家庭内でのルールを理解すれば、それを乱すことなく落ち着いて過ごすことができます。この特性は、安定した生活環境を作りやすいという利点にもなります。

性格的にチャウチャウは大変落ち着いており、過剰に活発ではないため、静かな家庭環境を好む傾向があります。小さな子どもが常に走り回っているような家庭では、ややストレスを感じることもありますが、逆に落ち着いた大人の家庭や、ゆったりとした時間を楽しみたい飼い主には非常に良いパートナーとなるでしょう。

総じてチャウチャウの性格は「孤高で冷静、しかし深い愛情を秘めた犬」と言えます。派手な愛情表現や従順さを求めるのではなく、その独特の距離感を尊重しながら接することで、穏やかで落ち着いた同居生活を築くことができるのです。

病気・けがへの強さ・寿命

チャウチャウは見た目の印象から「丈夫そう」と思われることもありますが、実際にはいくつかの遺伝的・体質的な弱点を抱えやすい犬種です。寿命は平均して10~12年程度とされ、中型犬としてはやや短めの傾向があります。適切な健康管理を行えば長生きも十分可能ですが、特に注意が必要な病気やけがのリスクを理解しておくことが大切です。

まず代表的なのが「股関節形成不全」や「膝蓋骨脱臼」などの関節疾患です。チャウチャウは骨格がしっかりしているように見えますが、実際には股関節の形成異常を持つ個体が比較的多く、成長期に無理な運動をさせると症状が悪化することがあります。歩き方がぎこちない、立ち上がるのがつらそうといった兆候が見られる場合は、早めの診断と治療が必要です。体重管理も関節への負担を軽減する重要なポイントになります。

また、チャウチャウは「眼の病気」にかかりやすい犬種としても知られています。特に「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」と呼ばれるまぶたが内側に巻き込まれてしまう病気が多く見られ、まつ毛が角膜を刺激して痛みや涙、炎症を引き起こします。放置すると角膜潰瘍に進行する危険もあるため、子犬の頃から定期的に眼のチェックを行う必要があります。さらに「緑内障」や「白内障」などの進行性疾患にも注意が必要です。

皮膚のトラブルも非常に多い犬種です。チャウチャウの豊かな被毛と独特の皮膚構造は美しい魅力ですが、同時に蒸れやすく、皮膚炎を起こしやすい要因にもなります。「ホットスポット」と呼ばれる急性湿疹や、アレルギー性皮膚炎、真菌感染なども頻発しやすいため、定期的なブラッシングとシャンプー、そして清潔な生活環境が欠かせません。特に梅雨時や夏場は湿気によってトラブルが増えやすく、注意深いケアが必要になります。

さらにチャウチャウは短頭種ほどではありませんが、鼻が比較的短いため「呼吸器系の問題」を抱える場合もあります。暑さに弱く、夏場の熱中症リスクは高めです。被毛が厚いため体温調節も苦手で、真夏の散歩は早朝や夕方に限定し、十分な水分補給と涼しい環境を整えることが重要です。

心臓疾患にも注意が必要で、特に「大動脈弁狭窄症」などの先天的な心疾患が報告されています。定期的な健康診断を受け、心音や血液検査を通じて早期に発見することが、長寿につながる大きな要素になります。

総合的に見て、チャウチャウは外見の強そうな印象とは裏腹に、関節・皮膚・眼・心臓といった複数の部位で病気が出やすい犬種だといえます。しかし、その一つひとつは早期発見と適切な管理でコントロールが可能です。日常的に愛犬の仕草や体調の変化をよく観察し、定期的な獣医師のチェックを受けることで、平均寿命を超えて健康的に過ごすことも十分可能です。飼い主の注意深さと丁寧なケアが、チャウチャウの健康寿命を延ばす最も重要な要因となるでしょう。

他の犬や子どもとの同居しやすさ

チャウチャウは、その独特な気質から「家庭内での共生」において注意点が多い犬種です。基本的に穏やかで落ち着いた性格を持っていますが、社交的に振る舞う犬種ではないため、他の犬や子どもと暮らす際には十分な理解と準備が必要になります。

まず他の犬との同居について考えてみましょう。チャウチャウはもともと番犬や狩猟犬として飼われてきた歴史があり、強い独立心と縄張り意識を持っています。そのため、見知らぬ犬に対して積極的に交流しようとするタイプではなく、むしろ距離を置きたがることが多いです。成犬になってから初めて他犬と接触させると、強い警戒心や攻撃的な反応を示す可能性があります。したがって、子犬のうちから他犬との接触や社会化をしっかり行うことが非常に大切です。社会化を十分に行った個体であれば、相手の犬が穏やかで落ち着いた性格である限り、問題なく共生することも可能です。ただし、多頭飼育を考える場合は、性格的に相性の良い犬種や個体を選ぶことが必須条件となります。

次に子どもとの関係についてですが、チャウチャウは遊び好きで活発な犬ではないため、小さな子どもと常に一緒に走り回って遊ぶタイプではありません。むしろ落ち着いた環境を好むため、子どもが無邪気に抱きついたり、乱暴に触ったりすると、ストレスを感じやすい犬種です。チャウチャウは基本的に我慢強い方ですが、過度な干渉が続くと防衛的な態度を取る場合もあり、結果的に子どもとのトラブルにつながることもあります。そのため、チャウチャウと子どもが同居する場合は、子どもに「犬に優しく接すること」「嫌がるサインを見逃さないこと」をしっかり教える必要があります。

また、チャウチャウは自分のスペースを大切にする犬種です。家庭内で安心して休める場所を確保し、子どもや他の犬が無闇に立ち入らないようにすることで、安心して過ごせる環境を作ることができます。特に食事中や休息中に邪魔をされると強いストレスを感じやすいため、この点には細心の注意が必要です。

一方で、正しく環境を整えてあげれば、チャウチャウは非常に落ち着いた家庭犬となります。大声で吠えたり無闇に走り回ったりしないため、静かな生活を好む家庭や、犬に過剰なスキンシップを求めない家族にとっては理想的なパートナーになり得ます。また、子どもがある程度成長して犬との適切な接し方を理解できる年齢であれば、穏やかな共存が可能です。

総じて、チャウチャウは「相手を選ぶ犬」であり、他の犬や子どもと暮らすためには事前の準備と環境作りが不可欠です。社会化不足や誤った接し方があるとトラブルの原因になりやすい一方、正しい理解とルールを守れば、落ち着いた同居生活を送ることができます。大切なのは、チャウチャウの気質を尊重し、無理に人懐っこさや社交性を求めないことです。そうすれば、家族の中で独自の存在感を持ちながら、穏やかに共に暮らしていくことができるでしょう。

運動量の多さ

チャウチャウは外見からすると「大きくて活発そう」と思われることもありますが、実際には比較的落ち着いた犬種であり、運動量はそれほど多くを必要としません。ジャーマン・シェパードやボーダー・コリーのように絶えず動き回り、長時間の運動を欲するタイプではなく、適度な運動で十分に満足します。むしろ、過剰な運動を強いると関節や呼吸器に負担がかかりやすいため、注意が必要です。

チャウチャウに必要な運動量の目安としては、1日に30分から1時間程度の散歩を2回行うのが理想とされています。散歩のスピードは速歩き程度で十分であり、マラソンや長距離ランニングのパートナーとしては適していません。むしろ、ゆったりとした歩調で街中や公園を歩きながら、周囲の環境を観察することを楽しむタイプの犬だと言えます。

また、チャウチャウは厚い被毛を持ち、暑さに非常に弱い体質です。そのため夏場の運動には特に注意が必要です。真夏の日中の散歩は熱中症のリスクが高く、危険を伴います。理想的なのは早朝や日没後の涼しい時間帯に短めの散歩を行うことで、必要に応じて室内での遊びや軽い知育玩具を用いた活動で補うのが良いでしょう。冬の寒さには比較的強いため、気温の低い季節の方が快適に散歩を楽しめます。

精神的な刺激も、チャウチャウにとっては運動と同じくらい大切です。知性が高い犬種であるため、単に歩くだけでなく、散歩コースを変えたり、新しい環境を探索したりすることで精神的満足度を高めることができます。さらに、軽いトレーニングや簡単な課題を与えることで、身体だけでなく頭も使う良い刺激になります。運動量が少なめで済むからといって刺激を与えないと、退屈からくるストレスや問題行動につながることがあるため注意が必要です。

家庭での運動についても工夫が可能です。庭がある家庭であれば、短時間の自由運動を取り入れると良いでしょう。ただし、チャウチャウは活発に走り回るよりも、のんびり歩いたり座って外を眺めたりすることを好む傾向があります。ボール遊びやフリスビーのような俊敏さを必要とする遊びよりも、探索型のおもちゃや、知育系の遊びを取り入れた方が性格に合っています。

総じて言えるのは、チャウチャウは「中程度の運動量を必要とするが、無理をさせてはいけない犬種」であるということです。必要以上に走らせるよりも、日常的に落ち着いた散歩を続けることが健康維持の鍵となります。そして、身体的な活動だけでなく、知的刺激や環境の変化を組み合わせることで、心身ともに充実した生活を送ることができるのです。無理のない範囲で、ゆったりとした運動を継続することが、チャウチャウと飼い主にとって最も良い関係を築く方法といえるでしょう。

体の特徴・被毛・毛色の特徴

チャウチャウは、その見た目のユニークさから「犬界の中でも特異な存在」と言われることが多い犬種です。まるでぬいぐるみのような外見をしていながら、堂々とした体つきと独自の風貌を持ち、ひと目でチャウチャウだとわかる特徴があります。

体格は中型から大型に分類され、体高はおおよそ46〜56cm、体重は18〜32kg程度が一般的です。骨格はがっしりしており、肩幅が広く、筋肉質で力強い体つきをしています。歩き方にも特徴があり、後ろ足の関節がまっすぐに近いために独特なぎこちない歩様を示します。この歩き方は「チャウチャウ・ステップ」とも呼ばれ、犬種特有のシルエットを形作る要素のひとつです。

チャウチャウの最大の特徴といえば、もちろんその豊かな被毛です。二重構造になっており、下毛は柔らかく密集して断熱材のような役割を果たし、上毛は硬めで直毛に近く、全体としてボリューム感のある外観を生み出しています。このためライオンのたてがみのような襟飾りが形成され、特に首回りの毛が豊かで堂々とした印象を与えます。寒さには比較的強いものの、逆に暑さには極端に弱いため、被毛の管理と温度調整は非常に重要です。

被毛の毛色には複数のバリエーションが認められており、主にレッド、ブラック、ブルー、フォーン(淡い茶色)、クリームといったカラーがあります。特にレッドがもっとも一般的で人気がありますが、ブルーやクリームなども独特の美しさを持ち、希少性から注目を集めることもあります。毛色によって性格に差はありませんが、毛質のわずかな違いによって手入れのしやすさが変わることがあります。

チャウチャウを象徴するもうひとつの身体的特徴は「青黒い舌」です。これは犬の中でも非常に珍しい特徴で、ほとんどの犬はピンク色の舌を持つのに対し、チャウチャウとシャー・ペイだけがこの独特な舌色を示します。古代中国ではこの特徴が神秘的に捉えられ、「神聖な犬」として扱われた歴史もあります。

顔の特徴としては、広い額と短いマズル、深いしわを持たない端正な表情が挙げられます。目はやや小さく、三角形に近い耳が直立していることで、全体的に落ち着いた、ある意味では無表情にも見える独特の顔つきとなります。これが「気難しそう」「冷静」といった印象を与える要因のひとつですが、飼い主にとっては非常に魅力的に映るポイントでもあります。

手入れに関しては、被毛が厚く絡まりやすいため、毎日のブラッシングが必須です。特に首回りや後肢の裏側、脇の下などは毛玉ができやすく、放置すると皮膚病の原因となります。換毛期には大量の毛が抜け落ちるため、集中的なブラッシングが必要です。シャンプーも定期的に行う必要がありますが、乾かし残しは皮膚トラブルの原因になるため、ドライヤーを用いてしっかりと乾燥させることが重要です。

総じてチャウチャウの体の特徴は「堂々とした体格」「青黒い舌」「ライオンのような被毛」という三つに集約されます。その外見は非常に個性的で、街中を歩くだけで人々の注目を集める存在感があります。しかし同時に、その特徴ゆえのケアの大変さや暑さへの弱さがあるため、外見の可愛らしさだけでなく、その裏にある特性を理解し、責任を持って世話をすることが求められる犬種といえるでしょう。

里親・ブリーダー・値段

チャウチャウは日本においても一定の人気を持つ犬種ですが、ポピュラーな柴犬やトイ・プードルに比べると流通数は少なく、入手経路は限られています。そのため、飼育を希望する場合には「ブリーダーからの購入」と「保護犬・里親制度を通じた譲渡」のいずれかが現実的な選択肢となります。

まずブリーダーからの入手についてですが、チャウチャウは特有の気質や体質的な弱点を持つ犬種であるため、信頼できるブリーダーを選ぶことが極めて重要です。健康面に配慮せず繁殖を重ねた個体は、股関節形成不全や眼疾患、皮膚疾患といった遺伝的問題を抱えるリスクが高まります。優良なブリーダーは、親犬の健康診断や遺伝子検査を実施し、性格的にも安定した個体を繁殖に用います。そのようなブリーダーから譲り受けることで、飼育後のトラブルを大幅に減らすことができます。

価格帯については、日本国内ではチャウチャウの子犬は30万円から50万円程度が相場とされています。毛色や性別、血統によってはそれ以上の値段が付く場合もあり、特に希少なブルーやクリームの毛色は高額になりやすい傾向があります。また、海外のショー系血統を持つ個体であれば、さらに高価になるケースもあります。購入を検討する際には、単に初期費用だけでなく、チャウチャウ特有のケア(トリミング、定期健診、皮膚や眼の治療など)にかかる生涯的な維持費も念頭に置く必要があります。

次に、里親制度や保護犬からの譲渡についてです。チャウチャウは見た目の可愛らしさから安易に飼われ、その後に「しつけの難しさ」「独立心の強さ」「暑さに弱い体質」などに対応できず、手放されるケースがあるのも事実です。そのため、全国の動物保護団体や里親募集サイトにおいて、チャウチャウやチャウチャウの血を引いた雑種が里親を探していることがあります。ただし流通量が少ない犬種のため、常に見つかるわけではなく、巡り合わせの要素が大きいです。

保護犬を迎える場合は、子犬ではなく成犬が多いため、すでに性格が形成されていることが多い点に注意が必要です。チャウチャウの特性を理解し、しっかり向き合う覚悟のある飼い主であれば、成犬でも十分に良きパートナーになり得ます。むしろ、保護団体によっては事前に性格や健康状態を詳しく把握してくれているため、自分の家庭に合うかどうかを確認しやすいという利点もあります。

また、チャウチャウを迎える前には必ず「生活環境が適しているか」を再確認すべきです。被毛が厚く暑さに弱いため、冷房設備の整った環境は必須ですし、日常的な被毛ケアや健康管理に時間を割けるかどうかも重要です。さらに、独立心が強いため、常にべったり甘える犬を求めている家庭には不向きであることも理解しなければなりません。

総じて、チャウチャウの入手には「慎重なブリーダー選び」または「保護犬としての受け入れ」が欠かせません。どちらの方法であっても、飼い主がチャウチャウの特性をよく理解し、長期的に世話をする覚悟を持つことが最も重要です。可愛らしい外見だけに惹かれるのではなく、その裏にある性格や健康上の課題を理解した上で迎えることで、チャウチャウと飼い主双方にとって幸せな関係を築くことができるでしょう。

チャウチャウの動画集

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チャウチャウの動画 その1

チャウチャウの動画 その2

チャウチャウの動画 その3

チャウチャウの人気インスタグラマーご紹介


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