ゴールデン・レトリーバー(ゴールデン・レトリバー)は、その起源・成立としては諸説あり、実ははっきりとしたことはわかっていません。
有力な1説では、19世紀後半にスコットランドのトゥイードマス卿により、 イエロー・レトリーバーとトゥイード・ウォーター・スパニエル、アイリッシュ・セター、 ブラッドハウンドを掛け合わせて改良されていき誕生したと言われています。
また、他には、19世紀中旬に、ロシアのサーカス団がイングランドで公演した際に、 たまたま見に来ていたスコットランドのある貴族がサーカス団の持っていた犬を買い、 セッターと混血してゴールデン・レトリーバーが誕生したとも言われています。
ゴールデン・レトリバーは、他のレトリバー系の犬種と同様に、狩猟犬の役割で飼われていました。
特に、鳥猟の際の獲物回収役としてが代表的なものになり、水中での回収も行なっていたため泳ぎも得意としています。
1903年にはイギリス・ケネルクラブにより一つの犬種として認定されました。当時は「ゴールデン・レトリーバーまたはイエロー・レトリーバー」と呼ばれていましたが、1920年にケネル・クラブにより犬種名をゴールデン・レトリーバーの名称とされました。
また、この犬種がこの頃にアメリカにも渡り始め、徐々にアメリカでも広く飼われるようになっていきました。
アメリカでも一つの犬種として認定されており、現在ではイギリスタイプ、アメリカタイプの系統が存在しています。
イギリスタイプは、本来の成り立ちを継続し狩猟犬としての改良が行われています。
一方、アメリカタイプのほうはコンパニオンドッグとしての役割がメインになることから、人との生活に重要な要素である人懐こさや訓練性(学習能力)に重点が置かれて改良されていきました。
日本国内へは、ゴールデン・レトリーバーは1970年代ごろに登場し始め、緩やかに人気が出始め、家庭犬としても徐々に見られるようになっていきました。
また、賢さや人と生活する上での順応性など、数々の高い資質が評価され、ゴールデン・レトリーバーは盲導犬や麻薬犬として活躍する犬としても有名な犬種となっています。
ゴールデン・レトリーバーは、世界中で「家庭犬の理想像」として評価されることの多い犬種であり、その大きな理由の一つが「しつけのしやすさ」にあります。彼らは非常に知能が高く、人間の指示を理解しようとする意欲にあふれており、さらに人と協力することに喜びを感じる性質を備えています。こうした特性は、もともと水鳥猟で回収(レトリーブ)を担当していた歴史に由来します。狩猟においては、猟師と緊密に連携し、指示を素早く理解して行動する必要があったため、自然と「人に従順で、学習意欲の高い犬種」として発展してきたのです。
初心者が家庭で飼う場合でも、比較的スムーズに基本的なしつけを行うことができます。オスワリやフセ、マテといった基本指示は、繰り返し練習を重ねることで短期間のうちに習得してくれるでしょう。また、トイレトレーニングに関しても、学習能力が高く、飼い主の指示をよく理解しようとするため、他の犬種に比べて苦労が少ない傾向にあります。
ただし、しつけが「しやすい」ということと、「放っておいてもしつけができる」ということは全く別です。ゴールデン・レトリーバーは飼い主との関わりを強く求める犬であり、無視されたり放置されたりすると、ストレスからいたずらや問題行動につながることがあります。家具をかじる、無駄吠えをする、庭を掘り返すといった行動は、しつけの失敗ではなく、飼い主との関わり不足や精神的な刺激不足が原因であることが多いのです。
そのため、しつけを行う際には「一貫性」と「ポジティブな強化」が非常に重要になります。体罰や大きな声で叱る方法は、彼らの信頼を損ない、かえって学習意欲を削いでしまう可能性があります。望ましい行動を取ったときにご褒美や褒め言葉を与えることで、より積極的に行動を学んでくれるのです。また、訓練を遊び感覚で取り入れると、ゴールデンは楽しみながら成長し、飼い主との絆も深まります。
加えて、社会化トレーニングも非常に大切です。ゴールデンは基本的に友好的ですが、幼少期にさまざまな環境、人、犬に触れていないと、成長後に警戒心が強く出ることもあります。生後3か月から6か月ごろまでの「社会化期」に、できるだけ多くの経験を積ませることが、後々の落ち着いた性格や協調性に大きく寄与します。
また、作業意欲の高さから、ゴールデン・レトリーバーは盲導犬や介助犬、災害救助犬などとしても活躍しており、その現場でも「学習の早さ」「集中力」「人との協働意欲」が重宝されています。これは家庭でのしつけにもそのまま活かせる要素であり、適切な方法でトレーニングを進めれば、飼い主にとって頼もしいパートナーとなるでしょう。
まとめると、ゴールデン・レトリーバーは「飼い主が積極的に関わり、遊びを通して学習を促し、褒めて伸ばす」ことで、非常にしつけやすく、家庭生活に適した犬へと成長していきます。初心者にも向いている犬種ですが、油断せず、日々の関わりと学習を積み重ねることが、理想的なパートナーシップを築く鍵となります。
ゴールデン・レトリーバーの魅力を語るうえで欠かせないのが、その温厚で優しい性格です。多くの犬種の中でも特に「家庭向き」とされる理由は、この性格的な安定感にあります。彼らは基本的に攻撃性が低く、初対面の人や動物に対してもフレンドリーに接する傾向が強いのが特徴です。
そもそもゴールデン・レトリーバーは、人間と協力しながら水鳥の回収を行うために改良されてきた歴史を持っています。そのため、飼い主や人間に対して従順であることが求められ、攻撃的な性質は選択的に排除されてきました。結果として、現在のゴールデンは「人と共にいることを好み、信頼関係を築きやすい犬種」として確立されています。
家庭に迎え入れた場合、その性格は日常のあらゆる場面で安心感を与えてくれます。子どもが少々乱暴に触っても大らかに受け入れることが多く、来客に対しても喜んで迎える姿勢を見せることがほとんどです。また、寂しがり屋な一面があり、飼い主と離れることを嫌う傾向もあります。これは「忠誠心が強く、常に人と一緒にいたい」というゴールデンの特性の現れです。
一方で、このフレンドリーさは番犬としてはやや不向きであることも意味します。見知らぬ人に対して吠えることはあっても、本気で威嚇することは少なく、むしろ「遊んでほしい」と尻尾を振って近づいてしまうケースさえあります。防犯目的で犬を飼いたい人にとっては物足りない面がありますが、家庭犬としてはむしろ安全で安心できる性格といえるでしょう。
さらに、ゴールデンは「協調性」が非常に高い犬種です。他の犬種に比べて群れでの行動を好み、対立よりも調和を優先する傾向があります。多頭飼育にも比較的向いており、うまく社会化されていれば他犬とのトラブルも起きにくいのが特徴です。ただし、性格は遺伝や育った環境にも影響されるため、幼少期の経験が不足すると、内気で神経質になったり、逆に過度に依存的になってしまうこともあります。
また、ゴールデンは陽気で遊び好きな面も持っています。ボール遊びや水遊びが大好きで、成犬になっても子犬のような無邪気さを残すため、家庭の中では「大きな子ども」のような存在になることもしばしばです。こうした明るい性格は家庭に活気を与えますが、同時にエネルギーがあり余っていると落ち着きがなく見えることもあるため、日常的に十分な運動と精神的な刺激を与えることが大切です。
もう一つの特徴は「感受性の高さ」です。ゴールデンは飼い主の表情や声のトーンに敏感で、機嫌や雰囲気を察して行動します。落ち込んでいるとそっと寄り添い、喜んでいると一緒に盛り上がるなど、人間に寄り添う力がとても強いのです。この資質はセラピードッグや介助犬としての適性にも直結しており、病院や施設で多くの人々を癒しているのも頷ける特性です。
総合すると、ゴールデン・レトリーバーは「穏やかで友好的、協調性が高く、感受性豊かな性格」を持つ犬種です。その優しさと安定感は家庭犬として非常に頼もしい存在となりますが、同時に「人と関わること」が生活の中心であるため、孤独や放置に弱いという一面も理解してあげる必要があります。飼い主が愛情を持って接すれば、これほど深い信頼関係を築ける犬は多くありません。
ゴールデン・レトリーバーはその健やかでたくましい見た目から「丈夫な犬」という印象を持たれることが多いですが、実際には遺伝的な疾患や体質に関連する健康上のリスクが少なくありません。とくに近年は人気犬種であるがゆえに乱繁殖が行われた時期があり、血統的な問題を抱える個体も一定数存在します。そのため、この犬種を理解する上では「病気にかかりやすい傾向」と「長寿のためのポイント」をしっかり把握しておくことが大切です。
まず代表的な遺伝性疾患として挙げられるのが「股関節形成不全」です。大型犬に多く見られる疾患で、股関節の骨と関節窩の噛み合わせが悪いために歩行がぎこちなくなり、痛みや跛行につながるものです。ゴールデンは体重が増えやすく、肥満が関節に大きな負担をかけるため、肥満管理と適度な運動による筋肉強化が重要になります。同様に「肘関節形成不全」や「前十字靭帯断裂」といった関節・靭帯に関するトラブルも比較的多く報告されています。
次に注意が必要なのが「皮膚疾患」です。ゴールデンはダブルコートで毛量が多いため、蒸れやすく、皮膚炎やホットスポット(急性湿疹)が発生しやすい傾向があります。アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを抱える個体も少なくなく、痒みや赤み、脱毛などが慢性的に見られるケースもあります。これらは生活環境の湿度管理や定期的なブラッシング、シャンプーによって予防・改善が期待できます。
さらに深刻なのは「がん」に対する発症率の高さです。特にリンパ腫や血管肉腫、肥満細胞腫といった腫瘍系疾患がゴールデンでは多く報告されており、死因の上位を占めています。これは遺伝的な要因に加え、大型犬という体格や寿命との関係が指摘されています。飼い主が定期的な健康診断を受けさせ、早期発見に努めることが非常に大切です。
また、ゴールデンは心臓疾患(拡張型心筋症など)や眼の疾患(白内障、進行性網膜萎縮)も比較的多い犬種です。これらは遺伝的要因も関わるため、子犬を迎える際には親犬に健康検査が実施されているかどうかを確認することが望ましいです。
寿命に関しては、ゴールデン・レトリーバーの平均寿命は10〜12年程度とされています。ただし、健康管理が行き届いていれば13〜14歳まで長生きする個体も珍しくありません。寿命を左右するのは「体重管理」「適度な運動」「栄養バランスのとれた食事」「定期的な健康診断」の4つが大きな柱となります。とりわけ体重管理は関節疾患や糖尿病、心臓病の予防に直結するため、日頃から飼い主が意識して取り組むべき部分です。
けがに関しては、大型犬特有の「関節への負担」がもっとも大きなリスクです。急な階段の昇り降りや過度なジャンプ遊びは避け、成長期の骨や関節に負担をかけないよう配慮が必要です。水遊びや泳ぐことはゴールデンの本能に合っており、関節への負担も少ない理想的な運動方法の一つです。
まとめると、ゴールデン・レトリーバーは一見健康的で頑健に見える一方、実際には遺伝性疾患やがん、皮膚トラブルといった健康リスクを抱えやすい犬種です。寿命を延ばすためには、食事・運動・予防医療の三本柱をしっかり整えることが必要不可欠です。飼い主が日常的に健康状態を観察し、早めに異常に気づいて対応できるようにすることが、ゴールデンと長く健やかに暮らすための大切な心得といえるでしょう。
ゴールデン・レトリーバーは、家庭犬として世界的に愛されている理由のひとつに「他の犬や子どもとの同居のしやすさ」があります。その温厚で協調的な性格から、多頭飼育や子育て家庭に適している犬種の代表格といえるでしょう。
まず子どもとの相性についてですが、ゴールデンは基本的に忍耐強く、大らかな性格を持っています。多少手荒に触られても怒ることなく受け入れる傾向が強いため、小さな子どもがいる家庭でも比較的安心して迎えられます。子どもが走り回っても「一緒に遊びたい」と尻尾を振ってついていく様子が見られることが多く、家庭に明るさと活気を与えてくれる存在になります。さらに、感受性が高いため、子どもの感情の変化を敏感に察し、寄り添う行動を見せる個体も少なくありません。これはセラピードッグや介助犬として活躍しているゴールデンの特性が、家庭でも自然と発揮される結果といえます。
ただし、大型犬であることから、遊びの最中に体重や力の強さで子どもを倒してしまうこともあり得ます。悪意ではなく単なるはしゃぎすぎで起きる事故ですが、小さな子どもと接する際には大人がそばで見守ることが大切です。また、子どもにも「犬にしてはいけないこと(尻尾を強く引っ張る、耳をつかむ、食事中にちょっかいを出すなど)」を教える必要があります。犬と子どもの双方が安心できる環境を整えることで、理想的な関係を築くことが可能です。
次に、他の犬との関係についてですが、ゴールデン・レトリーバーは「協調性が高い犬種」として知られています。犬同士の争いを好まず、むしろ友好的に関わろうとする傾向が強いため、多頭飼育やドッグランでの交流にも向いています。特に幼少期から他の犬と触れ合う機会を設け、社会化トレーニングをしっかり行えば、成犬になっても他犬に対して落ち着いた態度を取りやすくなります。
ただし、例外も存在します。成犬になるまでに十分な社会化経験を積んでいないと、他の犬に対して過剰に興奮したり、逆に臆病になって吠えやすくなることがあります。これはゴールデンに限らず多くの犬種に共通する課題ですが、「ゴールデンは穏やかだから大丈夫」と過信せず、子犬期からの丁寧な経験積みが重要です。また、同性の大型犬同士では縄張り意識や優劣争いが表面化する場合もあるため、飼い主が状況をよく観察し、適切に介入できるようにしておく必要があります。
さらに、ゴールデンは猫や小動物に対しても比較的穏やかに接することが多い犬種です。レトリーバー本来の「獲物を追い詰めるのではなく、口にくわえて持ち帰る」という役割の影響で、攻撃的な狩猟本能は弱められているためです。ただし、動くものに興味を持って追いかけることはあるので、初対面のときには必ずリードを付け、安全を確保したうえで少しずつ慣らしていくことが望まれます。
総じて、ゴールデン・レトリーバーは「子どもや他の犬・動物と平和に暮らせる可能性が高い犬種」といえます。ただし、それはあくまで「正しい環境づくりと社会化トレーニングがされている場合」に限られます。飼い主が積極的にサポートし、犬と周囲の存在が互いに快適に過ごせるよう導いてあげることで、ゴールデンは持ち前の優しさを最大限に発揮し、家族の中心的存在となるでしょう。
ゴールデン・レトリーバーは見た目の穏やかさや家庭犬としての落ち着いた印象から「のんびりした犬」と誤解されることがありますが、実際には非常に活動的で運動欲求の強い犬種です。もともと猟師と共にフィールドを駆け回り、水辺での回収作業をこなしてきた歴史を持つため、単に散歩をするだけでは物足りず、日常的にしっかりとした運動量を必要とします。
成犬のゴールデンに必要な運動量は、一般的に1日あたり合計で2時間程度の散歩や遊びが目安とされています。朝夕の散歩に加え、ボール遊びや水遊び、広い場所での自由運動などを組み合わせることで心身ともに満たされやすくなります。特に「レトリーブ(物を取ってくる)」遊びは、この犬種の本能を刺激しつつ効率的にエネルギーを消費できるため、とても有効です。
十分な運動を与えられない場合、ゴールデンはストレスを溜めやすくなり、問題行動に発展することがあります。例えば、家具や靴をかじる、庭を掘る、無駄吠えをする、落ち着きがなくなるなどが典型的な例です。これらは性格の問題ではなく「運動不足による欲求不満」が原因であることが多いため、運動の量と質を見直すことで改善するケースが少なくありません。
また、ゴールデンは「単なる体の運動」だけでなく「頭を使う運動」も必要とする犬種です。知能が高いため、単調な散歩だけでは退屈してしまうことがあり、知育玩具を使った遊びや服従訓練、トリックの練習、ドッグスポーツ(アジリティやオビディエンス)など、頭と体を同時に使う活動が効果的です。これにより精神的な満足感を得られ、落ち着きも増してきます。
さらに、水辺での活動はゴールデンにとって特に適しています。レトリーバー系の犬種は水を恐れないどころか好む個体が多く、泳ぐことは関節に負担をかけずに全身運動ができる理想的な方法です。夏場の暑い時期には熱中症予防にもなり、エネルギー発散にも最適です。
運動量の確保は「健康寿命」にも直結します。十分な運動を習慣づけることで肥満を防ぎ、股関節形成不全や心臓病などのリスクを軽減できます。また、運動によって筋肉が鍛えられると関節や靭帯の保護につながり、けがの予防にもなります。
子犬期や老犬期には特別な配慮が必要です。子犬の成長期には骨や関節が未発達なため、激しいジャンプや長時間の運動は避け、短時間の遊びや軽めの散歩を複数回に分けるのが理想的です。老犬になると持久力が落ちてくるため、散歩時間を短くする代わりに回数を増やすなど、体力に合わせた調整が求められます。
まとめると、ゴールデン・レトリーバーは「穏やかな家庭犬」であると同時に「高い運動欲求を持つアクティブな犬種」です。飼い主がそのニーズを理解し、日常的に十分な運動と精神的刺激を与えることで、落ち着きと健康を維持し、家庭の中で理想的なパートナーとして輝くことができます。運動不足は問題行動の大きな原因となるため、「毎日の運動」はゴールデンを幸せにする最良の贈り物といえるでしょう。
ゴールデン・レトリーバーは、その名の通り黄金色に輝く被毛を持ち、堂々とした体格と温厚な表情で世界中の人々を魅了してきました。まず体格についてですが、大型犬に分類され、成犬の体高はオスで56〜61cm、メスで51〜56cmほど、体重はオスで29〜34kg、メスで25〜32kg前後が一般的です。筋肉質で均整のとれた体つきをしており、骨太ながら柔らかさを感じさせるラインを持つため、力強さと優美さを兼ね備えています。
頭部は幅があり、額はわずかに丸みを帯び、目はアーモンド形で暗褐色をしており、温かみのある優しい表情を作り出します。この「穏やかで人懐っこそうな顔立ち」こそが、ゴールデンを家庭犬として人気にした要因のひとつです。耳は中くらいの大きさで、顔の横に垂れ下がっており、愛らしさを強調しています。
次に被毛についてですが、ゴールデン・レトリーバーは「ダブルコート」の犬種であり、外側には防水性のある長めのトップコート、内側には保温性を持つ密なアンダーコートを備えています。この構造により、水中での作業や寒冷地での活動にも適応できるようになっています。被毛の質はストレートまたはややウェーブがかかったものがあり、胸部、首周り、腹部、尾には豊かな飾り毛(フェザー)が見られるのが特徴です。
毛色については「ゴールデン」という名の通り、クリーム色からディープゴールドまで幅があります。国際畜犬連盟(FCI)のスタンダードでは、極端に白すぎる色や赤みの強い色は望ましくないとされていますが、家庭犬としては幅広い色合いが見られます。子犬のころは淡いクリームに近い色でも、成長とともに色が濃く変化することもあります。また、顔や体に年齢とともに白髪が混じっていく様子は、多くの飼い主にとって愛おしい時間の経過を感じさせる要素です。
被毛の美しさを保つためには、日常的なケアが欠かせません。特に換毛期には大量の毛が抜け落ちるため、毎日のブラッシングが推奨されます。ブラッシングは単に毛を整えるだけでなく、皮膚の血行を促し、皮膚トラブルの予防にもつながります。また、耳が垂れているため通気性が悪く、外耳炎を起こしやすい傾向があるため、耳のチェックと掃除も定期的に行う必要があります。
体の特徴としてもう一つ注目すべきは「水かきのある足」です。指の間に膜があり、泳ぐのが得意なのはこのためです。水辺での回収作業をルーツに持つ犬種ならではの特徴で、現在でも多くのゴールデンが泳ぎを好み、夏場にはプールや川で水遊びを楽しみます。
尾は豊かな飾り毛に覆われ、力強く水平に振られる姿は、この犬種の陽気さと社交性を象徴しています。歩いているときや遊んでいるときに大きく振られる尻尾は、見ている人にまで元気を伝える魅力的な要素です。
まとめると、ゴールデン・レトリーバーは「均整のとれた大型犬の体格」「黄金色に輝く美しい被毛」「優しさを感じさせる表情」といった特徴を兼ね備えた犬種です。美しさだけでなく、作業犬として培われた実用性も体のあちこちに残されており、外見的魅力と実用的な構造が見事に調和しています。日常のケアを怠らず、健康と美しさを維持することが、この犬種と暮らす醍醐味のひとつといえるでしょう。
ゴールデン・レトリーバーは世界的に非常に人気の高い犬種であり、日本国内でも常に上位に入るほど需要があります。そのため、ペットショップ、ブリーダー、保護団体など、さまざまな経路から迎えることが可能です。しかし、その人気ゆえに健全性に課題を抱えた繁殖も存在しており、迎え入れの際には入念な情報収集と慎重な判断が欠かせません。
まずブリーダーから迎える場合についてです。良心的なブリーダーは、親犬に股関節形成不全や遺伝性疾患の検査を行い、健康状態を確認したうえで繁殖を行っています。子犬を迎える際には、親犬の性格や健康検査の結果を開示してくれるかどうかが信頼性の重要な指標となります。ゴールデンはがんや関節疾患のリスクが高い犬種であるため、こうした事前確認を怠ると後に大きな健康問題につながりかねません。
価格の目安としては、国内のブリーダーから子犬を迎える場合、一般的に20万円〜40万円程度が相場です。血統やショードッグ向けの素質を持つ子犬の場合は、50万円以上となるケースもあります。毛色や性別によって価格に差がつくこともあり、特にスタンダードに近い体格や毛並みを持つ子犬は高額になる傾向があります。
ペットショップでの販売価格はやや安価に設定されていることもありますが、親犬の情報が十分に公開されていない場合が多く、将来的な健康リスクを把握しにくいという難点があります。そのため、信頼できるブリーダーや里親制度を通じて迎える方が安心です。
一方で、保護団体や里親募集を通じてゴールデンを迎えるケースも増えています。人気犬種であるがゆえに、飼育放棄や繁殖引退犬が保護される例も少なくありません。里親制度を利用する場合は、譲渡条件として飼育環境の確認や面談が行われることが一般的で、費用としては数万円程度の医療費負担が必要になることがあります。子犬を希望する人には必ずしも向かない場合もありますが、すでに成犬として性格や健康状態がある程度わかっているため、安心して迎えられる利点もあります。
注意すべきは「安易な価格だけで選ばないこと」です。ゴールデンは大型犬であり、食費・医療費・トリミングやシャンプー費用など、飼育にかかるコストは小型犬と比べてかなり高くなります。特に高齢期には腫瘍治療や関節治療のために大きな医療費が発生する可能性もあるため、「迎える際の費用」よりも「生涯を通じて責任を持って世話ができるか」が重要です。
また、里親として迎える場合でも、ゴールデンは人懐っこく社会性のある犬種であるため、新しい家庭に比較的馴染みやすい傾向があります。ただし、保護犬としての過去の経験から不安を抱えている個体もいるため、愛情深く時間をかけて関係を築く姿勢が求められます。
総じて、ゴールデン・レトリーバーを迎える方法は多岐にわたりますが、どの経路を選ぶにしても「信頼できる情報源から迎えること」「生涯を共にする覚悟を持つこと」が最も大切です。人気犬種であるがゆえに簡単に手に入りやすい一方、命を預かる責任の重さを忘れてはなりません。健全なブリーダーや里親制度を通じて出会ったゴールデンは、飼い主にとってかけがえのない家族となり、共に過ごす時間を豊かで温かなものにしてくれるでしょう。
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.......(続きはここをクリック)はじめまして。家でゴールデンレトリバーを飼っている30代です。
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.......(続きはここをクリック)みなさん、こんにちは。ゴールデンレトリバーの女の子(4歳)を飼っている主婦です。最近、仕事を始めることになって、ちょっと悩んでいることがあります。今まで専業主婦だったので、愛犬のルナとずっと一緒にいられたんですが、これからは留守番させなきゃいけなくて…。
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.......(続きはここをクリック)はじめまして!ゴールデンレトリバーと暮らしています。散歩中の引っ張り癖がすごくて困っています。
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