【実は意外には飼いやすい「心優しき巨犬」グレート・デーン】

グレート・デーン(ジャーマン・マスティフ)の基本情報(性格・しつけ・病気など)

 
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グレート・デーン(ジャーマン・マスティフ)
[英記]:Great Dane

    ◇基本データ
  • ・サイズ: 超大型犬
  • ・体高:70cm~100cm
  • ・体重:45kg~55kg

  • ◇起源・歴史・沿革・系統:
  • グレート・デーンという名前は、『デンマークの大きな犬』という意味となる『le Grand Danois』が英訳され、 現在の呼称である『Great Dane』となりました。

    グレート・デーンは非常に歴史が古い犬種です。
    古代エジプトの石碑にグレート・デーンのような犬が描かれていることから、 一説には、その起源としては紀元前3000年前にもさかのぼるという説もあります。
    始祖犬としては、ブレンバイサー(ブルドッグの系統の一種)、オールド・イングリッシュ・マスティフという説が有力になっています (マスティフの一種であるチベタン・マスティフにグレー・ハウンドを交配したという説もあり)。

    また、原産はドイツと言われており、中世ドイツではイノシシ狩りの際に用いる犬として飼われ、 その立派で見事なたたずまいからも人気があり、上流階級の一種のステータスにもなっていました。
    ドイツでは1876年に国犬にも指定されており、ドイツ国内においては1880年に『ドイツのマスティフ』という意味となる 『ドイッチェ・ドッゲ』と正式に呼ばれることになり、現在でも使われています。
    ※イタリアでは、マスティフを意味する『アラノ』という呼称で呼ばれています。

    アメリカには1800年代後半ごろに渡り現在でも人気のある犬種の一つとなっています。

    日本には、明治時代ごろに渡来し、土佐犬を開発する際に使用された犬種の一つだいう記録もあります。


    優しさにあふれる巨大犬とも言えるグレート・デーンですが、 「優しい巨人」「犬の中のアポロン神」という通称を持っていることでも有名で、 ジャーマン・マスティフと呼ばれる場合もあります。
    明らかな特徴になるその体の大きさについては、世界の中で最も大きい記録がある犬のいくつかはこのグレート・デーンの個体になります。
    犬種としては、アイリッシュ・ウルフハウンドに次いで体高が全犬種の中で2番目に大きい犬になります。


    ◇こんなスタイルで犬を飼いたい方・こんな状況の方との相性Good!!
    ・とにかくしつけしやすい犬が良い
    ・心優しい超大型犬の包容力に魅力を感じる
    ・しつけは子犬のうちにしっかりやってしまえる
    ・犬種としての平均寿命の短さは特には気にならない
    ・小さいお子様や他の犬、小動物などが同居予定
    ・超大型犬でも飼育できるスペースなど環境も問題ない
グレート・デーン(ジャーマン・マスティフ)のメイン写真 グレート・デーン(ジャーマン・マスティフ)の特徴評価グラフ

しつけのしやすさ

グレート・デーンは「優しい巨人」と呼ばれるほど温厚な性格を持つ犬種であり、飼い主に対して従順で学習能力も高い部類に入ります。そのため、一見するとしつけがしやすい犬に思われがちですが、実際にはいくつかの注意点があります。特に体格が非常に大きいため、成犬になると体重が60kgを超えることも珍しくなく、子犬の頃からの正しいしつけが欠かせません。小型犬であれば多少の引っ張り癖や飛びつきも大きな問題にはなりにくいですが、グレート・デーンの場合は力の強さが桁違いです。わずかな甘やかしやルールの一貫性の欠如が、飼い主にとって制御不能な問題行動につながる可能性があります。

この犬種は人と一緒に過ごすことを強く望むため、ポジティブな強化学習、つまりご褒美や誉め言葉を活用したトレーニングが特に効果的です。罰や大きな声で叱る方法は逆効果になりやすく、かえって不安や萎縮を引き起こすことがあります。幼少期から「人に飛びつかない」「引っ張らずに歩く」「基本的なコマンドに従う」といった日常生活に直結するルールを丁寧に教えていくことが重要です。また、知能が高く学習速度も速いため、トレーニングが単調にならないよう、バリエーションを持たせると集中力が維持できます。

グレート・デーンは、子犬期には好奇心旺盛でやや落ち着きに欠ける一面があります。この時期に「社会化」を十分に経験させることで、成犬になったときに穏やかで適応力の高い性格へと育ちやすくなります。社会化とは、他の犬や人、車や大きな音など、日常で出会うさまざまな刺激に慣れさせる取り組みです。このステップを踏まずに育てると、臆病さや過剰な警戒心が残り、吠え癖や攻撃性の原因になる場合があります。巨体でこのような問題行動を抱えることは、飼い主だけでなく周囲にとっても大きな負担になるため、しつけの中でも特に重要な要素といえます。

さらに、グレート・デーンは身体的な成長が急速であるため、関節や骨に負担をかけないように配慮しながらしつけを進める必要があります。例えば、長時間の反復訓練や、激しいジャンプを伴う練習は避けたほうがよいでしょう。その代わり、短時間で集中力を使うトレーニングを何度も繰り返す形が効果的です。グレート・デーンは飼い主に喜んでもらうことを強い動機とするため、正しく導けば学習の定着が早い犬種です。

総合的に見ると、グレート・デーンのしつけは「しやすい部類」に入るといえますが、それはあくまで飼い主が子犬期から計画的かつ一貫性を持って取り組んだ場合に限られます。巨体であるがゆえに、些細な問題行動が大きなトラブルにつながる可能性を常に念頭に置き、日常のマナーを徹底して教えていく姿勢が求められます。しつけを通して飼い主との信頼関係が築かれると、グレート・デーンは家庭内で非常に頼もしく、穏やかな伴侶となってくれるでしょう。

気性の穏やかさ・性格

グレート・デーンは、その堂々とした外見から威圧感を与えることがありますが、実際の性格は驚くほど穏やかで優しいことで知られています。「優しい巨人」という呼び名はまさにこの犬種の本質を表しており、大きな体とは裏腹に、感受性が豊かで飼い主や家族に対して深い愛情を示します。特に家庭内では落ち着いた態度をとり、攻撃性は極めて低い犬種といえるでしょう。

基本的に人懐っこく、知らない人に対してもフレンドリーに接する傾向がありますが、その親しみやすさは飼い主の育て方や社会化の度合いに左右されます。幼少期にさまざまな人や環境に慣れている個体は、訪問者に対しても落ち着いて接することができます。一方で、社会化が不十分だと警戒心が強く出たり、臆病さから吠えたりすることもあるため、この点は飼育者が注意してサポートする必要があります。

グレート・デーンはとても「家族思い」で、特に飼い主に対する忠誠心が強いのが特徴です。家族と離れることを極端に嫌がる個体も多く、留守番が長く続くと不安からストレスを抱えることがあります。これは分離不安の形で現れることもあり、家具を壊したり、吠え続けたりする行動につながる場合もあるため、日常的に安心できる環境を整えてあげることが重要です。

また、グレート・デーンは「甘えん坊な巨犬」とも形容されます。大きな体でありながら、まるで子犬のように飼い主のそばに寄り添い、膝に頭をのせたり、体を預けてきたりする仕草を好みます。こうした行動は飼い主にとって愛らしい反面、体重のある犬がそのまま寄りかかると物理的に負担となる場合もあるため、家庭内での接し方をあらかじめ工夫しておくことが望ましいでしょう。

気性の面で特筆すべきは、グレート・デーンは他の大型犬と比べても穏やかさが際立っていることです。闘争心が強い犬種や縄張り意識が強い犬種に比べると、争いごとを好まず、むしろ落ち着いた態度で場を収めようとする傾向があります。ただし、あまりにも温厚なために自己主張が少なく、逆にストレスを内に溜め込んでしまうこともあるので、飼い主は犬の小さなサインを見逃さず、心身の健康に気を配ることが求められます。

総じて、グレート・デーンの性格は「穏やか」「優しい」「人懐っこい」という言葉でまとめられます。大きな体を持つにもかかわらず、その内面は非常に繊細で愛情深い存在であるため、飼い主がしっかりと信頼関係を築くことで、家庭の中で安心感を与えてくれる理想的な伴侶犬となります。見た目の迫力に反して内面は実に柔らかい――それがグレート・デーンの大きな魅力といえるでしょう。

病気・けがへの強さ・寿命

グレート・デーンは、体の大きさや急速な成長速度からくる特有の健康リスクを多く抱えている犬種です。見た目の堂々とした姿から「頑健な犬」という印象を受けやすいのですが、実際には体の構造的な弱点や遺伝的な疾患の影響を受けやすく、寿命も大型犬の中でも特に短い傾向にあります。一般的に平均寿命は7〜10年程度とされ、小型犬の倍近い体重を持ちながら、その寿命は半分程度にとどまるのが現実です。

まず、グレート・デーンに多い病気として最も有名なのが「胃捻転(胃拡張胃捻転症候群)」です。これは食後に胃がガスで膨張し、ねじれてしまうことで血流が阻害され、命に関わる緊急事態を引き起こす疾患です。胸の深い犬種に多く、グレート・デーンはその代表格といえます。食後の急な運動や一度に大量の食事を与えることが誘因となるため、日常的に「食事を複数回に分ける」「食後は安静に過ごさせる」といった管理が必須です。場合によっては予防的に外科的処置(胃固定術)が選択されることもあります。

次に注意すべきは関節や骨のトラブルです。体重が重く成長スピードが早いため、股関節形成不全や肘関節形成不全といった整形外科系の疾患が発生しやすい傾向にあります。これらは遺伝的要因も関係するため、信頼できるブリーダーから迎えることが第一歩です。また、肥満や過度の運動も関節に負担をかける要因になるため、成長期から適切な食事管理と無理のない運動を心がけることが予防につながります。

心臓病もグレート・デーンに多い疾患のひとつです。特に「拡張型心筋症(DCM)」と呼ばれる心疾患は、この犬種で比較的高い頻度で見られます。これは心臓の筋肉が薄くなり、十分な血液を送り出せなくなる病気で、進行すると運動 intolerance(運動不耐性)、咳、呼吸困難などの症状が出ることがあります。定期的な健康診断で早期発見に努めることが、寿命を延ばすために欠かせません。

さらに、骨肉腫などの悪性腫瘍も大型犬に多く、グレート・デーンも例外ではありません。特に脚の長い犬種であるため四肢の骨腫瘍が目立ちやすく、痛みや跛行が見られた場合は早めの受診が必要です。

日常生活においては、巨体ゆえにちょっとした転倒や関節への衝撃が大きなけがにつながることもあります。階段の上り下りや滑りやすい床は事故の原因となるため、生活環境の工夫が求められます。また、被毛が短いため寒さに弱く、冬場は屋外での長時間の活動が体調不良につながることがあります。

総合すると、グレート・デーンは「豪快な見た目に反して健康面では繊細な犬種」といえます。日常的に体調の変化をよく観察し、年に一度ではなく半年ごとの健康診断を受けるなど、予防医学を重視する姿勢が求められます。飼い主が適切に管理することで、平均寿命を少しでも延ばし、快適な生活を送らせることが可能になります。愛情と注意深いケアが、この犬種と長く健やかに暮らすための鍵となるでしょう。

他の犬や子どもとの同居しやすさ

グレート・デーンは、その堂々たる体格と落ち着いた性格から、他の犬や子どもとの同居に適しているといわれる犬種のひとつです。特に家庭内では「優しい巨人」と呼ばれるように、穏やかで辛抱強い性格を発揮し、小さな子どもや他のペットに対しても過度に攻撃的になることは稀です。しかし、体の大きさと力強さを考慮すると、同居を円滑に進めるためには飼い主による配慮と正しい育て方が不可欠です。

まず子どもとの関係についてですが、グレート・デーンは子どもに対して寛容で優しく接する傾向があります。小さな子どもが抱きついたり、少々乱暴な遊び方をしても、我慢強く受け入れる個体が多いのが特徴です。むしろ、子どものそばに寄り添い、守ろうとする行動を見せることもあります。ただし、グレート・デーンの体格は非常に大きいため、不用意に遊んでいる最中に尻尾が当たったり、体がぶつかっただけで子どもが転んでしまうことも少なくありません。これは犬の攻撃性によるものではなく、純粋に体格差から生じる事故であるため、必ず大人が見守ることが重要です。

他の犬との関係については、グレート・デーンは基本的に社交的で友好的です。闘争心が強い犬種ではないため、自ら争いを仕掛けることは少なく、他の犬に対しても落ち着いた態度を見せることが多いでしょう。ただし、相手が小型犬の場合は注意が必要です。遊んでいる最中に体重差から予期せぬ事故が起きる可能性があるため、接触時は常に飼い主がコントロールできる状況を作る必要があります。また、大型犬同士の場合でも、未去勢のオス同士などでは縄張り意識や優劣をめぐる摩擦が生じることがありますので、初対面の場では細心の注意が求められます。

猫などの小動物との同居についても、幼少期から慣れさせれば比較的うまくいくことが多い犬種です。ただし、グレート・デーンは本能的に追いかける習性を持つことがあるため、急に走り出す小動物を本気で追ってしまうことも考えられます。事故防止のため、慣れるまでは必ず安全な距離を保ち、徐々に共生の環境を整えることが必要です。

社会化の重要性はここでも大きく関わってきます。子犬の頃から他の犬や人、さまざまな環境に慣れさせることで、グレート・デーンは持ち前の穏やかさを十分に発揮できます。逆に社会化が不十分だと、臆病さや過剰な警戒心が表れ、吠え癖や相手に対する過敏な反応につながる可能性があります。

まとめると、グレート・デーンは基本的に他の犬や子どもと非常に相性の良い犬種です。ただし、その巨体ゆえの「思わぬ事故」を避けるために、常に大人の管理と監督が必要不可欠です。正しく育てられたグレート・デーンは、子どもたちにとっては頼れる優しい存在となり、他の犬やペットにとっても落ち着いた共生相手となり得ます。家庭の一員として非常に調和しやすい犬種であると言えるでしょう。

運動量の多さ

グレート・デーンはその巨大な体格から「大量の運動を必要とする犬」と思われがちですが、実際には中等度の運動量で十分に満足する犬種です。ただし、体の成長や健康維持のためには適切な運動が欠かせず、その内容やタイミングには大型犬ならではの注意点があります。

まず、グレート・デーンは超大型犬のため関節や心臓に負担をかけやすい体質を持っています。特に成長期(生後18か月程度まで)は骨格や関節が未発達で非常に繊細な時期です。この時期に過度な運動をさせると、股関節形成不全や前十字靭帯損傷といった整形外科系のトラブルを引き起こすリスクが高まります。そのため、子犬の頃は長距離の散歩や激しいジャンプを避け、あくまで短時間で安全な遊びを中心にすることが推奨されます。

成犬になったグレート・デーンには、1日あたり1時間から1時間半程度の運動が目安とされます。これは1回の長い散歩ではなく、複数回に分けて無理なく行うのが理想的です。歩くスピードは飼い主に合わせてくれる個体が多いですが、その巨体を支える筋肉を維持するためにも、ある程度の距離を歩くことは欠かせません。また、ゆったりとした散歩だけでなく、広い場所で自由に体を伸ばせる時間を設けると、犬にとって精神的な満足感も得られやすくなります。

一方で、グレート・デーンは「瞬発力のある短距離ランナー」のような特徴を持ちます。ドッグランなどで短時間ダッシュを楽しむことは可能ですが、持久力はそれほど高くありません。過度に長いランニングや自転車での伴走は関節や心臓に負担が大きく、体調を崩す原因になり得ます。特に暑さに弱い犬種なので、夏場の運動は時間帯を工夫し、涼しい朝や夕方を選ぶことが不可欠です。

精神的な運動、つまり知的刺激も非常に重要です。グレート・デーンは賢く人の意図を敏感に読み取る犬種であるため、単調な散歩だけでは退屈してしまうことがあります。コマンドを取り入れた遊び、嗅覚を使ったトレーニング、パズル型の知育玩具などを活用することで、体だけでなく心も満たされます。これにより問題行動の予防にもつながるのです。

また、運動不足は肥満だけでなく心臓病や関節疾患を悪化させる大きな要因となります。一方で、過度な運動は逆に寿命を縮めてしまう可能性があるため、バランスの取れた運動計画を立てることが最も重要です。特に胃捻転を起こしやすい犬種であるため、食後すぐの激しい運動は避け、必ず休憩を挟む習慣を徹底する必要があります。

総じて、グレート・デーンは「適度な運動量で十分だが、質の高い運動が求められる犬種」といえます。日々の散歩や遊びを通して身体能力を維持しながら、知的刺激や安心できる環境を組み合わせることで、この巨体の犬は心身ともに健やかに過ごすことができます。飼い主が犬の体調や動きに敏感であり続けることが、グレート・デーンの運動管理において最も大切な姿勢なのです。

体の特徴・被毛・毛色の特徴

グレート・デーンは「犬の中の王者」と呼ばれることもあるほど、圧倒的な存在感と美しさを備えた超大型犬です。その体は筋肉質で均整が取れており、ただ大きいだけでなく、優雅さと力強さを兼ね備えています。犬種標準においても、そのシルエットやバランスの美しさは高く評価されており、芸術品のような犬とさえ称されることもあります。

まず体格についてですが、グレート・デーンは世界で最も背の高い犬種として知られています。オスの体高は80cmを超えることが一般的で、立ち上がると2メートル近くに達することもあります。体重はオスで60〜90kg、メスでも45〜60kgと、大人の人間に匹敵する重量感があります。しかし、その巨体は無駄に大きいわけではなく、しなやかな筋肉と長い四肢によってバランスよく支えられています。歩行時には気品あるステップを見せ、その姿はしばしば馬にたとえられるほどです。

頭部は大きく長い形をしており、額はわずかにストップ(額と鼻筋の段差)があり、口吻は深く力強い構造になっています。耳は本来垂れ耳ですが、国や地域によっては断耳が行われ、直立した姿で見られることもあります。近年では自然な姿を尊重する動きが広まっており、日本やヨーロッパの多くでは断耳されていない姿が一般的です。尾は根元が太く、先に向かって細くなり、自然に垂れ下がる形状をしています。

被毛は短く、体に密着して滑らかな質感を持ちます。毛量は少なくお手入れは比較的容易ですが、その短さゆえに寒さには弱く、冬場には防寒対策が欠かせません。抜け毛は季節の変わり目にやや増えますが、日常的には軽いブラッシングで十分に清潔を保つことができます。

毛色については非常に多彩で、犬種標準として認められている代表的なものは以下のとおりです。

1. フォーン(淡い黄褐色で、顔にブラックマスクが入る)
2. ブリンドル(フォーンを基調に黒の虎模様が入る)
3. ハールクイン(白地に不規則な黒斑が散る)
4. マントル(黒地に胸や四肢、顔に白のマーキング)
5. ブルー(青みがかったグレー)
6. ブラック(全身が黒一色)

これらはそれぞれ異なる魅力を持ち、同じ犬種でありながら毛色によって印象が大きく変わります。たとえばフォーンは王者の風格を漂わせ、ハールクインはダルメシアンのような華やかさを感じさせます。ブルーは気品があり、ブラックは重厚感を与えます。

また、体格の巨大さゆえに日常生活における注意点も存在します。たとえば、首の高さがそのままテーブルの高さと一致するため、食べ物を誤って盗み食いしてしまうリスクがあります。家具や住居のスペースも十分に確保しなければ、犬自身が自由に動けないだけでなく、人との生活が窮屈になってしまいます。そのため、グレート・デーンを迎える家庭には、犬の体格を受け入れるだけの環境的余裕が求められるのです。

総じて、グレート・デーンの体の特徴は「巨大であると同時に優雅である」という点に尽きます。短毛で毛色が多彩なことも、個体ごとの個性を際立たせています。その存在感は一度見たら忘れられないほど強烈でありながら、手入れは比較的容易というバランスも魅力のひとつです。この圧倒的な外見こそが、多くの人を惹きつけるグレート・デーン最大の特徴といえるでしょう。

里親・ブリーダー・値段

グレート・デーンは、その巨大な体格と穏やかな性格から世界的に人気のある犬種ですが、日本国内での流通はそれほど多くはありません。超大型犬という特性上、飼育環境や経済的な負担が大きいため、安易に繁殖されることが少なく、迎え入れる手段としては信頼できるブリーダーを通すのが一般的です。

まず値段についてですが、グレート・デーンの子犬はおおよそ20万円から40万円程度が相場とされています。ただし、血統や毛色、親犬のショー歴などによっては50万円以上になるケースも珍しくありません。特に人気の高いハールクイン(白地に黒斑)や、希少性のあるブルーなどの毛色は価格が上がりやすい傾向にあります。ペットショップでの取り扱いは非常に少なく、ほとんどの場合はブリーダーに直接問い合わせて予約を行う流れになります。

ブリーダーを選ぶ際には、単に価格だけでなく、健康管理や繁殖方針を重視することが何よりも大切です。グレート・デーンは遺伝的に胃捻転や心疾患、関節の問題を抱えやすいため、親犬の健康状態をしっかり管理しているブリーダーを選ばなければなりません。信頼できるブリーダーは、子犬の健康診断やワクチン接種の記録を提示するだけでなく、飼育環境を見せてくれる場合も多いです。また、超大型犬の飼育経験について詳しく説明してくれるブリーダーは、飼い主にとっても心強い存在となります。

一方で、里親という形で迎える方法も存在します。グレート・デーンは「飼育の大変さ」ゆえに手放されるケースが少なくありません。特に成犬になってから体の大きさや食費の負担に耐えきれず、里親募集に出される個体が現れることがあります。保護団体や里親募集サイトでは、まれにグレート・デーンが新しい家庭を探している情報を見つけられることがあります。里親として迎える場合、初期費用はブリーダーから迎えるより安く済む場合が多いですが、すでに成犬であることや、過去の飼育環境による行動上の問題を抱えている可能性を理解し、時間と愛情を持って接する覚悟が必要です。

また、飼育にかかる費用は購入時の価格以上に重要なポイントです。グレート・デーンは体が大きいため、食費は小型犬の数倍に達します。1か月あたりのフード代は1万5千円から2万円以上かかることも珍しくありません。さらに医療費も大型犬は高額になりやすく、手術や治療にかかる費用は小型犬よりも高額に設定されている場合が多いです。日常的な予防医療(フィラリア、ワクチン、ノミダニ予防)も犬の体重によって薬代が変わるため、年間の維持費は数十万円規模になります。

迎え入れるにあたっては、経済的な余裕だけでなく、住居環境の広さや運動スペースの確保も必須条件です。マンションや狭い住宅では生活が窮屈になりがちで、犬のストレスが増してしまいます。広い庭や十分な散歩コースを確保できる環境であれば、グレート・デーンはその穏やかな性格を十分に発揮し、家庭に安心感をもたらしてくれるでしょう。

総合的に見ると、グレート・デーンを迎える方法としては「信頼できるブリーダーから子犬を迎える」か「里親として成犬を受け入れる」かの二択となります。いずれにせよ、この犬種は飼育における覚悟と環境的な条件を満たした家庭でこそ、その魅力を最大限に発揮できます。価格だけにとらわれず、長期的な視点で考えることが、グレート・デーンと幸せに暮らすための第一歩といえるでしょう。

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