パピヨンの原産国フランスで、起源については明確になっておらず、諸説あります。
一説では、『スパニッシュ・ドワーフ・スパニエル』というスペイン原産のスパニエル系の犬種が始祖犬だという説や、 スピッツ系が混ざっている説が有力です。
歴史的には、16世紀頃までさかのぼり、当時のヨーロッパで人気を博していました。
王室や上流階級の人々に飼われていたようです。
19世紀には、フランスやベルギーにおいて、チワワやスピッツと交配され、今の立ち耳の形になっています。
『パピヨン』という名前の由来は、その大きなとがった立ち耳が、 フランス語で蝶を意味する『パピヨン』に似ていることから来ています。
一方、立ち耳ではなく耳が垂れているパピヨンのタイプも存在し、 『ファレン』というフランス語で蛾を意味する呼び名で呼ばれています。
また、しっぽのくるっとした内巻きのカーブがまるでリスのようであるという意味で 『スクウィール(=リス)・スパニエル』と呼ばれることもあります。
パピヨンは、愛らしい見た目に加えて非常に頭の回転が速く、学習能力の高い犬種として知られています。犬種別の知能ランキングでは常に上位に位置し、物事の理解力や新しいコマンドの習得スピードに優れています。そのため、しつけという面では比較的取り組みやすい犬種であるといえるでしょう。しかし、単に「頭が良いからしつけが簡単」というわけではなく、飼い主の対応や生活環境によっては、かえって賢さが裏目に出ることもあります。
まず、パピヨンは飼い主の感情や雰囲気を敏感に察知する能力を持っています。例えば、しつけの際に飼い主が感情的になって声を荒げたり、場当たり的にルールを変えてしまったりすると、犬は混乱し、逆に望ましくない行動を覚えてしまうことがあります。そのため、パピヨンのしつけにおいては「一貫性」と「冷静さ」が非常に重要です。家庭内で指示の言葉やルールを統一することで、犬に混乱を与えずにスムーズに学習させることができます。
また、パピヨンは好奇心旺盛で新しいことを試すのが好きな性格を持っているため、トレーニングをゲーム感覚で取り入れると効果的です。短時間で集中力を発揮しますが、長時間同じことを繰り返すと飽きやすいため、しつけのセッションは1回あたり5〜10分程度に区切り、楽しさを維持しながら進めるのが望ましいでしょう。特に「おすわり」「まて」「おいで」といった基本的な指示は早い段階で覚えることができ、日常生活でも役立ちます。
ただし、パピヨンは体が小さいことから、飼い主がつい甘やかしてしまいがちです。小型犬にありがちな「小さいから多少わがままでも仕方ない」という対応を続けると、無駄吠えや要求吠え、抱っこをせがむ行動などが強く出てしまう場合があります。これらは後々大きな問題行動に発展しやすいため、たとえ小さな体でも「一頭の犬」として扱い、ルールを守らせることが必要です。
さらに、パピヨンは警戒心が強い一面を持つため、来客や外の音に敏感に反応して吠えることがあります。これは番犬的な役割を果たす反面、住宅環境によっては近隣トラブルの原因となりかねません。このような無駄吠えを防ぐためには、社会化のトレーニングを幼犬期から積極的に行うことが不可欠です。人や他の犬、さまざまな環境に慣れさせることで、不必要な緊張や恐怖心を和らげることができます。
また、トイレトレーニングに関してもパピヨンは比較的覚えやすい犬種とされていますが、飼い主が油断して中途半端に取り組むと失敗が続きやすくなります。特に子犬期には排泄の回数が多く、成功体験を積ませることが肝心です。決まった場所に誘導し、成功したらすぐに褒めて報酬を与える。この繰り返しによって短期間で習得させやすくなります。
総じて、パピヨンは知能が高く学習意欲もあるため、しつけのしやすい犬種といえます。しかし同時に、その頭の良さから「望ましくない習慣」もあっという間に覚えてしまうリスクがあります。飼い主が正しい接し方を理解し、遊びやトレーニングを通してポジティブに導いていくことが、良好な関係性を築く鍵となります。
パピヨンは、蝶のように広がった優雅な耳を持つ姿からもわかるように、外見だけでなく性格も非常に魅力的な犬種です。基本的には明るく活発で、人と接することを心から楽しむ社交的な性格を持っています。そのため家庭犬として長い歴史を歩んできた背景もあり、飼い主や家族に強い愛情を注ぐ傾向が見られます。
まず特筆すべきは、パピヨンが非常に「人懐っこい」犬であるという点です。飼い主と過ごす時間を何よりも大切にし、常にそばに寄り添いたがります。抱っこされることや遊びに誘われることを喜びと感じ、愛情表現も豊かです。そのため一緒に暮らす家族にとっては、まるで小さなパートナーのような存在になります。ただし、人との絆を強く求める性質ゆえに、長時間の留守番はあまり得意ではありません。孤独が続くと不安やストレスを感じ、吠えたりいたずらをしたりすることもあるため、この点には注意が必要です。
また、パピヨンは小型犬の中でも特に「聡明さ」と「好奇心旺盛さ」が際立っています。初めて見るものや聞く音に対して敏感に反応し、状況を観察する力が優れています。こうした特性は遊びや学習の面ではプラスに働きますが、裏を返すと警戒心の強さにもつながります。見知らぬ人や犬に対しては、初対面の段階では少し距離を取ることが多く、場合によっては吠えて自己防衛を示すこともあります。これは臆病さというよりも、自分の身を守るための自然な反応です。したがって、子犬のうちからさまざまな人や犬と接する機会を作り、社会化をしっかり行えば、より穏やかでフレンドリーな性格に育ちやすくなります。
パピヨンの気質の中で特に魅力的なのは、遊び好きで快活なところです。ボール遊びや知育玩具を使った遊びはもちろん、散歩中に新しい匂いを嗅いだり、走り回ったりすることを大いに楽しみます。家族と一緒に体を動かすことで、心身のバランスを取りながら健やかに育つことができます。このような前向きで活発な性格は、家庭に明るさをもたらし、子どもや高齢者にとっても癒しとなるでしょう。
一方で、パピヨンは自立心を持ちながらも強い甘えん坊な一面があります。これは飼い主にとって大変愛らしい部分ではありますが、過度に依存させてしまうと分離不安を招きやすくなります。常に抱っこをして過ごす、あるいは甘やかして要求に応え続けると、「吠えれば構ってもらえる」と学習してしまい、落ち着きのない行動につながる恐れもあります。パピヨンが持つ愛情深さを健全に育むためには、日常の中で適度に自立を促すことも大切です。
性格のもう一つの特徴は、状況判断力に優れている点です。パピヨンは家族の雰囲気を敏感に察知し、嬉しい時や落ち込んでいる時に寄り添う姿がよく見られます。小さな体ながらも「家庭のムードメーカー」としての役割を果たしてくれる存在です。ただし、その敏感さが度を超えると、ストレスや環境の変化に強く反応しやすくなり、体調不良や行動面の不安定さを見せることもあります。したがって、落ち着いた環境で安心して過ごせるように配慮することが大切です。
総じて、パピヨンは活発で人懐っこく、家族に深い愛情を注ぐ性格を持ちながらも、警戒心や甘えん坊な一面を併せ持つ犬種です。正しい社会化とバランスのとれた接し方を心がけることで、気性はさらに穏やかになり、家庭にとって理想的な伴侶犬となるでしょう。
パピヨンは小型犬の中でも比較的健康的で長寿な犬種として知られており、平均寿命は13〜16年ほど、なかには17〜18年といった高齢まで元気に過ごす個体も珍しくありません。長生きできる要因のひとつには、体格が小さく骨格が軽やかであり、他の小型犬に比べて極端な短頭種の特徴や呼吸器の問題を持たない点が挙げられます。しかし、健康面で全く問題がないというわけではなく、遺伝的に発症しやすい病気や、体の小ささゆえに注意が必要な怪我のリスクも存在します。
まず、パピヨンに比較的多く見られる疾患の一つに「膝蓋骨脱臼(パテラ)」があります。これは膝のお皿が外れやすくなる症状で、小型犬全般に多く見られます。初期段階では足を一時的に引きずる程度で自然に元に戻ることもありますが、進行すると歩行困難や関節の変形を招く恐れがあります。パピヨンは活発でよく跳ね回るため、フローリングなど滑りやすい床での生活はリスクを高めます。予防のためには、滑り止めマットを敷いたり、ジャンプや段差の上り下りを控える工夫が必要です。
次に注意すべきなのは「歯の病気」です。小型犬は顎が小さく歯並びが密集しやすいことから、歯垢や歯石が溜まりやすく、歯周病を起こしやすい傾向があります。特にパピヨンは寿命が長い分、口腔ケアを怠ると高齢期に歯が抜けたり、全身疾患につながるリスクも高まります。子犬のうちから歯磨き習慣をつけ、定期的なデンタルチェックやスケーリングを行うことが健康寿命の延長につながります。
また、パピヨンは「進行性網膜萎縮(PRA)」や「白内障」など、遺伝性の目の病気にかかる可能性があります。これらは徐々に視力が低下し、最終的には失明に至ることもある疾患です。発症を完全に防ぐことは難しいですが、ブリーダーが遺伝子検査を行い、発症リスクを持つ個体を繁殖から外す取り組みが進められています。飼い主としては、定期的な眼科検診を受け、異変に早く気づくことが重要です。
心臓疾患もパピヨンで注意したい病気の一つです。特に「僧帽弁閉鎖不全症」は小型犬に多く、高齢になると心雑音が確認されるケースがあります。進行すると咳や呼吸困難を引き起こすため、定期的な健康診断で早期発見し、内服薬によって進行を遅らせることが求められます。
怪我の面では、パピヨンの体の小ささが大きなリスクとなります。特に高い場所からの落下や、ドアや家具に挟まれる事故は骨折につながりやすいです。骨が細いため、大型犬であれば問題にならない程度の衝撃でも、大きな怪我をする可能性があります。小さな子どもと同居する家庭では、不用意に抱き上げたり落としたりしないよう注意を払うことが大切です。
さらに、パピヨンは活発な性格から運動好きな一面を持っていますが、過剰な運動や激しい遊びは関節や心臓への負担になることもあります。適度な散歩や知育玩具を使った室内遊びで体と頭をバランスよく使わせることが、健康の維持につながります。
総合すると、パピヨンは全体として丈夫で長寿な犬種ですが、膝や歯、目、心臓といった特定の部位には注意が必要です。予防と早期発見を意識したケアを続ければ、寿命の長さだけでなく「健康に過ごす時間」をより多く確保できるでしょう。パピヨンの生涯を通じて細やかな観察と愛情あるケアを心がけることが、何よりも大切です。
パピヨンは、明るく人懐っこい性格を持つため、家庭での同居に適した犬種といえます。もともと愛玩犬として長い歴史を歩んできたこともあり、人との生活に馴染みやすく、他の犬や子どもとの暮らしにも比較的適応しやすい傾向があります。ただし、体の小ささや繊細さから、同居にあたっては注意点も多く存在します。
まず、他の犬との相性についてです。パピヨンは活発で遊び好きな性格をしており、フレンドリーに他犬と接することができる場合が多いです。特に幼犬期から社会化をしっかり行い、他犬との触れ合いを経験させておけば、犬同士の交流を楽しむことができるようになります。小型犬同士であれば遊び方のバランスも取りやすく、良き遊び仲間となることが多いでしょう。ただし、大型犬との同居には少し注意が必要です。パピヨンは体重2〜4kgほどの小柄な体格をしているため、力の強い犬にじゃれつかれるだけでも怪我をしてしまう可能性があります。遊びの際には必ず飼い主が見守り、無理な接触を避けるよう配慮することが大切です。
また、パピヨンは知能が高く、自己主張をする面も持っています。そのため、気の強い犬と同居する場合は、相性を慎重に見極める必要があります。縄張り意識が強い犬や支配欲の強い犬と一緒にすると、パピヨンがストレスを感じてしまうこともあります。逆に、穏やかな性格の犬や遊び好きな犬とは、互いに刺激を与え合いながら良好な関係を築くことができるでしょう。
次に、子どもとの同居についてです。パピヨンは陽気で愛情深いため、子どもに対しても基本的には友好的に接することができます。遊ぶことが好きな性格から、子どもと一緒にボール遊びやかけっこを楽しむことも可能です。ただし、注意すべきはその体の繊細さです。小型犬の中でも特に骨が細いため、子どもが抱っこをする際に落としてしまったり、強く抱きしめたりすると、骨折や関節の脱臼といった大きな怪我につながりかねません。特に幼児の場合は力加減が難しく、犬にとってストレスや危険となる行動を無意識にとってしまうことがあります。そのため、小さな子どもがいる家庭では必ず大人が同伴し、犬と子どもの関わり方を見守ることが必要です。
さらに、子どもとの関係においては「犬にとって安心できる居場所」を確保してあげることも大切です。子どもが遊びたい気持ちで犬を追いかけ回してしまうと、パピヨンは逃げ場を失って不安を感じるようになります。クレートやベッドなど、安心して休めるスペースを用意し、犬がそこに入ったときはそっとしておくよう子どもに教えることで、双方にとって心地よい関係を築くことができます。
パピヨンは人間と同じように個体差があります。ある子はとても社交的で、他犬や子どもと遊ぶことを楽しみますが、別の子は慎重で、初対面には少し距離を置くタイプもいます。そのため、無理に交流させるのではなく、パピヨンの性格やペースを尊重してあげることが大切です。適切なタイミングでゆっくりと慣れさせることで、良好な関係を築ける可能性が高まります。
総合的に見ると、パピヨンは家庭での同居に向いている犬種であり、正しい接し方を心がければ、他の犬や子どもと楽しく暮らすことができます。ただし、その体の小ささと繊細さゆえに、少しの不注意が大きな怪我につながるリスクもあります。飼い主が適切に環境を整え、子どもや他犬との接し方を管理することで、安心して共に過ごすことができるでしょう。
パピヨンは見た目こそ華奢で優雅な小型犬ですが、その印象に反して非常に活発で運動好きな犬種です。もともとスパニエル系の血統を持ち、愛玩犬でありながら俊敏な動きや持久力を兼ね備えているため、運動に対する欲求は小型犬の中でも高い部類に入ります。飼い主の生活に合わせて柔軟に適応できる犬種ではあるものの、運動不足にするとストレスや問題行動につながるため、適切な運動量を確保することが重要です。
パピヨンに必要な散歩量は、一般的に1日あたり30分〜1時間程度とされています。小型犬の中では比較的多めで、ただの短いトイレ散歩だけでは不十分です。朝夕2回に分けてしっかり歩かせるのが理想で、天候が悪い日や外出が難しい場合は室内遊びで代替する必要があります。特にパピヨンは好奇心旺盛で新しい刺激を求める傾向があるため、散歩コースを変えたり、匂い嗅ぎの時間を十分に与えたりすることで精神的にも満たされます。
また、パピヨンは運動神経が高く、俊敏な動きが得意です。軽やかなステップや素早い反応は、アジリティ競技やドッグスポーツにおいても活かされ、実際に競技犬として活躍する個体も少なくありません。家庭でもボール遊びやフリスビーなどを取り入れると大変喜び、持ってこい遊びを通して運動と知的刺激を同時に満たすことができます。さらに、知能が高いため単調な運動よりも工夫を凝らした遊びを好む傾向があり、パズル型のおもちゃやトリックトレーニングを組み合わせることで飽きずに楽しめます。
ただし、パピヨンは体が小さいため、過度な運動やジャンプには注意が必要です。特に膝蓋骨脱臼や骨折のリスクを考えると、硬い地面での激しいボール遊びや階段の昇降は避ける方が望ましいです。芝生やカーペットの上で遊ぶ、段差の少ない場所で走らせるなど、安全面を意識した運動環境を整えることが大切です。また、夏場の暑さや冬の寒さには体が弱いため、気温や天候に合わせて散歩時間を調整することも欠かせません。
運動に関してもう一つ重要なのは「質」と「量」のバランスです。パピヨンはスタミナがあるとはいえ、大型犬のように長距離のジョギングを必要とするわけではありません。むしろ短時間でも集中して遊ぶ方が効果的です。1回あたりの運動時間を長くするよりも、1日の中で複数回に分けてこまめに体を動かすことが向いています。また、運動だけでなく頭を使う活動も取り入れることで、精神的な満足度を高めることができます。
運動不足になると、パピヨンはストレスを発散するために吠える、家具をかじる、落ち着きがなくなるといった行動を示すことがあります。特に知能が高いため「退屈」に弱く、精神的な刺激を求めて問題行動を起こすことが多いのです。そのため、飼い主は単に散歩をこなすだけでなく、犬にとって「楽しい時間」になるよう意識して取り組む必要があります。
総じて、パピヨンは小型犬の中では運動量が多く、アクティブに過ごすことを好む犬種です。ただし、その運動は無理のない範囲で安全に行うことが前提となります。散歩・遊び・知的活動をバランスよく取り入れることで、心身ともに健康で満ち足りた生活を送ることができるでしょう。飼い主と一緒に楽しめる活動が多いため、パピヨンの運動は家族にとっても充実した時間となるはずです。
パピヨンは、その名が示すように「蝶」を意味するラテン語に由来しており、大きく広がった耳がまるで蝶の羽のように見えることからこの名前がつけられました。愛玩犬としてヨーロッパの貴族に愛されてきた歴史を持ち、優雅で気品ある外見は現在でも多くの人々を魅了しています。見た目の華やかさに反して、実際には活発で丈夫な体を持ち合わせており、小型犬として理想的なバランスを備えている犬種です。
まず体格についてですが、パピヨンは小型犬に分類され、成犬の体重はおよそ2.5〜4.5kg、体高は20〜28cmほどと非常にコンパクトです。ただし小さいながらも骨格はしっかりとしており、華奢すぎる印象はありません。体はやや長方形に近く、軽やかで俊敏な動きを可能にしています。そのため、ただ抱っこされて可愛がられるだけではなく、散歩や遊びを楽しむパートナーとしても活躍できるのが特徴です。
最大の特徴である耳には2つのタイプが存在します。ひとつは広げた蝶の羽のように大きく立ち上がった「パピヨン(立ち耳)」、もうひとつは耳が垂れ下がっていて蛾の羽のように見える「ファレン(垂れ耳)」です。どちらも国際畜犬連盟(FCI)においては同じ犬種として認められていますが、一般的には立ち耳のパピヨンが広く知られています。耳は豊かな飾り毛で覆われ、成長すると絹のように美しい毛が垂れ下がり、優雅さを際立たせます。
被毛はシングルコートで、柔らかく絹のような質感を持ちます。ダブルコートの犬に比べると抜け毛は少ない方ですが、季節の変わり目にはやや多く抜けるため、定期的なブラッシングは欠かせません。毛並みは直毛で長さは中程度から長め、特に耳、胸、尾、足の飾り毛が豊かで、この犬種独特の華やかさを生み出しています。尾は豊かに毛が生え、背中に優雅に垂れかかるように巻き上がるのが理想的とされています。
毛色はバリエーションが豊富で、ホワイトを基調にさまざまな色が混じるのが特徴です。代表的なのはホワイト&ブラック、ホワイト&レッド、ホワイト&セーブル、ホワイト&ブラウンなどで、顔の模様の入り方によっても印象が大きく変わります。特に顔にはシンメトリーなマーキングが好まれる傾向にあり、これが表情の美しさをさらに引き立てます。とはいえ、家庭犬として迎える場合は毛色や模様の入り方にこだわりすぎる必要はなく、それぞれの個体に唯一無二の魅力があると考えるとよいでしょう。
体の特徴として注目すべき点のひとつに、足の形があります。パピヨンは「ウサギ足」と呼ばれる形をしており、指がやや長めで細く、軽やかに跳ねるような動きを可能にしています。これにより、俊敏な動きや方向転換が得意で、運動能力の高さにもつながっています。
手入れの面では、被毛が絡まりやすいため定期的なブラッシングが欠かせません。特に耳や胸の飾り毛は毛玉ができやすいため注意が必要です。毛がシルクのように細いため、引っ張って無理に解くと痛みを伴い、犬がブラッシングを嫌がる原因となります。スリッカーブラシやコームを使い、優しく毛並みを整えることが推奨されます。また、被毛に匂いがつきにくい特徴があるため、シャンプーは月に1回程度で十分です。
総じて、パピヨンは小型犬でありながら優雅さと俊敏さを兼ね備えた犬種です。蝶のような耳と豊かな被毛、そして多彩な毛色の組み合わせは、世界中の愛犬家を魅了してやみません。その見た目の美しさを維持するには、日々の手入れと適切なケアが欠かせませんが、それは飼い主と犬との絆を深める時間にもなります。
パピヨンは日本でも人気の高い小型犬種であり、ペットショップやブリーダーから比較的容易に入手できる犬種のひとつです。しかし、迎え入れる際には「どこから迎えるか」「どのような背景を持った個体か」という点をしっかり考慮する必要があります。単に可愛いという理由だけで選ぶのではなく、健康面や性格、さらには命の背景まで考えて判断することが大切です。
まず値段についてですが、ペットショップやブリーダー経由で迎える場合、パピヨンの価格相場はおおよそ20万円〜40万円程度です。特に血統が良く、ショードッグとして活躍できる素質を持つ子犬や、毛色やマーキングが理想的とされる個体は、50万円を超えることも珍しくありません。一方で、顔の模様が左右非対称であったり、耳の形やサイズが基準から外れている場合は、同じ健康な個体でも価格がやや抑えられる傾向があります。ただし、家庭犬として暮らすのであれば見た目の「理想基準」にこだわる必要はなく、性格や健康状態を重視することが望ましいです。
ブリーダーから迎えるメリットは、親犬の健康状態や性格を確認できる点にあります。信頼できるブリーダーは遺伝性疾患の検査を行い、繁殖犬の健康や社会化に配慮しています。そのため、膝蓋骨脱臼や目の疾患、心臓病といった遺伝的に起こりやすい病気のリスクを減らすことが可能です。また、子犬の時期にしっかりと社会化トレーニングを行ってくれるブリーダーも多いため、人懐っこく落ち着いた性格の子を迎えやすいのも大きな利点です。購入を検討する際には、親犬や兄弟犬の様子を見学し、環境が清潔で適切に管理されているかを確認することが重要です。
一方で、里親制度を通じてパピヨンを迎えるという選択肢もあります。保護団体や動物愛護センターには、飼育放棄や繁殖リタイア犬として保護されたパピヨンが新しい家庭を探していることがあります。里親募集の場合、譲渡費用は医療費やワクチン代として数万円程度であることが多く、ペットショップで購入するよりも費用は抑えられます。ただし、譲渡条件として「先住動物との相性」「飼育環境の確認」「終生飼育の誓約」などが課されることが一般的です。こうした条件は犬の幸せを守るために設けられているため、責任を持って迎える意思があるかを見極める機会にもなります。
保護犬のパピヨンを迎える場合、子犬よりも成犬やシニア犬であることが多い点も考慮しなければなりません。すでに成長しているため性格がはっきりしており、里親希望者は自分の生活スタイルに合った子を選びやすいという利点があります。ただし、過去にネグレクトや放棄を経験した犬は、人や環境に慣れるまで時間がかかることもあります。迎え入れる側には忍耐強さと理解が必要ですが、その分、信頼関係を築いたときの喜びは大きなものとなるでしょう。
また、インターネット上の個人売買サイトや安易なブリーダーからの購入は避けるべきです。こうしたルートでは遺伝病の検査や社会化が不十分である場合が多く、迎えた後に健康トラブルや行動問題に悩まされる可能性が高まります。特にパピヨンのような人気犬種は繁殖乱用の対象になりやすいため、信頼できる情報源から迎えることが犬にとっても飼い主にとっても幸せにつながります。
総合すると、パピヨンを迎える方法には「ブリーダーから購入」「ペットショップから購入」「保護犬の里親になる」といった選択肢があります。それぞれにメリットと注意点があり、どの方法を選ぶにしても大切なのは「命を預かる責任を自覚すること」です。価格や見た目だけに左右されず、健康状態や性格、そして自身のライフスタイルに合うかどうかを重視することが、パピヨンと長く幸せに暮らすための第一歩となります。
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こんにちは、はじめまして。私は最近パピヨンをお迎えして、まだまだ飼い主としては新米です。パピヨンの可愛さに癒されている毎日で、こっちが元気をもらっている感じです。けれど、小さい体でおてんばな動きを毎日しているのを見ているうちに、この子がどんな病気になりやすいのかなってふと思ったので、同じようにパピヨンを飼っている方や犬に詳しい方がいたら、ぜ
.......(続きはここをクリック)こんにちは!4歳のパピヨンと暮らしてます。最近、愛犬用のハーブサプリメントが気になっていて、みなさんの体験談を聞きたくて投稿しました。
実は、うちの子、ここ最近ちょっと疲れ気味というか、元気がないような気がして…。お友達から「うちの子はハーブサプリ始めてから調子いいよ!」って勧められたんですけど、正直不安で踏み切れてません。
S
.......(続きはここをクリック)はじめまして!パピヨン(♀)2歳を飼っている26歳です。実は今日、お風呂に入れようとした時に気づいたことがあって、心配で投稿させていただきました。
お腹の部分と脇の下が、なんだか黒ずんできているんです。。。しかも、その部分をすごく痒がっていて、私が止めても止めても掻いちゃうんです😭
最初は汚れかな?って思って優しく拭いてみたんで
.......(続きはここをクリック)パピヨンを飼ってる者です。最近、おもちゃ代がかさんでるなぁって思って。みなさんってどのくらい使ってるのか気になります。
うちの子、おもちゃフェチで。新しいの見せると目をキラキラさせて、すぐに夢中になっちゃうんです。でも、1週間もすると飽きちゃって。それでまた新しいのを買って...の繰り返し。
特に困るのが、ぬいぐるみ系のおもちゃ
.......(続きはここをクリック)こんにちは、初めて投稿させていただきます。実は今、パピヨンをお迎えしようかと真剣に検討していて、でも犬を飼うのは初めてなので分からないことだらけで困っています。
パピヨンって見た目がとても上品で美しくて、あの大きな耳がチャームポイントですよね。でも実際の性格がどうなのかが気になっていて、特に人懐っこさについて知りたいんです。
私
.......(続きはここをクリック)パピヨン(♀)1歳を飼っている者です。最近、気になる行動があって投稿させていただきました。
うちの子、急に走り回り始めて、自分のしっぽを追いかけるような行動をするんです。最初は可愛いなって思ってたんですが、最近ちょっと頻度が増えてきて心配になってきました。。。
特に夕方とか、私が仕事から帰ってきた後によくやります。クルクル回って
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