【小さくて元気な白いやつ、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)】

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)の基本情報(性格・しつけ・病気など)

 
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ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)
[英記]:West Highland White Terrier

    ◇基本データ
  • ・サイズ:  小型犬
  • ・体高:25cm~30cm
  • ・体重:6kg~10kg

  • ◇起源・歴史・沿革・系統:
  • ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、スコットランド原産のテリア種を始祖犬 (ケアーンテリアやスコティッシュ・テリアが有力)とする犬種になります。
    品種改良の過程で、白い毛色の子犬だけを選んで進化させたとも言われています。

    元々は小型動物用の狩猟犬として飼われていたため、狩りの際に獲物と間違って撃ってしまったりしないように白毛色の犬種として改良されたという説も存在します。

    当初は「ポルタロック・テリア」という呼び名でしたが、のちに「ウエスト・ハイランド・ホワイトテリア」という今の名前になりました。
    また、『ウエスティ』の愛称でも親しまれています。


    ◇こんなスタイルで犬を飼いたい方・こんな状況の方との相性Good!!
    ・以前犬を飼ったことがある 。しっかりしつけを行える
    ・小さいお子様や小動物との同居は発生しない
    ・毎日、運動をさせてあげることができる(ただし、運動量は多くは必要なし)
    ・愛犬の病気・けがが心配なので、健康上のリスクは比較的少なく生活したい
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)のメイン写真 ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)の特徴評価グラフ

しつけのしやすさ

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、スコットランド原産のテリア種であり、本来は小動物の狩猟を目的として改良されてきました。
そのため、非常に活発で独立心が強く、自己主張もはっきりしています。しつけのしやすさという観点では、初心者が何の準備もなく迎えるとやや難しく感じることが多い犬種です。しかし、適切な方法で根気よく対応すれば、非常に賢く学習能力も高いため、指示やルールを理解し、良き家庭犬として成長してくれます。

まず、しつけにおいて大切なのは「一貫性」です。ウエスティは人の態度や習慣をよく観察しているため、家族の誰かがルールを守らずに接するとすぐに理解し、隙を突いてしまいます。例えば、テーブルから食べ物を与えてしまう人が一人でもいれば、「この人の前ではおねだりをすればもらえる」と学習し、行動が固定化してしまいます。したがって、家族全員が統一したルールを守り、犬に対してブレのない対応を取ることが重要です。

また、テリア種特有の頑固さがあるため、強制的に従わせようとすると反発心を強め、学習意欲が低下します。叱るよりも「望ましい行動をしたら褒める」ポジティブトレーニングの方が効果的です。例えば、散歩中に他の犬へ吠えてしまう場面では、吠える前に飼い主へ注目する習慣をつけ、できたらすぐにおやつで褒めるという手法が有効です。このように「良い行動を選ぶと報酬が得られる」と理解させることで、学習がスムーズに進みます。

加えて、ウエスティは好奇心が旺盛で、環境の刺激に敏感です。そのため、社会化のトレーニングを子犬の頃から徹底することが欠かせません。さまざまな人や犬、生活音に慣れさせておくことで、成犬になってからの無駄吠えや過度な警戒心を防ぐことができます。特にウエスティは番犬気質が強いため、不審な物音や訪問者に対して吠える傾向が出やすいのですが、子犬期に「静かにしていると褒められる」という経験を積ませることで、過剰な警戒心を抑えることが可能です。

一方で、狩猟本能の強さから、動く小さな動物(猫、リス、ハムスターなど)を追いかける習性があります。この点については完全に消すことは難しいため、散歩中は必ずリードを着用し、家庭内では小動物との同居を避けるなど環境でコントロールするのが現実的です。しつけで「追いかけないこと」を教えるのは困難なので、「安全を確保するための工夫」を優先する必要があります。

しつけをスムーズに進めるもう一つのポイントは「十分な運動と遊び」です。ウエスティは小型犬でありながらエネルギッシュなため、心身にエネルギーが余っていると問題行動(吠え癖、家具を噛む、いたずら)が出やすくなります。日常的に散歩やボール遊びでエネルギーを発散させると、落ち着いて学習に向き合うことができます。逆に、運動不足の状態でトレーニングを行っても集中力が続かず、成果が出にくいという特徴があります。

総合的に見ると、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのしつけは「やや難易度は高いが、正しい方法で向き合えば必ず成果が出る」タイプです。飼い主に求められるのは忍耐強さと一貫性、そして犬の持つ本能や性格を理解する姿勢です。しつけを単なる命令の強制ではなく、犬との信頼関係を築くプロセスと考えることで、ウエスティは素晴らしいパートナーとなるでしょう。

気性の穏やかさ・性格

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)は、その愛らしい白い被毛と表情豊かな顔立ちから「ぬいぐるみのように可愛い小型犬」という印象を持たれることが多いですが、性格面は見た目の印象とは異なり、テリアらしい気質を色濃く残しています。
つまり、ただの甘えん坊で穏やかな家庭犬というよりも、「独立心が強く、勇敢で、好奇心旺盛で、時に頑固」という個性を持っています。この性格を理解したうえで接することが、ウエスティと良い関係を築くための第一歩です。

まず、ウエスティの最大の特徴は「明るく陽気で人懐こい」という性格です。飼い主や家族に対しては非常に愛情深く、遊び好きで、常に一緒にいたいと望む傾向があります。小型犬の中でも比較的フレンドリーで、初対面の人にも物怖じせずに近づいていく個体が多く見られます。そのため、家庭犬としては十分に愛される性格を備えているといえるでしょう。

一方で、テリア種の血を受け継いでいるため、「強気」「大胆」「自己主張が強い」という面も同時に持ち合わせています。小さな体にもかかわらず、自分を大型犬と同じくらい強い存在だと感じているような振る舞いを見せることがあります。たとえば、自分より大きな犬に向かって吠えたり、遊びの中でも負けん気を発揮したりすることがあります。これは攻撃性というよりも「自分を誇り高く思うテリア特有の気質」といえます。

また、頑固さも目立つ性格の一つです。自分が「こうしたい」と思ったときに、飼い主の指示に従わずマイペースに行動することも珍しくありません。特に散歩中など外部の刺激が多い状況では、自分の関心を優先して動こうとするため、飼い主がしっかりリーダーシップを取る必要があります。この「頑固さ」は初心者にとって扱いにくいと感じる要因となる一方で、逆に言えば「芯が強く、簡単には動じない安定感」を持つとも解釈できます。

性格の中で見逃せないのは「遊び好きで、常にエネルギッシュ」という点です。ウエスティは生来の狩猟犬であり、小動物を追いかける本能が根強く残っています。そのため、動くものに対して敏感に反応し、遊びを通じてエネルギーを発散しようとします。ボール遊びや引っ張り合い、知育トイを使った遊びなどを通じて心身を満たしてあげると、満足感が得られて穏やかな時間を過ごせるようになります。逆に刺激や遊びが不足すると、いたずらや吠えなどの問題行動につながる場合があります。

もう一つの性格的な特徴は「警戒心の強さ」です。ウエスティは見知らぬ音や来客に対して敏感に反応し、吠えることがあります。これは「番犬として優れた特性」ともいえますが、都市部で生活する場合や静かな環境を望む場合にはデメリットになることもあります。ただし、過度な攻撃性を持つわけではなく、基本的には「吠えて存在を知らせる」という程度にとどまることが多いため、適切にしつけを行えばコントロール可能です。

家庭内においては、愛情深く甘えん坊な一面も強く出ます。飼い主と一緒に過ごす時間を好み、抱っこや撫でられることを喜ぶ個体も少なくありません。自分が家族の一員であることを強く意識し、孤独や放置に弱い面があるため、長時間の留守番が続くとストレスが溜まりやすくなります。こうした性格のため、共働きで長時間家を空ける家庭よりも、一緒に過ごす時間を確保できる環境に向いているといえます。

総合的にまとめると、ウエスティの性格は「明るく人懐こく、勇敢で自己主張が強い」犬種です。穏やかさだけでなく、独立心や強気な面も併せ持つため、飼い主がその性格を理解し、適切に付き合うことが求められます。
きちんと遊びや運動を通じてエネルギーを発散させ、ルールを理解させることで、持ち前の陽気さと愛情深さが前面に出て、魅力あふれる家庭犬として輝く存在になるでしょう。

病気・けがへの強さ・寿命

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)は、小型犬としては比較的頑健な体を持ち、平均寿命も12〜15歳と安定して長寿な犬種です。なかには16歳、17歳まで元気に過ごす個体も報告されており、適切な飼育と健康管理ができれば、長く家族と共に暮らすことができる犬です。しかし一方で、遺伝的にかかりやすい病気がいくつか知られており、特に皮膚疾患やアレルギー、骨や関節の病気、呼吸器系のトラブルには注意が必要です。

まず、ウエスティに最も多く見られる健康上の問題は「皮膚疾患」です。特に「アトピー性皮膚炎」「アレルギー性皮膚炎」「マラセチア皮膚炎」などが代表的です。これはウエスティがもともと湿度の低いスコットランドの気候に適応していた犬種であることも関係しており、日本の高温多湿な環境では皮膚トラブルが起こりやすくなります。発症すると、体をかゆがって掻きむしる、皮膚が赤くなる、脱毛が進むといった症状が見られます。予防のためには、こまめなシャンプーや清潔な生活環境の維持、食事の見直しが欠かせません。特に食物アレルギーも多いため、アレルギー検査や低アレルゲンフードの導入が有効です。

次に注意したいのが「整形外科系の病気」です。ウエスティは小型犬ながら活発に動き回るため、膝蓋骨脱臼(パテラ)を発症するリスクがあります。これは膝のお皿がずれてしまう病気で、軽度では足をかばって歩く程度ですが、重度になると手術が必要になることもあります。また、大腿骨頭壊死症(レッグ・カルベ・ペルテス病)も小型犬に見られる疾患で、股関節の骨が壊死して歩行に支障をきたします。これらの病気は遺伝的要因も関係していますが、過度な運動や滑りやすい床環境も悪化要因となるため、日常生活での環境づくりが重要です。

呼吸器系では、「気管虚脱」に注意が必要です。小型犬では比較的多い疾患で、気管が押しつぶされるように変形してしまい、咳や呼吸困難の症状を示します。特に首輪で強く引っ張ることが悪化要因となるため、ウエスティには首輪よりも胴輪(ハーネス)の使用が推奨されます。また、肥満もリスクを高めるため、適正体重を維持することが予防につながります。

ウエスティ特有の遺伝病としては「ウエスティ肺線維症」が知られています。これは慢性的に肺に炎症が起こり、次第に線維化して呼吸機能が低下していく病気です。症例数は多くはありませんが、発症すると咳や呼吸困難が見られるようになり、完治が難しいため、早期の診断と対症療法が重要です。

また、耳のトラブルも比較的多く見られます。垂れ耳ではないため通気性は良いのですが、皮膚が敏感であるために外耳炎を起こしやすく、特にアレルギー体質のウエスティでは注意が必要です。耳を頻繁に掻いたり、耳の中に赤みや悪臭が見られる場合は早めの受診が望まれます。

寿命の観点から見ると、ウエスティは「健康的に長生きできる犬種」ではあるものの、慢性的な皮膚疾患に悩まされることが多いため、飼い主には根気強いケアが求められます。薬やシャンプー、食事管理を組み合わせながら、その子に合った方法を見つけてあげることが大切です。また、シニア期に入ると関節疾患や心臓病のリスクも高まるため、定期的な健康診断(年1〜2回)を受けることが長寿への鍵となります。

総合的に言えば、ウエスティは小型犬としては比較的健康で丈夫な部類に入りますが、「皮膚疾患とアレルギー」が最大の弱点です。飼い主が皮膚や被毛の状態を日頃から観察し、少しの異変でも早めに対応することが、この犬種と長く健やかに暮らすための大切な心得といえるでしょう。適切な生活環境と獣医師との協力があれば、ウエスティは持ち前の明るさと元気を長く保ち、家族に笑顔をもたらしてくれる存在であり続けます。

他の犬や子どもとの同居しやすさ

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)は、その明るく陽気な性格から家庭犬として人気を集めてきました。しかし、他の犬や子どもと一緒に暮らす場合には、テリア特有の気質や本能を理解し、相性を見極める必要があります。見た目の愛らしさから「誰とでも仲良くできる小型犬」と誤解されることもありますが、実際は「独立心が強く、自己主張もはっきりしている犬種」です。したがって、環境や接し方によっては上手に同居できる一方で、注意を怠るとトラブルに発展することもあり得ます。

まず、他の犬との相性について考えてみましょう。ウエスティはもともと単独で小動物を狩るために育成された犬種で、群れの中で協調性を重んじるタイプではありません。そのため、他の犬に対しても「自分の立場を主張する」傾向が強く、特に気の強い犬種同士だと衝突が起こりやすくなります。例えば、同じテリア系や自己主張の強い小型犬との同居では、互いに譲らずケンカになる可能性が高まります。

一方で、ウエスティは人懐こさや社交性も持ち合わせているため、子犬の頃から十分に社会化を行えば、他の犬との同居は十分に可能です。特に穏やかな性格の犬や、体格が大きくても落ち着いている犬とは良好な関係を築くことがあります。重要なのは「早い段階からいろいろな犬と接する経験を積ませること」と「飼い主が常に介入してコントロールすること」です。食べ物やおもちゃをめぐる争いは衝突の原因となるため、共有ではなく個別に与える工夫も必要です。

次に、子どもとの同居についてです。ウエスティは活発で遊び好きな性格をしているため、元気な子どもと一緒に過ごすことを楽しむ傾向があります。ボール遊びやかけっこなど、子どものエネルギーに付き合える犬種といえるでしょう。しかし、ここでも注意すべきは「テリア特有の頑固さと独立心」です。自分が嫌だと感じたことにははっきりと態度を示し、無理に触られたり抱き上げられたりすると、唸る、吠えるなどで自己主張をすることがあります。

小さな子どもは犬のサインを読み取ることが難しく、しつこく触ったり追いかけたりすることもあります。そのため、幼児とウエスティを二人きりにするのは避けるべきです。大人が必ず見守りながら、子どもに対しても「犬に触るときは優しく」「嫌がっているときはやめる」というルールを教える必要があります。こうした教育を徹底することで、子どもにとっても犬にとっても安心できる関係が築けます。

また、ウエスティは警戒心が強く、番犬気質を持っています。来客や知らない子どもに対して吠えることがあるため、頻繁に人の出入りがある家庭ではその点も考慮が必要です。ただし、基本的に攻撃性が高い犬種ではなく、社会化が十分であれば吠えた後に落ち着くことも多いです。したがって「初めて会う人や犬に慣れる訓練」を早期から行っておくことが重要です。

さらに注意点として、小動物との同居はおすすめできません。ウエスティは狩猟本能が強いため、ハムスターや鳥、ウサギなどの小動物を「獲物」と見なしてしまうことがあるからです。同じ家庭で飼うと追いかけたり噛んでしまう危険があるため、現実的には避けるのが賢明です。猫との同居についても、子犬期から一緒に暮らして慣れている場合は可能ですが、成犬になってから迎えると追いかける行動が出やすい傾向があります。

総合的に見ると、ウエスティは「社交性があり人懐こいが、独立心と自己主張が強いため、環境としつけ次第で同居のしやすさが変わる犬種」といえます。他の犬と暮らす場合は性格の相性をよく考え、子どもと暮らす場合は双方への教育を徹底することが成功の鍵です。適切な関係づくりができれば、ウエスティは子どもにとって最高の遊び仲間となり、家族全員に愛される存在となるでしょう。

運動量の多さ

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)は、小型犬でありながら非常に活発でエネルギッシュな犬種です。見た目の可愛らしさから「室内で少し遊べば十分に満足する犬」と誤解されがちですが、実際には狩猟犬として培われてきた背景があり、日常的にしっかりとした運動を必要とします。
運動不足になると、心身にストレスが溜まり、問題行動や健康トラブルを引き起こすため、運動量の確保はこの犬種にとって重要な飼育ポイントです。

まず、1日の運動量の目安としては「1日2回、それぞれ30分から1時間程度の散歩」が理想的とされています。単なる排泄のための短い散歩では不十分で、ある程度の速歩や変化を取り入れた散歩が必要です。ウエスティは好奇心が強く、においを嗅いだり、周囲を観察したりすることを楽しむため、のんびりと歩かせるだけでなく、時には軽くジョギングや遊びを取り入れると満足度が高まります。

次に、散歩以外の運動について考えてみましょう。ウエスティは遊び好きな性格を持ち、飼い主と一緒に体を動かすことを大変喜びます。代表的なのはボール遊びやフリスビーのような「取ってこい遊び」で、これは狩猟本能を刺激しつつエネルギーを発散させるのに最適です。また、引っ張り合い遊びも好みますが、興奮しやすいため、遊びの途中で「おしまい」を教えることが大切です。遊びの中でルールを学ばせることは、運動と同時にしつけの一環にもなります。

さらに、ウエスティは頭を使う遊びも必要とします。単に体を動かすだけではなく、知育トイやトリックの練習を通じて「考える」経験を与えると、満足度が高くなります。例えば、フードを入れたコングやパズル型のおもちゃは、自分で工夫して食べ物を取り出す過程で脳を刺激し、精神的な疲労を促します。これは「頭の運動」として非常に効果的で、散歩や遊びと組み合わせることで、よりバランスの取れた生活が送れるようになります。

運動量に関して注意したいのは「環境による差」です。広い庭がある家庭では、自由に走り回ることでかなりの運動が確保できますが、それだけでは十分とはいえません。庭遊びは刺激が単調になりやすいため、やはり外の環境に出て、匂いや音、人や犬との出会いといった多様な刺激を経験することが必要です。逆に都市部やマンション暮らしでは、散歩の質を高めることが重要になります。コースを変える、時間帯を工夫するなどして、毎日の散歩を「退屈な習慣」ではなく「冒険の時間」として楽しませることが大切です。

ウエスティはもともと寒冷な気候のスコットランドで活躍していたため、暑さに弱い傾向があります。夏場の散歩は早朝や夕方など涼しい時間帯を選び、熱中症対策を徹底する必要があります。逆に寒さには比較的強く、冬でも元気に散歩を楽しむことができます。季節に応じた運動の工夫を取り入れることが、健康維持につながります。

また、過度な運動には注意が必要です。小型犬であるウエスティは骨や関節が比較的繊細であり、無理なジャンプや急激な運動を繰り返すと膝蓋骨脱臼や股関節のトラブルを引き起こす恐れがあります。特に成長期の子犬やシニア期の犬では、運動量や内容をその子に合わせて調整することが求められます。「たくさん動けばよい」というわけではなく、「適度に、無理なく、楽しく」が理想です。

運動は単なる体力消費ではなく、心の安定にも大きく関わります。ウエスティは警戒心が強く吠えやすい傾向がありますが、十分な運動を行い、精神的に満たされている犬は落ち着きやすくなります。逆に運動不足の状態では、吠え癖、破壊行動、過度な要求行動といった問題が目立ちやすくなります。これらは犬の「不満の表現」である場合が多く、飼い主が適切にエネルギーを発散させる責任があります。

まとめると、ウエスティは「小型犬の中では運動量が多く必要な犬種」であり、日常的な散歩と遊び、そして知育的な活動を組み合わせることが求められます。
適切に運動を与えることで、持ち前の明るさや社交性がより発揮され、家庭犬としての魅力が一層際立つでしょう。飼い主にとっても一緒に運動する時間は絆を深める大切な機会となり、健康と幸福を共有できる大きな喜びにつながります。

体の特徴・被毛・毛色の特徴

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(通称ウエスティ)は、小型犬でありながらしっかりとした骨格と筋肉を備え、可愛らしい見た目と同時に力強さを併せ持つ犬種です。
その外見は「真っ白でふわふわの小型犬」という印象を与えることが多いですが、実際には狩猟犬としての機能性を色濃く残した体型や被毛の構造が特徴的です。以下では体の特徴、被毛、毛色の三点から詳しく解説します。

まず体格についてですが、ウエスティは体高が約28cm前後、体重はオスで7〜10kg、メスで6〜8kg程度が標準です。小型犬の中では比較的がっしりとした体つきをしており、四肢も短すぎず適度な長さを持っています。
胸は広く深く、体幹はコンパクトでバランスがよく、見た目の華奢さよりも実際は頑健さを感じさせます。頭部はやや丸みを帯び、立ち耳が特徴的で、耳先がピンと尖り気味に立ち上がっていることで、警戒心や活発さを表現しています。瞳はアーモンド型で濃い色をしており、表情は知的で好奇心旺盛な印象を与えます。

次に被毛についてです。ウエスティの被毛は二重構造になっており、外側は硬くて直毛の「トップコート」、内側は柔らかく密集した「アンダーコート」で構成されています。この二重構造は、かつて狩猟犬として荒れた地形や茂みに潜り込む際に体を保護する役割を果たしていました。硬いトップコートは泥や水をはじき、皮膚を守る働きがあり、アンダーコートは保温性を高め寒冷地での活動を支えていました。このため、見た目はぬいぐるみのように柔らかそうに見えますが、実際には触ると弾力があり、ややごわついた感触を持っています。

毛色は「純白のみ」が認められており、これがウエスティ最大の特徴です。この白い被毛は、もともと狩猟の際に獲物や環境に紛れにくくするために選択的に改良されたものです。スコットランドでは他のテリアとともに狩猟が盛んに行われていましたが、白い犬であれば猟師が誤って犬を獲物と間違えることがなく、安全性を高める意味もありました。今日では純白の毛色がウエスティのアイデンティティとなり、清潔感や可愛らしさを象徴する要素となっています。

ただし、この美しい白い被毛を維持するには日々のケアが欠かせません。被毛は絡まりやすいため、少なくとも週に2〜3回のブラッシングが必要です。特にアンダーコートは密集しているため、放置すると毛玉ができやすく、皮膚トラブルの原因になります。また、涙やけや口周りの汚れが目立ちやすい犬種でもあります。白い被毛は少しの変色でも目立つため、目や口の周りを清潔に保つことが重要です。

さらに、トリミングの方法として「プラッキング」と呼ばれる手法が伝統的に用いられます。これは、硬いトップコートを定期的に抜き取り、新しい毛が生えるのを促すケア方法で、本来の毛質を保つために推奨されています。ただし、家庭犬として飼育されている場合にはプラッキングではなくバリカンやシザーによるカットで整えることも多く、これでも生活上は問題ありません。ただしプラッキングを行わない場合、毛質が柔らかく変化し、もつれやすくなる傾向があります。

被毛の性質上、換毛期が他の犬種ほどはっきりしていないため、比較的抜け毛は少なめです。そのため「抜け毛が少なく飼いやすい犬」として紹介されることもありますが、実際には皮膚が敏感で定期的なケアを要する犬種であることを理解しておく必要があります。

体の動きや姿勢にも特徴があります。ウエスティは小型犬ながらも足取りが力強く、活発に動き回る姿は「小さなハンター」の名にふさわしいものです。尾はまっすぐに立ち上がり、歩くときや興奮しているときには誇らしげに掲げられます。この尾は、かつて猟師が狭い穴に入った犬を引っ張り出すために役立ったともいわれています。外見的にも機能的にも、狩猟犬としての名残が随所に見られるのがウエスティの魅力です。

総合的に見ると、ウエスティの体の特徴は「可愛らしさと逞しさを併せ持つデザイン」といえます。純白の被毛、立ち耳、コンパクトながら力強い体躯は、ただの家庭犬という枠を超え、犬種としての歴史や背景を今に伝える存在です。そして、その美しい外見を維持するためには、飼い主の日々の丁寧なケアが不可欠です。手をかければかけるほど一層魅力が増し、見た目と内面の両方で輝く存在となるでしょう。

里親・ブリーダー・値段

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)は、その純白の被毛と愛らしい外見から世界的に人気が高い犬種のひとつです。日本でも一定の知名度を持ち、ペットショップやブリーダーから入手する方法に加えて、保護犬として里親募集されるケースも存在します。ただし、犬種特有の病気や性格を理解したうえで入手することが大切であり、「かわいいから」という理由だけで迎えるのではなく、長期的な飼育計画を立てることが求められます。ここでは里親制度、ブリーダーからの入手、価格の相場などについて詳しく解説していきます。

まず「里親として迎える」場合についてです。ウエスティは人気犬種ではありますが、トイプードルやチワワ、柴犬ほどの飼育頭数は多くありません。そのため、動物保護団体や自治体の保健所で出会える可能性は比較的低いのが現状です。しかし、ゼロではなく、繁殖引退犬や飼育放棄された個体が里親募集されることがあります。特に皮膚疾患やアレルギーを持つ犬は、飼い主がケアをしきれずに手放されるケースがあるため、健康面に課題を抱えた子に出会うことが多い傾向があります。里親として迎える場合は、医療費や日々のケアに時間と費用がかかることを理解し、その子の「第二の犬生」を支える覚悟が必要です。一方で、保護犬を迎えることは命を救い、同時に強い絆を築く大きな喜びにつながります。

次に「ブリーダーから迎える」場合です。ウエスティはテリア種の中でも人気があり、国内には専門のブリーダーが存在します。信頼できるブリーダーを選ぶことは極めて重要で、特に皮膚病や遺伝的疾患のリスクが高い犬種であることを考慮すると、繁殖にあたって健康管理を徹底しているブリーダーを選ぶことが大切です。優良なブリーダーは、親犬の健康検査(皮膚や関節、遺伝病検査など)を実施し、無理のない計画的な繁殖を行っています。また、子犬の社会化にも配慮し、衛生的な環境で育てられた子犬は精神的にも安定しやすくなります。ブリーダーを探す際には、実際に犬舎を訪問して親犬や飼育環境を見学し、誠実に対応してくれるかどうかを確認することが重要です。

価格については、ウエスティの子犬はペットショップやブリーダーでの販売価格が **25万円から40万円前後** が相場となっています。血統や容姿、毛並みの良さ、ショードッグの素質を持つかどうかによっては50万円以上になることもあります。特に顔立ちが整っている、真っ白で毛質が美しいといった子犬は高値がつきやすい傾向があります。また、血統証付きで両親がドッグショーで活躍している場合は価格がさらに上がることも珍しくありません。

成犬を迎える場合は子犬に比べて価格が下がることもありますが、しつけがある程度入っている子も多く、初めての飼い主にはむしろ飼いやすいケースもあります。ただし、性格や健康状態をよく確認する必要があります。

里親かブリーダーか、いずれにしても大切なのは「信頼できる相手から迎える」ことです。悪質なブリーダーや流通業者では、健康管理が不十分な状態で繁殖が行われていることがあり、その結果、皮膚疾患や関節疾患を抱えた子犬が販売されるリスクがあります。初期費用が安いからといって安易に選ぶと、結果的に医療費が高額になってしまうケースも少なくありません。

また、ウエスティは美容や健康維持のために定期的なトリミングが必要であり、皮膚トラブルが多い犬種であるため、フードやシャンプー選びにもコストがかかります。購入費用だけでなく、月々の飼育費(フード、医療、トリミング代など)を長期的に見積もり、経済的に無理のない範囲で迎えることが大切です。

まとめると、ウエスティを迎える手段としては「里親制度を利用する」か「信頼できるブリーダーから購入する」の2つが現実的です。ペットショップでも出会うことは可能ですが、背景を確認しづらいため慎重な判断が求められます。価格は小型犬の中ではやや高めですが、その価値に見合う魅力を持つ犬種です。大切なのは「迎えること」そのものよりも、「その子と一生を共にする覚悟」を持つことです。愛情と責任を持って迎え入れれば、ウエスティは長い年月をかけて、家族にかけがえのない喜びをもたらしてくれる存在となるでしょう。

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)の動画集

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ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)の動画 その2

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(ウエスティ)の動画 その3

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